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2014年4月16日 (水)

「小保方さん問題」で終わりか?

今日も、STAP細胞の論文執筆の中心メンバーである理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が記者会見をしたが、いっこうに沈静化の方向が見えない。
先日の朝日新聞にこんな意見が載っていた。
「小保方さん問題」で終わりか 東京大学教授、ロバート・ゲラーさん
 STAP細胞をめぐる問題は、日本の科学技術研究が非常に危険な状態にあることを明らかにしたように思えます。
 僕は米カリフォルニア工科大でノーベル物理学賞を受けたリチャード・ファインマンに学びましたが、彼は研究者は常に真理をありのまま語るべきだと力説した。日本では、そうした科学の基本姿勢を必ずしも十分に教えていない。
 STAP細胞問題では、論文の共著者たちの姿勢も疑問です。通常なら、論文の共著者は、他の筆者が書いた部分も細かく読んで添削します。STAP論文は、不適切な画像だけでなく、スペルミスなど、読めばすぐわかる間違いが放置されている。共著者が読んだかどうかすら怪しい。研究者としてあるべき姿ではありません。
理研の対応疑問
 理化学研究所の対応も非常におかしい。調査委員会に付託したのは6点の疑惑の調査のみで、他は対象外にした。すべての疑惑を調査すべきでした。これでは多くの疑問点が宙に浮いたままです。
 6点のうち2点の不正を認定したが、不正に関与したのは小保方晴子さんだけで、他の共著者は関与していないとしている点は、あまりにも甘すぎます。理研の上司たちは、投稿前に原稿や実験ノートを厳しくチェックする責任があったはずです。また小保方さんは研究データを研究所のパソコンではなく私物のパソコンで管理し、実験ノートも数冊しか残していなかったようですが、とんでもない話です。理研の管理責任が厳しく問われなくてはいけません。
 理研は、共著者の1人を実施責任者としてSTAP細胞再現の検証作業を行うと言っていますが、これも非常識です。不正が認められたなら、元の論文は存在しないと同じ。「再現」というべきではないし、理研の当事者たちはこの研究から手を引くべきです。
 今回の疑惑の検証は、ネット上での匿名の告発がきっかけになりました。匿名だということを非難する人もいますが、論文は公表されるものだから、チェックして疑問点を指摘するのは匿名であってもまったくかまわない。個人攻撃はよくないが、「この画像が使い回されている」といった事実関係の指摘であれば問題ありません。
共著者にも責任
 今回の問題を「小保方さんが悪かった」だけで終わらせてはいけない。ネイチャー誌の投稿規定に明記されているように、共著者には論文の内容を詳細に確認する連帯責任がある。小保方さんだけを切って、上層部は給与カットなど形だけの処分ではいけません。
 再発防止のために一番重要なのは研究機関のガバナンスの改善です。海外の有名研究所や一流大学は、様々な国の研究者がマネジメントに携わっているのが一般的です。理研は国際水準の研究所といわれていますが、理事長を含めた理事6人は全員日本人で、うち2人は文部科学省出身者、1人は内閣府在籍経験者。外国から優れた研究者を招き、理事会の半分は外国人にすべきです。
 さらに、外国人理事が意思決定に十分参加できるように、公用語も英語にする。コンプライアンス担当には、国内外から先端科学の現状がわかっている人を採用すべきです。役所からの天下りをなくし、官僚支配から研究者支配に切り替えることが必要です。
 理研にも、中堅にはすぐれた研究者がいますが、必ずしも厚遇されていない。特に有期契約の若手はすごくプレッシャーを受けています。幹部があくびしている間に、現場は奴隷のように研究しなくてはいけない。クビになる恐怖にさらされていると、誰でも不正をしてしまう可能性がある。
 政府も問題が大きい。問題発覚前の2月、総合科学技術会議に小保方さんを出席させようとしましたが、STAP論文が当初言われていた通りのすばらしい研究だったとしても、30歳の若手研究者をそのような場に呼ぼうとするのは、政権の人気取り、パフォーマンスでしかありません。「日本の科学技術を世界一に」するためには、当然カネをつぎこむ必要はあるが、まず体制を立て直すべきです。そして何よりも研究者が真理を語ることを説いた、ファインマンの精神を忘れてはなりません。(聞き手・尾沢智史)
     *
 Robert Geller 52年米国生まれ。スタンフォード大助教授を経て、84年に東京大助教授、99年に教授。専門は地震学。著書に「日本人は知らない『地震予知』の正体」。」(
2014/04/15付「朝日新聞」p17より)

一連の動きを眺めていると、テレビの警察ドラマを見ているような気がしてくる。つまり「組織を守る」というテーマ。
当初から、メディアは理研がひとりの個人に全責任を負わせる「トカゲの尻尾切り」の懸念を伝え、実際にその通りの動きのようだ。
理研も小保方氏も、両者共、あまりに拙(つたな)く、日本人として情けない。上の米人の指140416stap 摘の方が、マスコミに出てくるコメンテーターの評論よりもよほど的を射ている気がする。
それにしても、3400人という大組織の共著者が、なぜ全員逃げているのか? 今日やっと一人だけ笹井氏が記者会見を開いたが、あまりに遅い。しかし案の定、言い訳に終始し、自身の関与については「論文の仕上げに協力しただけ」と語ったという。しかし1月の最初の会見では「25年間の研究生活の中で、一番すごい想定外のインパクト」「目から鱗でしょう」と自慢していた。プラスの場では主役を演じ、マイナスの場では脇役に逃げる・・・。実に典型的な日本の管理職。
でもこれでは、日本の論文の「名前貸し」が世界にバレてしまう。つまり、小保方氏以外は、ロクに全文を読んでいない、という事実(?)が、バレてしまう・・・。(写真は2014/04/17付「日経新聞」p6より)

先日の小保方氏の記者会見も、見ている人は唖然とした。もう科学者として後がない状況なのに、エビデンスは「次の論文のために出せない」というスタンスは、理解しがたい。そもそも「次の論文」のチャンスが失われることを避けるために行った記者会見だったはずで、あらゆるものを出し切って総力戦で戦うのが普通なのに・・・。
もちろん決定的な証拠の写真の取り違えも信じがたい。なぜなら、その証拠の写真を見せるための論文なのだから・・・。文章などは付け足しで、最後の写真一枚だけに価値がある。それを間違えるはずがない・・・と思うのだが・・・。
繰り返しテレビから流される「STAP細胞はあります」というアナログ的な説明。誰も「あるか」「ないか」を小保方さんに聞きたいのではない。理研をぎゃふんと言わせる証拠そのもの・・・。それを示す以外に、科学者としての道は残されていないのに・・・。
そして、トドメが「200回以上作製した」という発言。これで、全ては消し飛んでしまった気がした・・・。

それにしても、企業の管理の目から見ると、理研も含めた科学者の世界とは、これほどまでに“自由奔放”な(=ノー管理の)世界なのか? そして、「トカゲの尻尾切り」の、誰も責任を取らない無責任な組織なのか・・・

日本の科学の信頼を保つためにも、外国科学者が納得するような説明の展開を期待したいのだが・・・。

140416nemui <付録>「ボケて(bokete)」より


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