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2013年9月12日 (木)

「教育というのはいいところをもっと褒めること」

今朝の朝日新聞の「天声人語」はこんな記事だった。
「はやり歌のベストテンとか、お金持ちの百傑とか、ものごとに順位や序列をつけて眺めるのが人間は好きだ。相撲の番付もしかり。これを他の分野に応用した「見立(みたて)番付」なるものが、江戸時代に盛んにつくられた▼名所旧跡や神社仏閣から名産品まで、色々な種類があった。商家の丁稚(でっち)番付もある。大関は主人からのれん分けしてもらう小僧、関脇は返事の早い小僧、小結は早起きな小僧といった具合である▼逆に悪い丁稚の番付もあり、尻の重い小僧、寝小便や居眠りをする小僧らが高位にいる。一方は、かくあるべしと使用人に説き、他方は、こうなってはならぬと戒める意味合いだろう。静岡県の川勝平太(かわかつへいた)知事がこのたび選んだのは後者だった▼全国学力調査の小学6年の国語Aで、静岡県は最下位になった。知事は記者会見で「先生の授業が最低だということ」だといい、512校のうち、成績が下から100校の校長の名前を公表すると宣言した。「責任の所在を明確にしたい」と▼悔しさや怒りが抑えがたかったのだろうか。それでも行き過ぎというほかない。そもそも市町村ごとや学校ごとの順位は表に出さないことになっている。ランキング競争には一面の効能もあろうが、こと公教育の場では副作用が強い▼まして下位校に限って世間にさらすというのでは、下村文科相が「教育というのはいいところをもっと褒めること」と指摘したのも当然だろう。戒めを通り越して懲らしめのための公表になってしまわないか。 」(2013/09/12付「朝日新聞」「天声人語」より)

この記事で、実は自分は、“知事は記者会見で「先生の授業が最低だということ」だといい、512校のうち、成績が下から100校の校長の名前を公表すると宣言した。「責任の所在を明確にしたい」”という知事の気持ちも、分からないでもない。恥を知れ!といった所か・・・。
要は、その結果を受けて、先生方がこれから、どう動くかだ。どう改善するかだ。そして、次のテストで相当に順位がアップをして当然・・・、という動きをすれば良い。
もし何もしない先生方だとすると、公表されても仕方がないのかも・・・。要は自浄作用のない先生方、つまりオトナではないので・・・

それよりも、自分がこの記事を取り上げたのは、「教育というのはいいところをもっと褒めること」という言葉があったので・・・。
前に自分の小学校5年生の頃の思い出の記事で、小学校での表彰制度について書いた(ここ)。
転載すると・・・、
「それと思い出すのが「表彰」。この小学校の校長が「誰でも何か褒める事があるはず」との考えで、たくさんの児童が何かの理由で表彰された。そして朝礼の時、全校生徒の前で「表彰」されるので、嬉しかった。その話が近所の子どもの母親から、先にお袋の耳に届き、学校から帰ると「学校で表彰されたんだって?」と言われ、得意になったものだ。この校長の「子供を褒めて育てる」という方針は、今でも正しいと思っている。」(2009/10/22の記事(ここ)より)

ふと思い出してそれを探してみたら、あった。表紙には「昭和33年度 表彰簿」とある。表彰“状”ではない、表彰“簿”だ。「ほめることがら」という項目名からみても、先の文科相の「教130912hyousyou1 育というのはいいところをもっと褒めること」と同じスタンスである。(写真はクリックで拡大)
そして一項目毎に校長印があり、校長自ら目を通し、また「保護者の感想や意見」という欄により、保護者と一緒に褒めて育てよう、という校長の意気込みが感じられる。
この制度は昭和33年11月から始まったらしい。その時の茨城県龍ヶ崎市立龍ヶ崎小学校の校長は、石井理平治とある。
もちろん褒めて育てる、というのは家庭でも同じ。しかし自分が息子どもを褒めて育てたかというと、まったく自信がない。仕方がないので、これから生まれる孫に対しては、褒めることに徹することにしよう。(←たぶん忘れると思うけど・・・)

130912kyosei <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

エムズさんはすばらしい校長先生の薫陶を受けて来られたのですね。
静岡県がビリ2の県とどのくらい点差をつけられたビリだったのか知りませんが、順位というものは、つければ誰かがビリを引き受けねばなりません。
「褒めて育てる」という視点が必要なのは小学生だけでなく、それを育てる教師にも必要で、きっと石井校長は教師たちにも「だれでも褒めるところがあるはず」という姿勢で接していらしただろうと推察いたします。くらべて静岡県知事のけつの穴の小さいこと!!

【エムズの片割れより】
トップのスタンスは、良くも悪くも影響大ですよね。

投稿: Tamakist | 2013年9月13日 (金) 19:41

国語が最下位とはノンビリ県の住人としては恥かしいのですが、さもありなんと思うところもあります。ここ35年、我が家にやってくる金融機関の青年、のべ50人は下らないと思うのですが、この中で本を読むと答えたのはたったの2人しかいませんでした。昔、就職の時の身上書に「愛読書」を問う欄があるのを見た事がありますが、今は皆「そんな事聞かれたことはない」といいます。愛読書がわかればその人の人となりがわかると思うのですが、読まない人に聞いたところで何にもなりませんものね。読書の習慣がないのが国語力の低下につながっているのではと思います。30年前の青年より子供じみていることも確かです。歌でもなんでも幼稚になっていますものね。素敵な青年が幼稚なのは興ざめです。

【エムズの片割れより】
そうですか・・・。今は「愛読書」の欄はありませんか・・・。今の時代、それも若しかすると“個人情報”かも・・・
今の青年が子供じみているという代表例は、新入社員の学歴・・・ 自分の時代は院卒など数%。それが今は、理系はほとんどが院卒。確かに学卒では幼すぎる・・・。
この原因はどこから来ているのでしょうね??

投稿: 白萩 | 2013年9月15日 (日) 17:22

幼稚な青年でこういう人がいました。12月に預金の積立金を1月分も一緒に集金したいと言ったのです。給料取りに2か月分は無理と言ったら「普通預金にお金があるじゃん」と言いました。お正月早々集金にきたくないのだそうです。
お客様が1番、2番が会社、3番が自分でしょと言っても通じませんでした。
先人の知恵が詰まった本を読まない事と、親が甘やかして育てた事が原因でしょうね。中には集金に来て「こんな仕事をさせられるなんて」と怒った青年もいました。日本の未来は暗いとしみじみ思いました。働く意味が全くわかっていないのです。10万ばかり金ではないと言われた事もたびたびあります。お坊ちゃまばかりなのでしょうね。

【エムズの片割れより】
運良く、自分には銀行員に知り合いは居ません。優秀な人が集まっていると想像していた銀行マンですが、色々ですね・・・。

投稿: 白萩 | 2013年9月16日 (月) 16:59

イヤー、白萩さんの投書に共感します。
日々、おまえには絶対営業マンの資質はない! なんで管理会社のフロントなんかやってるんだ!?と思う男を相手にしている身としては、つくづく、しみじみ、優秀な営業マンは貴重品なんだな、と思いしみました。

投稿: Tamakist | 2013年9月22日 (日) 19:14

自分の為すべき仕事は何なのかという自覚がない青年が増えているのでしょう。
話は変わりますが、国語の成績が平均点以上あった校長の名前が先日地方紙に掲載されました。私はこういう事があると成績が低い子にいじめが起きないか心配になります。
昔特別学級にテストの点数が悪いだけで入ってくる子がいました。私たちの時代には普通学級に何人もいましたが、平均点を下げるという理由で特学に追いやられるのです。しかも先生のいじめがひどく事あるごとに腕をつねられて紫色に腫れ上がっていたそうです。頭に段ボール箱をかぶせられ左右に思い切り揺すられたと本人から聞いた事もあります。彼等は今社会に出て立派に働いています。これが教育なのでしょうか。成績とは何でしょうか。

【エムズの片割れより】
実に良く分かります。特別学級というのは、自分の周囲にはなかったので、良く分かりません。
しかし、確かに“成績”とは何でしょうね?成績の良い人だけが医者や弁護士になる・・・。その人たちの人間性は成績にマッチして全員が優秀・・・!? 逆に、成績の悪かった人は、人間としてホントウに劣る人?? 成績と人とは、まったく関係のないことを誰もが知っています。

投稿: 白萩 | 2013年9月23日 (月) 12:36

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