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2014年6月 7日 (土)

NHK「ドキュメント72時間~恐山」を見る

「人は死んだら お山に行く 青森・恐山 人はなぜ この山を目指すのか・・・」
NHK「ドキュメント72時間~恐山 死者たちの場所」(2014/06/06放送)を見た。
NHKのサイトの解説にはこうある。
「人は死んだら“お山”に行く―。昔から東北の人々の信仰を集めて来た青森県・恐山が今回の舞台。5月の大型連休、恐山が半年間の冬場閉鎖を経て開山すると、巨大霊場を目指して全国から様々な人が訪れる。亡くした娘のため毎年訪ねてくる夫婦、ご朱印目当ての“霊場ガール”。岩場が続く独特の雰囲気に、突然亡き人の名前を叫ぶ人も…。訪れる人すべてを巻き込み、不思議な気持ちにさせるパワースポット。生と死のはざまの3日間。」(ここより)

恐山には、死んだ近しい人との出会いを求めて、全国から人が集まる。

「お父さん去年亡くなったので、もうここへ来ていると思う」(むつ市 72歳)

「自然に涙がこぼれて・・・。兄弟も親も全部いなくなってしまって、今、その人たちの名前そこで座って数えてたら、何だか自然に泣きたくなってしまって・・・」(仙台 86歳)~前にも兄弟7人で、恐山に来たことがあるらしい。でも、いつしかみんな亡くなり、気が付けば一人きりになっていた・・・。「亡くなった兄弟だの みんな ここに来ているんでないかなと思って・・・。私には見えないけど、向こうからは見えているんじゃないかなと思って・・・。「よく来たね」って言われてるような気がして・・・」~亡くした人をなぜか近くに感じる。ここはそんな不思議な場所らしい。

最愛の人を亡くしたという夫婦に出会った。「娘の名前を書いて 供養で 娘が10月に亡くなっているですよね。震災の年 今年で3年目で3回目」(岩手・久慈市から 夫婦)~娘さんは3年前、26歳の若さで亡くなった。「出産のあれで 子どもを産んでから亡くなった。全然病気もしたこたがない そういう子だったから 余計悔しくてさ・・・」~娘さんは子どもを産んだ後、体調を崩して入院した。最後は口もきけなくなり、会話は筆談だったそうだ。「最後にやはり書いて分かりづらかったけど、娘が書いたのは「お父さん治るの」って、そのひと言だったから・・・。「治るよ」って俺が言ったんだけどさ、通じたか分からないけどそれが最後だった。自分もその時点で諦めたんでねえかな・・・。分かったんでないかな・・・。治んないでねえかなって・・・」~二人の地元では、亡くなってから3年は恐山に来るのが慣わし。娘さんの供養で来るのは今年が最後。「来年以降は恐山には来られない?」「来たくないですね。もしかして身内の人が亡くなれば来なきゃなんないでしょう。だから近いうちに来たくねえと思ってさ、分かんねえからさ・・・。それだけは・・・・予知できないからさ・・・」

先日、たまに電話で話す84歳になる老人ホームの叔父から電話がかかってきた。
うちの親父は、男・男・女・男・男の5人兄弟の長男だが、三男の叔父からだった。次男の叔父が先日亡くなったと言う。享年92。4男は10年ほど前に68歳で既に亡くなっており、88歳になる叔母も胃ろうで、もう意識がないので、この叔父は、さすがに寂しそうで「とうとう残ったのは、意識のない姉と自分だけになってしまった」と言う。
この叔父は、気は確かだが、だいぶん体が弱っており、難病の腸の病気や最近は痛い皮膚の病気の蜂窩織炎(ほうかしきえん)で入院したとか・・・。でもいつも言う。「車椅子になったら最後だ・・・」

人は、誕生の喜びはあるものの、死別という悲しみからは永久に逃れられない。それは誰にでも平等に訪れる人の定め。そんな事は当たり前のこと・・・。
神さまは、人生を「別離という悲しみで終えろ」と言う。人生を、悲しみ以外の方法で迎えることは出来ないのか・・・。

仏教で「人生は苦」だという。今まで関係のあった人々が、みな年を取り、亡くなっていく。近しい人も徐々に・・・。もちろん自分も・・・。
こんな経典もある。ブッダが死に際して弟子に説いた言葉・・・
「やめよ、アーナンダよ、悲しむな。嘆くな。わたくしは、あらかじめこのように説いたではないか、―――
すべての愛するもの、好むものから別れ、離れ、異なるにいたるということを。
およそ生じ、存在し、つくられ、破壊されるべきものであるのに、それが破滅しないように、ということが、どうしてあり得ようか。そのようなことわりは存在しない。」(大パリニッバーナ経)

そうなのである。まさに「諸行無常」(万物は常に変化して少しの間もとどまらないということ)なのだ・・・
夕食の後に、そんな事を話していたら、カミさんが言う。「別れるのは当たり前。だから一緒にいる時にこそ輝かなければ・・・。ずっと別れないのなら、惰性になってしまう」・・・
「なかなか哲学的な、良い事を言うな~」と褒めてやった。

生老病死・・・。特に病の苦しみなどの現実的な「苦」を経験しないで死を迎えることは出来ないようだ。
しかし一方、死ぬまで活動的かつ楽観的で、人生を「苦」と思わないで死を迎える人ももちろん居る。
「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」のだが・・・

140607kannushi <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

こんばんは。

話はちょっとずれますが、
私の加入している医療保険が80歳までの保障だと気が付いて、先日終生のものに加入しなおしました。

以前の保険に入ったのは確か30歳になった頃…。80歳などもしや永久に来ないのでは…と感じるくらい遠い先のことでした。
でも今や目前とは言わないまでも、十分に80歳を実感できるというもの。

死は避けられない。だから今日が残された時間のうちで一番若い!という気持ちで前向きに生きたいと思います。

子を亡くし父母亡くし友亡くし犬を亡くして死ぬを恐れず

【エムズの片割れより】
既に悟りの境地?
羨ましいですね。自分など、からっきしの弱虫で、ちょとした病気で、オタオタしています。
昨日も、愛犬メイ子が一日何も食べないので、オタオタ・・・。
今日はケロッと食欲旺盛!
いったい昨日は何だったのかと・・・
メイ子も12歳。「犬を亡くす」のが怖いです。

投稿: アンディーのママ | 2014年6月 9日 (月) 23:25

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