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2013年9月13日 (金)

山根基世・元NHKアナが作家・雫石とみさんを語る

PCに録音しておいて、通勤途上で聞いているNHK第2の「文化講演会」。先日、自分の好きな元NHKアナウンサーである山根基世さんが出演していた。
その話の最後に、作家・雫石とみさんの話をされていて、強く印象に残った。少々長いが、これを聞いて欲しい。

<NHK「文化講演会」「子どもの言葉を育てるには」より~山根基世>
(2013/09/01放送NHKラジオ第2「文化講演会」より)

山根基世さんについては、当サイトでも4年ほど前に取り上げたことがある(ここ)。
元NHKアナウンサーの大御所と一緒に、「ことばの杜」(ここ)を立ち上げ、その代表を務めている。
その山根さんが、前から推している作家が雫石とみさん。
改めてNetで検索してみたが、なかなか雫石とみさんの情報はない。それでも2つ見付けた。
NHKの「あの人に会いたい」という2009年2月28日に放送されたときの記録。
「雫石とみ (しずくいし とみ)1911〜2003作家
戦争ですべてを奪われ、天涯孤独の身で日雇い労働者として働き続けた作家雫石とみ。130913shizukuisi 65歳の時に発表した処女作「荒野に叫ぶ声」には、明治44年宮城県の貧しい農家に生まれ、社会の底辺を這うようにして生きてきた日々が包み隠さず綴られている。昭和62年、とみは「銀の雫文芸賞」という文学賞を創設した。資金は日雇い労働でこつこつ働いて建てた家と土地を売って作った私財2800万円をあてた。「書くことが生きる支えになったから、そういう人を奨励するため」と語る。91歳でなくなるまで埼玉県川口市の六畳一間のアパートでひとりぐらしを続けながら日記をもとに文筆活動を続けた。」(
ここより)

そしてもう一つは、下記。
「【スペシャルインタビュー】子どもの「話しことば」を育てる~「自分の目でものを見て、自分の頭で考えて、自分のことばで話す」~山根基世 LLP「ことばの杜」代表
 私自身が取材などの経験から感じるのは、人間は自分が自覚している以上に存在の根底を「ことば」で支えられているということです。特に異色の作家、雫石とみさん(*)の取材を通して、それを思いました。雫石さんは小学校もろくに出ておらず、「ことば」とは無縁の生活を送っていましたが、戦後の婦人保護施設で人から蔑まれ、自尊心をずたずたに傷つけられ、それでも人間として生きようとしたとき、日記を付け始めます。ほかにいくらでも気晴らしはあったはずなのに、やはり「ことば」でしか、マグマのように渦巻いている感情を出せない、そうしないと生きていけなかった。そんな人間の不思議さが、雫石さんにはありました。・・・
・・・・・
(*)雫石とみ:1911(明治44)年、宮城県生まれ。20歳で上京し、その後結婚し二女をもうけるが、1945(昭和20)年の東京大空襲で夫と子どもを失う。戦後入った婦人保護施設での壮絶な生活をきっかけに日記をつけ始める。その後文章の応募を続け、55歳のとき労働大臣賞受賞。65歳で処女作『荒野に叫ぶ声』(社会評論社)を発表。1987(昭和62)年、コツコツと貯めた2800万円の私財を投じて「雫石とみ文芸賞基金」と、高齢者をテーマとした文学賞「銀の雫文芸賞」を創設(2008年より新たに「NHK銀の雫文芸賞」となる)。他の著書に『輝くわが最晩年-老人アパートの扉を開ければ』(ミネルヴァ書房)などがある。2003(平成15)年没。
※山根さんはみずから企画立案して、1997(平成9)年、当時86歳だった雫石さんを取材、番組「ETV特集 シリーズ21世紀の日本人へ 書かなければ生きられなかった~文筆家・雫石とみ~」などが放映され、大きな反響を呼んだ。」(
ここより)

その時のインタビューの模様が(ここ)にある。

これらの記事を読んでいくと、まさに異色の作家:雫石とみさんは、山根さんが発掘したようにも見える。その雫石さんが亡くなってからもう10年。しかし山根さんは、雫石とみさんのことを語り続けている。つまり、それだけ“ことばの重さ”と雫石さんとが対比していたのだろう。
自分がこれから雫石とみさんの作品を読むかどうかは分からない。しかし、この山根さんの話で、「ことば」というものを再考したことは事実。つまり、このサイトで言葉遊びをしているような自分に、ハッとした・・・のである。

(関連記事)
山根基世アナの「父の人生」(&広瀬修子アナのナレーション) 

130913itazura <付録>「ボケて(bokete)」より


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