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2013年10月14日 (月)

小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」発言

ずっと気になっている記事がある。先日の朝日新聞の「天声人語」である。

「一線を退いても、有名政治家の発言はなにかと思惑がらみで受け取られがちだ。首相経験者ともなれば、いろいろ詮索(せんさく)されるのは仕方がない。しかし、今回はまず、その中身にきちんと耳を傾けてみたい▼小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」発言である。1日の名古屋での講演でも訴えた。将来のゼロはいいが今はだめだという議論に対し、「早く方針を出した方が企業も国民もゼロに向かって準備もできる、努力もできる、研究もできる」と▼首相時代はきれいで安いエネルギーだと信じていたが、東日本大震災で疑問を抱いたという。確かに直後の11年5月には、原発の安全性を信じたのは「過ち」だったと語っている。確信を深めたのは、この8月のフィンランド視察だったようだ▼「オンカロ」という施設を見た。原発ゴミの高レベル放射性廃棄物を地下に埋めて最終処分する場だ。「トイレなきマンション」にトイレができるか、世界初の試みである。しかし、ここに埋めても放射能がほぼ消えるまで10万年かかる▼施設がそれだけの長期間もつのか。そもそも数万年後に人類はどうなっているのか。今と同じ言葉や文字を使っている保証はなにもない。彼らに危険物だということをどう伝えるのか。ほとんどSFの世界の話である。小泉氏は考え込んだだろう▼講演では経済界の原発推進論に反論した。「ゼロは無責任というが、処分場のあてもないのに進める方がよほど無責任だ」。筋が通っている。正気に返るべきなのだ。」(2013/10/03付「朝日新聞」「天声人語」より)

民主党の首相経験者の発言はもとより、国策として原発推進をしていた自民党の首相経験者の「原発ゼロ」発言をどう捉えよう?
実は、自分は“原発ゼロ”主義者ではない。理由は簡単。現役時代、扱い機器を原発に入れたことがある。そんな経験から、原発を否定する事は、かつて糧を得ていた関係から、何か申し訳なくて・・・

自分も前にフィンランドの放射性廃棄物の最終処分の番組を見たことがある。「BS世界のドキュメンタリー」~「地下深く 永遠(とわ)に~100,000年後の安全~」(ここ)という番組だ。
NHKのこの番組の紹介ページにはこうある。
「BS世界のドキュメンタリー~地下深く 永遠(とわ)に~100,000年後の安全~
各国が頭を痛める原子力発電所の廃棄物問題。北欧のフィンランドが世界に先駆け、核のゴミの最終処分場の建設に乗り出している。「オンカロ」(フィンランド語で「隠し場所」)と呼ばれる処分場は、太古の岩盤層を深さ500mまで掘り下げた先に作られ、施設が国内で排出される核廃棄物で満パンになる約100年後に、入口を完全封鎖されるという。
核廃棄物の最終処分が難しい理由は、実はその先である。廃棄物が出す放射線が、生物にとって安全なレベルに下がるまで、欧州の基準では少なくとも10万年かかるとしている。つまりオンカロは、人類の歴史にも匹敵する膨大な歳月の間、安全性の確保が求められるのだ。革命や戦争が起きたり、気候や地殻の大変動に見舞われたりしたとしても・・・
最も危惧されているのは、今の人類が姿を消したあとの未来の知的生物が処分場に侵入し、放射線が漏れ出してしまうシナリオだという。そうならないよう、近づくと危険だという警告を伝えた方がいいのか?しかし、どうやって?あるいは何もせず、記憶から消し去ってしまう方がいいのか?原子力というパンドラの箱を開けた人類が直面する難問を描く。
2010年 国際環境映画祭(パリ)グランプリ受賞作品
原題:Into Eternity
制作:Magic Hour Films (デンマーク 2010年)」(
ここ)より」

最後の「原子力というパンドラの箱を開けた人類が直面する難問」という言葉が重い。
改めて、Youtubeにアップされていたこの番組を見た。

この番組の、Youtubeは(1/4はここ)(2/4はここ)(3/4はここ)(4/4はここ

日本の54基と違って、たった4基の稼働で、これだけの対策をしているフィンランド。一方、福島第一原発の“予定外の原発全体”という膨大な放射性廃棄物を抱え込んでしまった日本。それを今後どうするかの議論も無いまま、そしてドイツの原発ゼロ化の方針転換も見ぬ振りをして突き進む日本。
それにしても、事なかれ主義の日本人と、決断をするドイツ人の違い・・・。その違いは、恥ずかしいほど・・・

同じくYoutubeには、同じような番組が多くアップされている。ついでに見たのが六ケ所の再処理工場の現場レポートだ。これも末恐ろしい・・・

「10万年隔離は可能?核のごみ処理の現場で」(1/2はここ)(2/2はここ

この番組でも言っていたが、10万年前というとネアンデルタール人の時代だ。そのくらいのスケール。今21世紀だが、10万年後は1000世紀の時代・・・
まさにSFの世界。しかし現代の我々は、その恩恵だけを受けて、その責任(負担)を1000世紀先までの人類に押し付けている。あまりに身勝手な現代人・・・。

自分も“現役時代に原発の仕事をしたから・・・”という理由だけで、今まで原発推進派のような立場を取っていたが、もう過去のことは忘れて、真摯に原発について考えてみようか・・・
「ゼロは無責任というが、処分場のあてもないのに進める方がよほど無責任だ」という議論について・・・

131014maniau <付録>「ボケて(bokete)」より


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