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2013年6月13日 (木)

「改憲は戦後の知恵壊す」

今日(2013/06/13)の東京市場は、3日連続の暴落で、4月4日以来の12,400円まで下げた130613kabuka という。20日ほど前16,000円近くまで行ったのに、17%もの下落だ。そんな影響か、最近は首相の改憲議論が少しおとなしいようだが・・・
最近、気になった改憲についての記事二つ。

「(天声人語)自民重鎮の憲法観
 なるほどと思った。先日の本紙「声」欄(東京本社版など)だ。一度だけ魔法が使えるとしたら何をしたいか。小学生同士で話していたら、ある子が言った。「魔法使いにさせて下さいといって魔法使いになる」▼それがかなえば魔法は使い放題、なんでもできる。一同、「すごい」と盛り上がった。これは憲法96条の改正と同じでは、というのが投稿した方の見立てだ。改憲の発議の要件をまず緩めるという主張の危うさを鋭く突いている▼試合に勝てないから、ゲームのルールを自分に有利なように変えるようなもの。何に使うかわからないが、とにかく拳銃をくれ、と言うようなもの。96条の改正を先行させようという発想は、様々に批判される。要は虫がよすぎませんか、と▼この件で自民党元幹事長、古賀誠氏の発言が話題になっている。共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版(2日付)のインタビューに答え、96条改正について「私は認めることはできません。絶対にやるべきではない」と言い切った▼議員を退いた身とはいえ、自民党の重鎮が宿敵というべき共産党の求めに応じるとは驚きだ。古賀氏は幼いころ、父を戦争で失った。「戦争を知る世代の政治家の責任だと思ったから」だと話している▼やはり戦争を知るOB、野中広務・元幹事長も「要件から変えるのは姑息(こそく)なやり方だ」と批判している。魔法を使おうなどと夢を見ず、穏健な保守の構えを貫く。よき伝統を引き継ぐ後輩は今の自民党にはいないのか。」(
2013/06/04付「朝日新聞」「天声人語」より)

改憲は戦後の知恵壊す~「96条の会」結成
     東京大・東北大名誉教授 樋口陽一

 改憲発議要件を国会議員の3分の2から過半数に改めようとする安倍政権の憲法96条改正への反対を掲げ、アカデミズムを代表する学者らが「96条の会」を結成した。代表は東大・東北大名誉教授の樋口陽一(78)。憲法学の長老を駆り立てたものは何か、尋ねた。

 安倍晋三首相が、政権に就く前の昨年9月に講演でこう話したと報道されました。
 「たった3分の1を超える反対で(改憲を)発議できないのはおかしい。そういう横柄な議員には選挙で退場してもらいたい」
 憲法96条が国会に厳しい発議要件を課すのは、様々な意見をぶつけ合い、論点が煮詰まる過程を国民に示した上で、国民投票で誤りない判断をしてもらうためです。そもそも国会とは議論を尽くす所です。
 だがそうした議会観に立たないことを「横柄」発言は映し出しています。
 96条という外堀を埋めた後、憲法前文や各条文という内堀、立憲主義という本丸を崩してゆく。そんな危うい筋道が見えます。自民党が昨年発表した憲法改正草案のことです。
 自立した一人一人が契約を結び、国家権力を作る。それが日本国憲法が描く公共社会の像です。その権力が暴走しないよう、憲法で縛る。土台は「個人」を守ることにあります。
 これが、13条の「すべて国民は、個人として尊重される」という宣言であり、前文に書かれた「人類普遍の原理」の意味でした。
 ところが自民草案は13条の「個人」を「人」に置き換えます。前文すべてを差し替え、固有の文化、伝統といった言葉を使いつつ「和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」と述べます。
 自己決定をする個人の間で結ばれた関係ではなく、家族や郷土や社会全体の中の「人」だからこそ和が成り立つ。欧米諸国が共有する価値観、社会観とは反対方向に、自民草案は踏みだそうとしています。
 その半面、国家はこれまでの役割から撤退しようとしている。現行憲法で人権を調整・制限するものとして使われている「公共の福祉」という語が、自民草案では一つも出てきません。
 公共の福祉の論理は、特に財産権との関係で、社会保障や福祉国家と表裏一体と考えられてきました。これからの福祉は国家が税金で担うのではなく、家族や「世間」が引き受けるべきだというのでしょうか。
 天皇を元首とし、自衛隊は国防軍に改める。こうした重要な変更も盛り込まれています。
 3・11後の混迷の中、誰に命じられたわけでもなく人々は被災地に駆けつけ、連帯した。「原発をやめよう」という市民の動きの広がりは、日本社会に新風を吹き込んだ。まさに自立した個人の発見でした。
 象徴としての天皇は被災者を励まし、ねぎらい、存在の確かさを示した。自衛隊員の誠実な救援が、住民の信頼に応えた。
 個人、象徴天皇、9条下の自衛隊。どれもが、戦後社会が苦労して築いてきた安定の知恵です。なぜ、壊そうとするのか。
 思い起こすのは半世紀余り前のこと。改憲をめざす岸信介首相に対峙(たいじ)して、東大で民法の権威だった我妻栄先生や憲法の宮沢俊義、清宮四郎両先生ら知識人が結集し、憲法問題研究会を立ち上げました。
 当時に比べ学者も政治家同様、小粒になりました。けれども社会が危険な方向に向かうとき、沈黙してはいけない。専門知を持つ市民としての義務感です。(聞き手・石橋英昭)
*樋口陽一 1934年生まれ。専門は比較憲法学。新刊に『いま、「憲法改正」をどう考えるか』。」(
2013/06/11付「朝日新聞」夕刊p3より)

一人の国の指導者が、憲法まで変えて自分の保身や権力を維持するのは、良く聞く話。でも、まさか日本でそれと同じようなことが起こるとは、誰も予想していなかったのでは?
でも、まかり間違えると・・・!?

戦後60年。国民が営々として築き、育ててきた平和憲法を、それほどカリスマ性があるとは思えないたった一人の首相の価値観で変えられてしまうとしたら、これほど怖ろしい事は無い。
つまり、誰もが願っている景気、経済問題で国民の目を眩(くら)ませ、そのスキに国防軍を・・・、というのでは、うかうか株高に浮かれてもいられない。
そんな意味では、国民に水を掛ける株価暴落。国民が、バブルのお祭りからハッと目を覚ますためには、良い事かもね・・・

130613neru <付録>「ボケて(bokete)」より


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