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2014年3月 9日 (日)

「50歳からの食事 脳より賢い腸に従え」~藤田紘一郎氏の話

先日の日経新聞にこんな記事があった。
50歳からの食事 脳より賢い腸に従え
 脳は目先の快楽を優先し、私たちを肥満や病気に追い込む「バカ」……。賢い腸をいたわり、その命令に従うことこそ、健康と幸せを実現する早道だ。50歳以降の「腸・健康法」について、免疫学者の藤田紘一郎さんに聞いた。
【腸のオキテ(1)】幸せを感じさせるのは脳ではなく、腸
 「腸は第2の脳」だなんてとんでもない。腸は、脳よりもずっと賢く、人体にとって最も重要な臓器です。腸内細菌は消化機能だけでなく、ビタミン類を合成したり、免疫を活性化して病原菌を排除したりする働きも担っています。さらに、幸福感をもたらすドーパミンやセロトニンといった「幸せ物質」の前駆体(ある物質が生成される前段階の物質)を合成し、脳へ送り込んでいるのも腸内細菌。つまり、若さを保ち、病気を防ぎ、幸福感を与えてくれるのは、腸なのです。
 現代人の腸内細菌は激減しており、40~50代男性のその量は、戦前の3分の1にまで落ち込んでいます。野菜を食べなくなり、腸内細菌のエサとなる食物繊維の摂取量の減少、食品添加物やストレスによるダメージが、その原因です。
 怖いのは、活性酸素。大気汚染や電磁波、ストレスで体内に活性酸素が発生すると、あらゆる細胞や腸内細菌を攻撃し、ダメージを与えてしまいます。
【腸のオキテ(2)】本当は、腸は炭水化物を嫌がっている
 50代ともなれば、腸をいたわる食べ方に変える勝負の時期。なぜなら、50歳からは体を動かすためのメインエンジンが切り替わるからです。体を動かすエンジンは2種類あり、一つが炭水化物を糖に変え、瞬発力を生む「解糖エンジン」。もう一つは、酸素を燃料に持続130309chou 力を生む「ミトコンドリアエンジン」です。
 活動的な30~40代のメインは解糖エンジンで、その原料はご飯やパンなどの炭水化物。50代を迎えると、今度は徐々にミトコンドリアエンジンにメインが切り替わります。腸を主に動かしているのがこのミトコンドリアエンジンで、酸素を原料としています。
 ところが、50歳を過ぎてからも変わらずお菓子やパンを食べていると、解糖エンジンが活発になり、ミトコンドリアエンジンがうまく回らない。すると、取り込んだ酸素は使われないまま活性酸素になり、腸にダメージを与えます。
 日本人の4大疾病のがん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病のすべてに活性酸素が関係します。中高年でこれらの病気にかかるのは、2つのエンジンを切り替えられないのが一因。50歳を過ぎたら、炭水化物類は食べないほうがいいのです。
 「分かっているけれども、食べてしまう」。それは脳がバカだからです。脳は、性欲と食欲に忠実で快楽が大好き。「おいしい」という快感が脳を興奮させ、「食べろ」と間違った命令を下します。バカな脳の指令は無視して、真面目に体を正常に保つ腸にこそ、従うべきなのです。本当は、腸は糖が多いことを嫌がってるはず。まあ、私も疲れると「バカな脳を癒やしてやるか」と、チョコレートを1粒だけ食べますがね……。
【腸のオキテ(3)】大きなウンコ、出てますか?
 腸の指令に従うための大前提は、流す前に便をよく観察すること。便の80%は水分で、残りのうち3分の1は腸内細菌、3分の1ははがれた腸細胞で、3分の1は食べたもののかすです。腸がよく働いている人ほど腸内細菌が多く、食物繊維が多いため便は大きくなる。また、臭いが少なく、黄金色で練り歯磨きくらいの硬さがベスト。それがスポーンと出たら、腸からの良い便りです。
 逆に便が小さく、臭いがきつくて色も黒いようなら、腸内細菌がピンチの知らせ。食物繊維が豊富な野菜や果物、乳酸菌が豊富な納豆や味噌をせっせと食べましょう。特に色の濃い野菜は活性酸素を除去する抗酸化物質、フィトケミカルが豊富ですから、一石二鳥です。
 好きな人と気分よく食事することも、腸にとって大切。楽しく食べると免疫力が上がります。脂肪を燃焼させる細胞を活性化し、太りにくくなることも分かっています。
 ちなみに、私は週に2回はすてきな女性といいレストランで肉を食べるようにしています。なぜなら、中高年以降はたんぱく質やコレステロールが不足しがちになるからです。たんぱく質を取らないと、それを材料とするホルモンの分泌も悪くなります。50代を過ぎたら週2回は肉、これは鉄則です。
 私は忙しくても、ジムで短時間でも泳いだり、温泉に行って体を温めたりしています。これは、ミトコンドリアエンジンをよく動かすため。酸素を取り込みながらゆっくりとした運動を行うこと、体を温めることはミトコンドリアエンジンを活性化させ、腸も喜びます。
 ある程度のお酒やたばこも楽しんでいいのではないでしょうか。お酒は飲める人なら1日2合(すぐに赤くなる人は飲んではダメ)、たばこは1日5本程度であれば、ストレスを解消して免疫力を上げるというデータも。免疫学者はみんな「好きなことをしている人のほうがずっと長生きだ」と口をそろえます。免疫力には腸が7割、気持ちが3割関係しますから。
【腸のオキテ(4)】キタナイ生活をすれば腸はキレイになる
 私は今の若い人よりも、腸年齢は若いという自信があります。なぜなら子供の頃に、野山でカエルやヘビを食べて、川底にはいつくばってウナギやナマズを捕まえ、菌をたくさん腸に入れたから。O-157に感染して重症化する人、軽い下痢で済む人の違いは、腸内細菌。普段から腸に雑多な菌を入れていれば、腸内細菌が鍛えられて大事に至らない。インフルエンザやノロウイルスが猛威を振るい、花粉症やアトピーが増えた原因は、行き過ぎた清潔志向が免疫を低下させているためです。
 泥まみれになって遊んだ子供は丈夫で、風邪をひきにくいものです。大人も、衛生的にはある程度おおらかなほうがいい。私は抗菌・除菌グッズは使わず、手を洗うときにも薬用せっけんは使いません。「落ちたものも食べる」くらいが、本当は腸にとってはいいのです。
<この人に聞きました>藤田紘一郎さん
免疫学者。寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学専門。免疫と腸のスペシャリスト。東京医科歯科大学名誉教授。人間総合科学大学教授。近著は『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)、『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』(ワニブックス)。(ライター 木村直子、イラスト 伊野孝行) [日経おとなのOFF 2014年2月号の記事を基に再構成]」(
2014/03/06付「日経新聞」より)

「寄生虫学」と聞いて、昔書いた記事を思い出した。やはりそうだった。2008年に「腸内細菌と免疫~藤田紘一郎氏の話」(ここ)という記事を書いたことがあった。ちょうど6年前だ(今見たら、NHKラジオ深夜便のこの時の録音がまだ残っていたので、その内もう一度聞いてみよう・・・)。

前の記事もそうだが、少々は話が乱暴。でも、それだけに聞いていて面白い。
「活性酸素」が老化を呼ぶ、と前に聞いたことがある。そしてそれが病気を呼ぶ・・・という。
むしろ、現代の文明(=ストレス)そのものが動物としての人間を蝕んでいるのかも・・・。よって、かえって江戸時代のような、自然と人間とが合体(調和)していた時代の方が、肉体的には健康だったのかも知れない。

毎朝、NHKの朝ドラ「ごちそうさん」を見ている。昨日、息子が戦死したという報を聞いて、メイ子が「こんな事のためにご飯を作っていたんと違う」というセリフがあった。
なかなかユニークなセリフだ。普通は「こんな事のために“育ててきた“んと違う」では?
でも、子どもを育てる中で、もっとも重要なのが「食べさせる」ということ。食事が肉体を作り、健全な肉体にこそ、健全な精神が宿るのは当然・・・。

それは分かるが、自分としては、最近は“あまり気にしていられない・・・”と思うようになっている。アレは体に良い、これは悪い・・・と思うこと自体が、ストレスになる。むしろ、毎日、美味しく楽しく食べられることの方が、良い回転になるのでは?・・・と。
頭で考えるよりも、体の求めるままに・・・という生き(食べ)方をしてみたい、と思うのだが、どうだろう・・・

(関連記事)
腸内細菌と免疫~藤田紘一郎氏の話

140309yabee <付録>「ボケて(bokete)」より


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