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2014年2月11日 (火)

「“いのちの仕舞い”を支えたい」~高知・小笠原望医師の話

NHK Eテレ「こころの時代」で、高知県四万十川のほとりで診療所を営む、医師・小笠原望氏の話を聞いた。(2014/02/09 AM5:00~ /再放送2014/02/15 PM1:00~)

★NHK「こころの時代「“いのちの仕舞い”を支えたい」~医師…小笠原望」(2014/02/09放送)
*この番組の音声(60分)をお聞きになる方は(ここ)をクリックしてしばらく待つ・・・。

NHKの番組解説にはこうある。
こころの時代~「“いのちの仕舞い”を支えたい」
医師の小笠原望さんは高知県四万十川の流域で暮らす人々の最期「いのちの仕舞い」と向き合う日々を送る。「医療は祈りだ」という小笠原さんが見つめる「いのち」とは?
「医療は祈りだ」というのは、高知県四万十市の医師・小笠原望さん。地域を支える医師として、四万十川の流域で暮らす人々の在宅医療に取り組んでいる。ここでは、人生の最期を「いのちの仕舞い」と呼び、「痛まず、苦しまず、可能であれば何かを食べられ、住み慣れた我が家で最期を迎えられる」ことが、「いい仕舞い」とされる。小笠原さんが日々見つめている「いのち」と「生きること」とは?【出演】医師…小笠原望,【きき手】品田公明」(
ここより)

この方はどんな人だろうとNetで検索してみると・・・
「小笠原望
1951年高知県土佐市生まれ。76年弘前大学医学部卒。同年徳島大学第一内科入局。77140211ogasawaranozomu 年高松赤十字病院内科。88年同病院神経内科部長。97年大野内科(旧中村市)。2000年同院長。「かかりつけ医としての在宅医療、神経難病、こころのケア」に、「四万十のゲリラ医者」として活動中。02年から朝日新聞高知版柳壇選者。著書に、「いのちばんざい」(高知新聞社)「いのちの仕舞い 四万十のゲリラ医者走る!」(春陽堂)など。」(
ここより)

番組で気になった言葉を拾ってみる・・・
病院で体調が悪くなった患者も、自宅に帰ると食欲も出て元気が出る。「家での自然の流れの中で、命の最期が来るとしても、最期の来かたというのが、家や家族というのが大きな力を持っている」
「在宅医療の視点は、病院と違って、心臓がどうだとか肺がどうだとかと違い、その患者を丸ごと受け取って、あるいはその家族を丸ごとケアしているという気持ちで、在宅医療は科学を超えた“文学”だと思っている」

小笠原医師の病院「大野内科」の基本理念は、
「ひとりひとりをいのちの存在として大切にします。
「にんげんはみんな大変」という共感を大事にして、こころを含めた幅広い対応を心がけます。神経内科、心療内科の専門的な分野とともに、訪問をつうじても地域の皆様のいのちをささえる役割を担う努力を続けます。」

「午前中に息子さんが帰ってきて会った。奥さんが心配していた一度会わせたいというのが出来て、僕が行っている目の前で呼吸が止まった。その時に奥さんが言ったのは、私が一人でないときに最期というのは、私を困らせないように、という段取りの良いこの人らしい死にかた。これは巡り合わせ、とだけでは言えない何かの意志が働いている。そういう世界があると僕は思っている」
「意外と、家族も疲れ、訪問看護も疲れ、僕もくたくたに疲れ、これ以上続いたらどうかな・・・というときに、患者さんは亡くなる。ちゃんと家族の限界もご本人は分かって、命の最期が来る。これは偶然でなくある。人間と人間の関係の不思議を感じる。・・・」

「祈りの世界・・・。医療、特に在宅医療は科学だけではない。科学を超えるものがある。人が生きるということは、科学的なものではない。科学は限界があって人を全部コントロールできないし、その先は祈りの世界、という気がする」

「死ぬときは やさしい医者に 会いたいね」

上の言葉で、「ちゃんと家族の限界もご本人は分かって、命の最期が来る」というのは本当で、自分もこの元旦にお袋が亡くなったときに、全く同じ事を経験した。まさにこれは本当のことで、不思議なこと・・・

それにしても、氏の話を聞くと、四万十川の自然に囲まれ、まさに生きて死ぬという自然の営みを肩の力を抜いて受け入れている姿勢を感じた。そして在宅医療を受けている患者も、「死は敗北」という病院医療とは違い、自宅で家族に囲まれて自然に死んでいくことを強く望んでいる。そして皆、その“いのちの仕舞い”を小笠原医師に頼んでいる。

詳しくは上の番組(音声だけだが)を聞いて頂くとして、とにかく「大野内科」の場所が高知というのが残念。東京からは遠く、とても行けないし、在宅医療も頼めない・・・
それにしても、このような姿勢の医師が、何とか増えないだろうか・・・。
この医師の自然な姿勢が、まさに人として患者に安心を与え、真の意味での緩和ケアを与えている。そして、病院でひとりぼっちで死を迎えるのではなく、在宅でのこころのケアによる、安心の死を実現している・・・。
しかし同様な医療を患者が願っても、このような医師が近くに居なければ、何も始まらない。
この番組を見て、このような姿勢の医師が全国に増えることを、まさに“祈りたい”ものだ。まさに科学や機械のデータだけではない、人間としての医師が増えることを・・・。
(追:カミさんにこの話をしたら、市内に在宅医療で看取りをしてくれる医師が居るという。これで一安心・・・!?)

140211hanasi <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

この放送には感動しました。私は看護師で40年近く働いてきました。ここ10年位は老人施設にて勤務してきたのですが、施設に往診されるDrはやはり病院の診療の延長のように思われます。医療とは何なのか?とよく考えてきました。ただ悲しいことに看護師、介護士、経営者それぞれが小笠原Drのように気持ちの中に何かをもっていれば今の老人福祉は変われると思う。先生にはもっと声を大にして発信して欲しいと思います。私は今年で62歳になりました、先生とは1歳違いだと思いますがもっともっとがんばって欲しいです。出来る事なら一度お会い出来たらいいな~と思ってます。静岡県の一看護師でした。

【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。そうですね・・・
また先生は何冊か本も出されているようですので、機会があったら自分も読んでみたいと思っています。

投稿: 高島 晃 | 2014年2月12日 (水) 21:42

今、再放送を見たところです、聞き逃したことがあったので、ネット検索したら、辿りつきました。うまくまとめて頂いて、助かりましたありがとうございます。
この方のことは、存じあげませんでしたが、”在宅治療は、科学を超えた文学”に大変印象を受けました。
たんたんとして話される姿がこころにしみました。65歳男

【エムズの片割れより】
やはり自分と同じような年代のようで・・・。段々気になってきますよね。こんな話題が・・・

投稿: なんでも好奇心 | 2014年2月15日 (土) 14:14

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