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2014年6月24日 (火)

今朝の電車の優先席での事件~心臓ペースメーカーと携帯電話

今朝の通勤電車の優先席で、こんな“事件”があった。
杖をついたおじいさんが電車に乗ってきて、優先席に座るや大声で「携帯電話は止めろ。ここは優先席だ」と言う。隣の携帯をいじっていた若者は、さっと席を立って行ってしまった。中央の席に座ったおじいさんの両席は空いたまま。次に品の良さそうなおばあさんが乗ってきた。と、携帯の呼び出し音。立ってドアの側でヒソヒソ・・・。そして席に戻る。するとまた、おじいさんが「携帯の電源を切るか、どこかに行ってくれ」と怒鳴る。おばあさんも負けていない。「消しません。娘からの電話を待っているから」「どこかに行ってくれ」「私は足が悪いのでどきません」「消してくれないよ~」「どこか悪いのですか?」「消してくれ」「私は薬剤師だから良く知っているが、ペースメーカーに携帯は影響は与えません」「どこかに行ってくれ」・・・。そして、おばあさんは悠然と新聞を広げる・・・
その大声に、ホームにいた尻押しの(?)駅員さんが乗ってきて「ここは優先席なので、携帯を消して下さい」「私は消しません」・・・すると、とうとう、おじいさんが怒鳴りながら、おばあさんの肩をこづきだした。すると駅員さんが、向かいの席におじいさんを離して座らせた・・・

前にも同じような場面が何度かあった。満員の電車の中で、大きな叫び声が聞こえる。おばあさんが「私はペースメーカーなので、携帯の電源を切って下さい」と周囲に向かって大きな声で言っている。満員電車でも話す人はいないので、異様な光景・・・。そして、周囲の携帯を見ている人に次々と手を伸ばして「携帯切って!」と・・・。言われた人は、キョトンとしながら、「優先席から離れているのに何で?」という顔をして、もっと遠くに立っている場所を移していく・・・。

確かに前は、車内放送で「心臓ペースメーカーに影響するので・・・」とか言っていたが、最近はそのセリフをあまり聞かない・・・。調べてみると、その根拠となる総務省の指針が変わったそうだ。でも携帯が無罪放免ではないらしい・・・。

「平成25年1月24日
各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」の改正案に対する意見募集の結果及び指針の改正
・・・
【改正の概要】
1.離隔距離の見直し
これまでに行った携帯電話端末による植込み型医療機器への影響調査の結果及び植込み型医療機器の国際規格との整合性を考慮して、携帯電話と植込み型医療機器との離隔距離を22cmから15cmに見直します。

2.携帯電話端末の所持者に対する注意事項の修正
携帯電話端末の所持者に対する注意事項において、「携帯電話端末と植込み型医療機器の装着部位との距離が15cm程度以下になることがないよう」にすることが必要であることを明確にし、あわせて携帯電話端末の新たな機能(電波OFFモード等)にも対応した表現に修正します。・・・」(
総務省のここより)

「平成25年12月25日
平成24年度電波の医療機器等への影響に関する調査結果及び当該結果に基づく「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」の改訂
・・・
3 指針の改定について
 携帯電話端末から発射された電波が植込み型医療機器に与える影響を防止するための指針は以下のとおりです。

ア 植込み型医療機器の装着者は、携帯電話端末の使用及び携行に当たっては、植込み型医療機器の電磁耐性(EMC)に関する国際規格(ISO14117等)を踏まえ、携帯電話端末を植込み型医療機器の装着部位から15cm程度以上離すこと。
 また、混雑した場所では、付近で携帯電話端末が使用されている可能性があるため、注意を払うこと。

イ 携帯電話端末の所持者は、植込み型医療機器の装着者と近接した状態となる可能性がある場所では、携帯電話端末と植込み型医療機器の装着部位との距離が15cm程度以下になることがないよう注意を払うこと。なお、身動きが自由に取れない状況下等、15cm程度の離隔距離が確保できないおそれがある場合には、事前に携帯電話端末が電波を発射しない状態に切り替えるなどの対処をすることが望ましい。・・・」(総務省のここより)

この指針を受けた(ここ)の記事によると、
「・・・総務省が現在の第3世代(3G)携帯電話を使ってペースメーカーへの影響を調査した結果、携帯電話から3センチ以上離れれば、ペースメーカーに影響はないことが判明。総務省は今年1月、距離指針を22センチから15センチに緩和した。

 総務省の担当者は「鉄道会社には実態に合わせて見直してほしい」と話す。

 京阪電鉄は指針の緩和にいち早く反応。3月から混雑時を除き「電源オフ」の呼びかけをやめた。近鉄や阪神電鉄は今後、車内放送の見直しを含め検討を進めるという。JR西日本は「とりあえず現状のまま様子をみたい」との姿勢だ。」(2013/10/7付「産経ニュース」より)
という。鉄道会社によって、対応は色々らしい。

さて、さっきのおじいさんとおばあさんのやりとり。
会社から帰ってカミさんに話すと、カミさんは全面的におばあさんの味方。
確かにおじいさんも理由も言わすに大きな声で怒鳴り、自分の周囲は自分の思う通りに・・・。
一方、おばあさんも負けてはいない。前の優先席も空いているので、そっちへ席を移せば良いのに、一切無視して新聞を広げて座り続ける・・・。
どっちも、年寄りは頑固・・・。

140624yuusenseki 心臓神経症という病名があるように、心配性はどうしようもない。これは理屈ではなくて、感情の問題。たぶんペースメーカーを付けているのだろう、おじいいさんも心配性で、「優先席ではルール通り電源を切れ」と言うのも分かるが、如何せん声が大きすぎた。

自分も含めた乗客が遠巻きにしていた、ある日の優先席の光景ではあった。

140624sukuenai <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

同じような経験をしたことがあります。

優先席に座って、メールチェックをしたら、同じ優先席の反対側に座っていたおじいさんが怒り出し、どなりました。
「携帯電話は止めろ。ここは優先席だ」
でも、反対側で、しかも昼間なので空いていたから、真ん前でなく、斜め前で、通路分が開いていますから、その指針の22センチ以上離れていたと思います。

もちろん、やめて、電源を切りましたが、そのどなり声の大きさがすさまじく、あんなに怒鳴るほうが心臓に悪いのではと。

しかも、携帯を切ってからも、まだ、そのおじいさん、虫が収まらないのか、まだ、あれこれ、どなっていました。

【エムズの片割れより】
もしかすると、同じおじいさんかも知れませんね。こちらは中央快速線での出来事でした。
こちらは自分の奥さんにいつも命令しているのに、そのおばあさんから反論されたので、逆ギレした?
でもホントウに、怒る方がよっぽど心臓に良くないと、自分も思いました。

投稿: たかちゃん | 2014年6月25日 (水) 20:39

はじめまして。突然すみません。
東急東横線にも似たおじさんがいます。平日の朝よく見かけます。優先席に座り、扉が開いて客が乗ってくるたびに「すみませーん、ワタシ心臓が悪いので切ってください。お願いします」と大きな声でおっしゃいます。そこまで必要なのか、疑問です。妄想おじさんっぽかったので、たまたまそばに乗ってしまったときは、ささっと移動しました。そのあと、乗り換えたのに、おじさんも同じ電車に乗り換えていて、また聞こえてきました。言い方は一応丁寧ですが、だれかがなにか言い返したら、「ここはそういう席ですから!」と少し言い合いになっていたようです。私も車内マナーにはうるさいほうですが、正直、同じ車両に乗っていると、鬱陶しいです。

【エムズの片割れより】
他にもありましたか・・・。ご本人はマジメなのでしょうが、こうまで気にすると、そっちの方が悪い影響を与えるのでは?
まあ「権利」と捉えているうちは、変わりませんね。せめて“他人の振り見て・・・”にしましょう。

投稿: とうよこ | 2014年10月23日 (木) 14:33

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