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2013年6月17日 (月)

川重解任劇 株主不在「内輪もめ」

先日の、川重の三井造船との経営統合破談のニュースは、非常に違和感を持った。“オレに挨拶がなかったから・・・”というニュアンスに聞こえたので・・・。「経営統合より、こうした方が、川重の将来にとって、よりベターだ」といった、社員や株主の立場での議論の末ならまだしも、あまりに子供じみている、と感じた。実態はどうあれ、記者会見だけでも、体裁を整えることが出来なかったのか・・・。
案の定、先日の日経新聞に自分と同じような感覚の記事が載っていた。

川重解任劇にみる破談の構造
   株主不在「内輪もめ」 トップの決断軽く

 川崎重工業が「35分の解任劇」で三井造船との経営統合を白紙撤回した。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業によるシャープへの出資、日本ペイントに対するシンガポール塗料大手ウットラムグループへのTOB(株式公開買い付け)など、トップ同士がいったん合意したM&Aや資本提携の「破談」が続いている。背景にはガバナンス(企業統治)を巡る構造問題がある。
 「取締役会を軽視した行動が許せなかった」。川重の村山滋社長は13日の記者会見で長谷川聡前社長を解任した理由を説明した。前社長らが独断で三井造船との経営統合交渉を進めたことに不信感を募らせたという。
 一方、この日の会見で株主価値に関する言及はほとんどなかった。株主利益を守るのが取締役の第一の責務であることを考えれば、三井造船との経営統合が川重の株主利益をどう損なうのか、論理的な説明があってしかるべきだ。
 株主は経営統合を推し進めた長谷川氏の言い分も聞きたかったはず。株主利益をそっちのけにして「許せなかった」で済ませたのでは「内輪もめ」の印象をぬぐえない。・・・」(
2013/06/16付「日経新聞」p7より)

社長など、その立場にある人が、営々と築き上げてきた会社の歴史を塗り替える方向転換をすることは良くある。そこに、“根回し”という課題が浮かぶ。
今回の川重の例では、根回し不足で、決裂・・・。まさに日本的な構図・・・。日本の社会では、根回しは必要悪なのである。
たぶん裏には、反対者が多く、根回しが不可能だった事情もあったのだろう。だから強行突破!で、決裂・・・

結局は、社長の周囲のコンセンサス(賛同)を得るための努力不足、力量不足があったのだろう。本当にそれがベターなら、相手が先輩であれ、取締役であれ、はてまた社員、株主、市場であれ、説得出来るもの。それが出来なかったのは、経営統合がベターでなかった可能性もある。
それが、話が実に素直に、「取締役会を軽視した行動が許せなかった」から始まったので、泥まみれの話になってしまった。

経営は理屈通りに行かないことは周知のこと。そこには当然好き嫌いの感情も入る。「あいつのアイデアは全てキライ・・・」「あいつの提案なら、前向きに聞いてやろう・・・」等々。
今回のように、会長が先導して自分が任命した(?)社長を切ることも、良くある。先日も、某電気メーカーが、取締役会で「社長は私です。会長は黙っていて下さい」とやったあげく、会長から社長をクビにされた、というウワサの会社もある。
まあどんな大会社の幹部とて、感情の塊の人間であることに代わりはない。

先日、NHKテレビで、「幸田家の人びと~江戸・平成 四代の物語~」という番組を見た。その中に幸田露伴の「五重塔」の朗読が出て来た。五重塔の棟梁に誰がなるかを、二人で決めろ、と寺の上人に言われて、兄弟子にも当たる源太と、のっそり十兵衞が話合う場面である。源太は何とか二人で建てようとするが、どんな条件にも、十兵衞は「厭でござりまする」。つまり、一人で建てさせろ、と言うのである。結局は十兵衞が一人で建てるのであるが、これは良く分かる。
車のデザインと似ている。車のデザインは、会議で多数決で決めるのではなく、ある一人のデザイナーが全部を決める、と聞いたことがある。一人でやらないとまとまりが付かないようだ。それと同じ。自分がやりたいことを、トップが二人では、自由に出来ない。やるのなら、自分の考え方で自由にやりたい・・・。

会長、社長の場合はどうか。社長は、せっかく社長になったのだから自由にやりたい。しかし会長の方はそうは思っていない。自分が社長にしてやったのだから、当然自分の意のままに動くはず、と期待する。それがもし反逆されると、まさに飼い犬に手を噛まれた状態になり、憎さ百倍になる。そして政変に・・・
ま、そうだろうな・・・。自分も同じような経験があるので、否定は出来ないな・・・

大人げない大企業トップのクーデターに、少々ビックリしたニュースであった。

130617puru <付録>「ボケて(bokete)」より


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