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2014年1月13日 (月)

小泉元首相の変節「オレたちにウソ言ってきた」~面白くなってきた都知事選

都知事選が面白くなってきた。明日(2014/01/14)の小泉会談というセレモニーを経て、細川元総理が立候補を表明するらしい。争点は脱原発。
そういえば、前に小泉元総理の原発についての記事があったな・・・、と探したら出て来た。1ヶ月ほど前の朝日新聞の記事である。
前に「ドミニカ移民 小泉談話の持つ力」(ここ)という記事を書いたが、その続編のような記事だ・・・。

(ザ・コラム)小泉元首相の変節「オレたちにウソ言ってきた」
         大久保真紀(編集委員)
 「小泉純一郎です。大久保さんいる?」
 先月12日の昼、社会部の電話が鳴った。受話器を取ったのは今春入社の新人記者。どぎまぎしながら、取材で外に出ていた私の不在を伝えると、「談話のことを取り上げてくれてありがとう。よろしく伝えておいて」。それだけ言うと、電話は切れた。
 その2日前、私はこの欄でドミニカ共和国に移住した人たちのことを取り上げた。「日本政府にだまされた」と移住者が訴えた損害賠償請求訴訟。国が勝訴したのに、当時の小泉首相が「政府として率直に反省し、お詫(わ)び申し上げます」と非を認める談話を出したことで、国の対応は百八十度転換した。私はこう書いた。
 「政治家が方向性を打ち出さない限り、官僚は動かない。それが日本の現実」
 この言葉が、安倍首相に原発ゼロを迫る小泉さんの琴線に触れたのだろうか。取材を申し込んだときは断ってきたのに。電話をもらったお礼の手紙を出すと、小泉さんは知人を介して、3人で食事でも、と伝えてきた。
 首相を退任してからはインタビューもテレビ出演もすべて断っているという。「取材ではないよ」と念を押されたが、直接会ってどうしても聞きたいことがあった。なぜ、いまごろ原発ゼロを声高に叫ぶのだろう。だって首相時代は、CO2削減を理由に原発推進の旗振り役だったのに。
    *
 「やあ、やあ」と言いながら、小泉さんは現れた。71歳には見えない若々しさ。席に着くなり言った。「いとこがブラジルに住んでいる。開拓でドミニカと同じような苦労をしている。ドミニカは(国が)ひどいウソついてたとわかったからな」。2004年に首相としてブラジルを訪問したときは移民に熱烈な歓迎を受けて男泣き。異国で暮らす同胞の思いに胸が詰まったそうだ。
 原発推進から原発ゼロに変節したのも、心を揺り動かされた何か大きな理由があるに違いない。そう思って質問した。小泉さんを変えた一番のものは何ですか?
 「電事連(電気事業連合会)の言ってること、ウソじゃん」。私の目を見据えて、強い口調でまくしたてた。
 「専門家が『安全で、コストが安い』『脱石油にはこれしかない』と言えば信用しますよ。何年もオレたちにウソを言ってきた。これですよ。こっちは原子力の知識なんかないんだから。3・11前はそんな関心もなかったし。あれほど制御しがたいものとは知らなかった」
 だまされたと思ったんですか。あえてそう聞くと、「そうだよ。思ったよ」。
 じぇじぇじぇ。原発ゼロに背中を押されたのは、官僚や専門家にだまされたことに気づいたからなんだ。まるでオレオレ詐欺の被害者みたい。同じことを何度も尋ねたが、福島の被災者への言及はなかった。
 じぇじぇじぇ。5年半も首相を務めた最高権力者がだまされたと嘆き、怒っているとは。でも、よくよく考えれば、日本はとんでもない国だ。正確な判断材料が一国の命運を左右する首相に示されず、安全神話を信じさせられてしまうのだから。小泉さんの変節は人間として何となく納得できるような気がした。
    *
 小泉さんの原発ゼロ発言が注目を浴びたのは、8月末に毎日新聞専門編集委員の山田孝男さんがコラムで取り上げてからだ。「新聞記事の影響の大きさが改めてわかったよ。だって、月2~3回してきた講演で同じこと話してきた。みんな無視したが、あの記事で無視できなくなったんだな」
 山田さんのコラムの中でも、小泉さんはこう言っている。「戦はシンガリがいちばん難しいんだよ。撤退が」「昭和の戦争だって、満州(現中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。『原発を失ったら経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか」
 昭和史に詳しい作家の半藤一利さん(83)に聞いてみた。「僕は小泉さんは大嫌い。(首相時代は)独裁になる前のヒトラーのやり口と同じだと感じたから」と前置きした上で「でも、彼の原発ゼロ発言は正論だし満州の例えはその通りだと思う」。
 そして、こう説明した。日露戦争の後、日本は手にした権益を守るために大国主義を選んだ。その結果、朝鮮半島を「利益線」にし、さらにそれを守るために、資源や人口問題などいろいろな理由をつけて旧満州を「生命線」とした。「近代史の中での意味を考えると、原発と満州国は同じかもしれない。かつては満州があって国を滅ぼしたが、これからは原発をもつことで国を滅ぼすことになるのではないか」
 小泉さんとの会食は3時間近く、話は映画や読書、ゴルフ、演劇にも及んだ。別れ際、抱きかかえていった30本の赤いバラの花束を手渡そうとしたが、体よく固辞された。一切もらわない主義だという。私が「(今日のこと)書きますので」と言うと、小泉さんはアッハハッと高笑いし、片手を上げて去っていった。」(
2013/12/15付「朝日新聞」p9より)

先日Netで、「もともと小泉さんは、安倍首相を見下している。その安倍首相が大宰相ヅラしているのを内心、苦々しく見ているといいます。」(日刊ゲンダイ2014年1月10日(ここ))
という言葉を見付けた。現・元総理の間には、色々とあるらしい。そして細川殿様が出てきて代理戦争?

これで自民党が押す候補が負けると、これは面白い。何よりも、“怖いもの無し”と勘違いしている現政権がハッと夢から覚める可能性も・・・!? そして「あと3年は選挙がないので・・・」とうそぶいている首相に冷や水が!?

それにしてもこの記事。何とも楽しい(?)事後談だが、怖ろしい言葉もある。
「よくよく考えれば、日本はとんでもない国だ。正確な判断材料が一国の命運を左右する首相に示されず、安全神話を信じさせられてしまうのだから。」

日本という国を差配しているのは、いったい誰なんだろう? 国のトップが、官僚や業界に言いくるめられ、それによって国の方針がジャッジされているとすると、空恐ろしい。
しかし、政治家とて素人の部分は多くある。それを補完するのが官僚だが、その官僚をも業界が差配しているとすると、官僚陣は業界以上に博学で、ウソを見破る実力を持っていないといけない。でもそんなことは、実現不可能・・・
先の原発事故でも、国の監督官庁の体たらくはとても正視できる状態では無かった。国にも業界のウソを見抜く力は無い。ではどうする??

何度かここに書いているが、やはり「実力」という言葉が頭をよぎる。それもこれも、全ては日本国民が持っている「実力」ではないかと・・・。業界が官僚や政治をだますのも実力。もちろん、だまされる方も実力。それによって、取り返しが付かない事故を発生させるのも実力。そして、東電のようなドタバタをしているのも実力。はてまた、選挙公約に書いていなかった「秘密法」などを勝手に立法化してしまう“白紙委任状を与えられたと勘違いしている政権”を選んだのも国民の実力・・・!?
つまり、すべては他人の責任ではない。政権を選んだ自分たちの責任。しかしそれは、マジメに考えて投票した国民に対しての話であって、良く考えないで投票する国民が多いと、飛んでもない方向に行ってしまう。ま、それも日本の実力だけど・・・
でも、これからどうする? 次世代に対してどう責任を取る? と考えると、取り返しが付かない気になる・・・。

全ての組織、男は、メンツが大事。いやメンツが全て。しかし、「自分はだまされた」と素直に認めて方向転換をするこんな元・エライ人は珍しい。
そんなスタンスに、都民がどう反応するか・・・。なかなか面白くなってきた都知事選である。
そしてこの選挙が、少しでも現政権のやりたい放題のスタンスにブレーキになれば・・・と思うのだが・・・。

(関連記事)
「ドミニカ移民 小泉談話の持つ力」 

140113choki <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

 3・11の後NHKの水野、山崎記者のその場しのぎのでたらめな「解説」に騙されてきた・・・・・と心底思い知った人は多いはず。でも「原発が動かないから火力発電の燃料費が上がって貿易赤字が大変・・・」などと国民を脅している。でもそれって「20%の円安」が直接の犯人じゃないか?
 小泉さんもあるいは宇都宮さんにも語ってもらいたい。「いっときの人気政治家ピエロや官僚ロボット」を動かし政治を作っていく大きな意志をもった「何者」かはエネルギー政策としての原発を残そうとしているのではなくて「いつでも作れる原爆の材料(プルトニウム)製造装置としての原発をのこそうとしているのではないか? 
 生れ落ちるや日本国から見捨てられそうになった疑い深い満州残留孤児もどきのわたしは「権力が必ずしも国民の総意であるとは信じられません。

投稿: todo | 2014年1月14日 (火) 06:49

311は日本人だけでなく、世界中の多くの人々を我に返した出来事だったと思います。
それまでは、アメリカンドリームに洗脳され、
物資欲、経済が一番というのがスタンダートでした。
専門家に頼りきり、彼らの言われるがままにした結果、活断層だらけの日本に50以上も原発が建てられた。
反対していたのは少人数で、誰も聞く耳持たなかった。

過ちを認めるという事は前進の第一歩です。
良い方向へ移行する事に対し支持しましょう。

嘘に嘘を重ねても、悪化する一方で、自分自身(他人をも巻き込み)自滅に向かい、苦しみを増やすのを辞(止)める時です。

一人一人が、自分で出来る事をみつけ、社会に関心を持ち、参加する人が増えれば、世の中も少しずつ変化していきます。

【エムズの片割れより】
そうですね・・・

投稿: みどり | 2014年1月21日 (火) 03:12

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