« 新聞各紙の「秘密保護法案」へのスタンス | トップページ | 「世界の日本人ジョーク集」早坂隆著~Uさんの読書ノート »

2013年11月25日 (月)

「秘密保護法案 世界の流れも知ろう~ツワネ原則」

昼休みに行った食堂で、今日の「毎日新聞」の社説を読んだ。
「社説:秘密保護法案を問う ツワネ原則
 ◇世界の流れも知ろう
 国家機密の保護をめぐる規定は各国さまざまだが、一つの指針として今年6月にまとまった50項目の「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」が注目されている。国連関係者を含む70カ国以上の専門家500人以上が携わり、2年以上かけて作成された。発表の場が南アフリカの首都プレトリア近郊ツワネ地区だったため「ツワネ原則」と呼ばれる。人権問題などを協議する欧州評議会の議員会議が10月、この原則を支持する決議を採択した。
 ツワネ原則は、国家機密の必要性を認めながらも、国が持つ情報の公開原則とのバランスに配慮すべきだと勧告している。公開の規制対象は国防計画、兵器開発、情報機関の作戦や情報源などに限定し、(1)国際人権・人道法に反する情報は秘密にしてはならない(2)秘密指定の期限や公開請求手続きを定める(3)すべての情報にアクセスできる独立監視機関を置く(4)情報開示による公益が秘密保持による公益を上回る場合には内部告発者は保護される(5)メディアなど非公務員は処罰の対象外とする−−などを盛り込んだ。
 また、情報を秘密にする正当性を証明するのは政府の責務であり、秘密を漏らした公務員を行政処分にとどめず刑事訴追できるのは、情報が公になったことが国の安全に「現実的で特定できる重大な損害」を引き起こす危険性が大きい場合に限るとしている。
 日本の特定秘密保護法案をめぐる審議に、この新しい国際的議論の成果は反映されていない。
 法案の狙いである違反者への厳罰化も疑問だ。欧米では敵国に国家機密を渡すスパイ行為は厳罰だが、これに該当しない秘密漏えいの最高刑は英国が禁錮2年、ドイツが同5年までだ。日本の法案と同じ最高懲役10年の米国は、欧州諸国と比べて厳しすぎるとの指摘がある。
 欧米は近年、むしろ情報公開を重視する方向に進んでいる。米国では2010年、機密指定の有効性を厳格に評価する体制作りなどを定めた「過剰機密削減法」が成立した。秘密情報が増えすぎて処理能力を超えたことが逆に漏えいリスクを高めているという反省もある。また英国では3年前、秘密情報公開までの期間が30年から20年に短縮され、議会監視委員会の権限が今年から強化された。こうした世界の流れから日本は大きくはずれている。審議中の法案は廃案とし、国家機密保持と情報公開の公益性のバランスについて十分な議論を尽くすべきだ。」(
2013/11/25付「毎日新聞」「社説」より)

一方、昨日の朝日新聞の社説にはこうある。
「(社説)秘密保護法案 自己規制の歴史に学ぶ
 帝国議会会議録を開き、戦前の秘密保護法制の審議を読む。
 時代背景も法の中身も、いまとは違う。けれど、審議の様子はこの国会とよく似ている。
 1937年の軍機保護法改正ではやはり、秘密が際限なく広がらないか、が焦点だった。
 軍機保護法では、何を秘密とするか、陸軍、海軍大臣が定める。これでは国民が、そうと知らないまま秘密に触れ、罰せられないか。
 追及を受けた政府側は「秘密とか、機密とかは、普通の人の手に渡らないのが通常」「機密と知らずにやった者は犯罪を構成しない」と説明した。
 議員らは、付帯決議でくぎを刺す。不法な手段でなければ知り得ない高度な秘密を守る。秘密と知って侵害する者のみに適用する。政府は、決議を尊重すると約束した。
 だが、歯止めにはならなかった。軍港で写真を撮った、飛行場をみたと知人に話したといった理由から、摘発者は3年間で377人にのぼった。
 98歳のジャーナリスト、むのたけじさんは、直接の取り締まりよりも国民の自己規制が大きかったと指摘する。
 「怖そうな法律ができた、ひどいめにあうかもしれないと思うだけで効果は十分なのです」
 朝日新聞記者だったむのさんは当時の様子をこう振り返る。
 朝日新聞も自ら二重、三重に検閲をした。互いに警戒して、友達がいなくなる。話の中身がばれたとき、だれがばらしたのか疑わなければならないのがつらい。だから2人きりなら話せても、3人目がくると話が止まる。隣近所も家族も、周りの全員に監視される恐怖感。「一億一心」のかけ声をよそに国民はバラバラになった――。
 いまの法案はどうか。
 秘密がどこまで広がるかわからない不安は、かつての法に通じる。
 矛先が市民に向かないか。政府答弁は戦前をなぞるようだ。
 安倍首相「一般国民の方が特定秘密を知ることはまずありえない」、森担当相「秘密と知らずに内容を知ろうとしても、処罰の対象にならない」。
 確かに、軍機保護法より、一般市民を罪に問う可能性を狭めてはいる。刑罰の重さも違う。それでも、秘密を漏らすよう公務員をそそのかしたなどと適用されるおそれはある。
 公務員が、メディアが、市民が自己規制を始めれば、民主主義や国民主権は空洞化する。
 そのおそれは修正協議をへてなお消えない。
 歴史をみても廃案しかない。」(
2013/11/24付「朝日新聞」p8「社説」より)

今回の法案は、世界の潮流にも逆らっている。また戦前の「軍機保護法」での議論と同じ、つまり“政府答弁は戦前をなぞるようだ”そうな・・・。
そして、“だが、歯止めにはならなかった。軍港で写真を撮った、飛行場をみたと知人に話したといった理由から、摘発者は3年間で377人にのぼった。”と同じような事態になるのか・・・??

また、今朝の日経新聞によると、
秘密保護 反対5割 内閣支持率63%に微減
 日本経済新聞社とテレビ東京による22~24日の世論調査で、機密を漏らした公務員らへ121125nikkei の罰則を強化する特定秘密保護法案に反対が50%となり、賛成の26%を上回った。10月の前回調査は反対43%、賛成35%だった。安倍内閣の支持率は63%と前回より3ポイント下落した。秘密保護法案への懸念が背景にあるとみられる。・・・」(
2013/11/25付「日経新聞」p1より)

維新との協議で、秘密指定期間は30年から60年に延長され、焼け太り的なバカバカしい動きには、開いた口がふさがらない。
前にも書いたが(ここ)、ここまで国民が反対しているのに、自民党の石破幹事長は「『特定秘密保護法案』に対する国民の受けは全然よくないが、防衛や外交の分野で知らせてはならない情報は間違いなくある。誰がそれを取り扱うかを決め、漏らせば厳しい刑罰で臨むための法律をつくるのは当たり前だ」と言っていたが、最近思うのだが、政党政治とは何か?・・・

国会議員は投票してくれた国民の代表ではないのか? その国民が反対しているのに、政党に属しているがために、国会議員は自身の信条もそっちのけで、その政党のボスの考え方を追認して、国会での投票マシン化しているのではないか?
政党政治とは、“共通の政治的目的を持つ者によって組織される団体である”(wiki)はずだが、本当に全員が「秘密保護法案は今すぐに必要だ」と思っているのか? それを投票してくれた地元の人たちに説明・説得することが出来るのか?

しかし、やはり現政権を生んだのは国民。そんな事まで予想していなかった、と言うかも知れないが、でも投票したのは国民・・・。それを認めるかのように、先の日経の世論調査では、今なお“安倍内閣の支持率は63%”だという・・・。
日本をこれ以上、時代の逆行をさせないためには、キチッとした野党が台頭して、それを国民が支持するしかない。今のような一党独裁体制では、世界の「ツワネ原則」を無視することに止まらず、国民にとって悪い方向に向かうことはあっても、決して良い方向にはいかない。次の選挙が待ち遠しい・・・。

131125shiji <付録>「ボケて(bokete)」より


« 新聞各紙の「秘密保護法案」へのスタンス | トップページ | 「世界の日本人ジョーク集」早坂隆著~Uさんの読書ノート »

コメント

福島での公聴会。自公、みんな、維新を含めて、すべての意見が反対ー慎重意見でしたが、安倍自民は聞く耳もたずのようです。   
こうした事態をまねいたのは小選挙区制と党機関にしか目が向かない議員を生み出す今の政党制があります。30年前のスパイ防止法案に反対しながら今は、安倍のとなりに黙って座っている谷垣の姿がそれを示しています。     
 1票の格差よりも政党機関とそのトップが、小選挙区制を利用して20%でも30%でも相対的に1位をとれば議席数で圧倒的多数を獲得でき暴走が可能になってしまうのがいまの制度です。それはもう民主主義とはいえないでしょう。

【エムズの片割れより】
自民党で1人だけですが、反対者が出ましたね。あれが正しい姿なのだと思います。
参院も期待出来ませんよね。でもそれでは困る・・・
さっきのテレビのニュースで、タイの反政府デモの模様を放送していました。日本もここまで盛り上がると良いのですが・・・

投稿: todo | 2013年11月26日 (火) 22:03

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 新聞各紙の「秘密保護法案」へのスタンス | トップページ | 「世界の日本人ジョーク集」早坂隆著~Uさんの読書ノート »