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2014年2月 4日 (火)

「障害年金 受給要件の見直しを」

先日の朝日新聞の社説に、こんな記事があった。
「(社説)障害年金 受給要件の見直しを
 年金はお年寄りだけでなく、若い世代にも恩恵がある。病気やけがで仕事や生活に大きな支障があるとき受給できる障害年金だ。国民年金加入者だと年に最大約97万円受け取れる。
 だが、受給の要件が理にかなっていない部分がある。時代にあわせ、障害者の生活を保障する機能をきちんと発揮するよう見直していくべきだ。
 障害年金を受け取るには、傷病で最初に医療機関を受診した日(初診日)の直前までに保険料を一定期間以上納付している必要がある。
 問題は、この「初診日」を基準にする点にある。
 事故で病院に担ぎ込まれたという場合ならわかりやすい。
 一方、今や受給者の3割近くを占める精神障害などは、進行が緩やかで何年もたって仕事ができなくなり、障害年金の請求に至るケースが少なくない。
 こうした場合、最初に診察を受けた病院にカルテが残っていないことがある。法定の保存義務期間は5年だからだ。病院が廃業していることもある。
 もし、受診の証拠がなく初診日が確定できなければ、いくら保険料を納めていても、障害年金は受け取れない。
 もう一つの問題は、初診日の時点で保険料未納が一定以上あると、障害年金を受け取るチャンスが生涯失われる点だ。
 ある30代の精神障害者は一昨年、支給を申請したが、12年前の初診時点で保険料納付が3カ月足りなかったとして拒否された。実は初診日のすぐ後に親が保険料を5カ月分、追納していたが、認められなかった。
 これは過酷である。精神疾患は20歳前後に発病しやすい。受診するまで時間がかかり、生活が混乱している間に未納が積み重なって納付要件を満たせない状況に陥りやすい。
 例えばブラック企業で働き、うつになったりした若者も同じリスクを抱えるだろう。精神疾患の患者は320万人。ひとごとではない。
 もちろん、受給の要件を緩和すれば、真面目に保険料を納付し続けている人との間で公平さを欠くという反論があろう。
 ただ、高齢者については無年金者を出さないため、国の姿勢はずっと緩やかだ。最低25年の納付期間を満たす人を増やそうと10年前までの保険料を追納できる時限措置もとっている。
 公的年金も保険なので、保険料の納付要件は必要だが、今の「初診日主義」には様々な問題がある。障害が一定以上になった時を基準にするなど、実態に即した案を検討する時期だ。」(
2014/02/02付「朝日新聞」p10「社説」より)

改めてNetで「障害年金の受給要件」を検索してみると、「障害年金ネットワーク」というサイトにこんな解説があった。

「障害年金は、次の4つの条件(「受給要件」といいます。)がすべて満たされた人に支払われます。
 それは、1.初診日要件、2.制度加入要件、3.保険料納付要件、4.障害要件の4つです。以下に、これについて解説します。
1.初診日要件
 我が国の障害年金制度では、この初診日に非常に大きな意味が与えられています。
 それは、初診日というものが、上の2.から4.までの受給要件のすべてに関わる(以下の説明参照)ことからも、その重要性がお判りになると思います。
 ところで、障害年金請求の要因となった障害は、何らかの怪我や病気が原因となって発生するものです。
 従って、傷病には必ず初診日があります。その日がいつで、どの病院の初診日かを特定する必要があります。
 そして初診日は、何らかの証明によって裏付けられる必要があります。
2.制度加入要件(加入要件)
 その初診日に、年金制度(国民年金、厚生年金保険など)のどれかに加入している必要がある、ということです。
 これに当てはまらない場合でも、初診日に20歳未満か、又は60歳以上65歳未満であるとき(ただし、住所が日本国内にあるときに限る。)は、年金制度に加入していない時期の初診日であっても、国民年金に加入していたのと同じ扱いになります。
3.保険料納付要件(納付要件)
 初診日の前に、決められた月数以上の、保険料が納付されているか免除を受けている月数が必要です。
 具体的には、次の条件のどちらかに当てはまっていること、とされます。
1)初診日の前々月までの年金加入月数の3分の2以上が、保険料納付済みか免除されている月であるとき
2)初診日の前々月までの12ヵ月がすべて保険料納付済みか免除を受けた月であるとき
4.障害の程度が障害等級に該当していること
・・・・・
」(ここより)

この制度は、どうも国民に優しくない・・・。確かに年金の納付は義務だろう。しかし「初診日の前々月までの12ヵ月がすべて保険料納付済みか免除を受けた月であるとき」の条件など、何かゲームのようだ。「残念だったね!1ヶ月足りないからアウト! 惜しかったね~~」みたいで・・・

障害年金は年額778,500円だそうだ。もし受けられれば、上の記事の例のように申請時30歳だとすると、80歳までの50年間に受けられる年金の総額は、4000万円近くなる。それがほんの些細なミスで受け取れない・・・。

こんな条件を、どれだけの国民が認識しているだろう。ほとんどの人は、その場になって(急に障がい者になって)初めて知るのでは? そしてたまたま運良くキチンと納めていた人はセーフ。そして受診する前に精神混乱などで未納期間があると、アウト!
だいたい、キチンと納めているような人は、そもそも障害年金など申請しない健常者では?
確かに、この社説が指摘しているように、何とも国民に優しくないヘンな「障害年金 受給要件」ではある・・・。

(関連記事)
「幻の障害年金 解消へ、時効の起算点改めよ」

140204kenka <付録>「ボケて(bokete)」より


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