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2013年5月21日 (火)

「沖縄独立論」育てる本土の病巣

先日、沖縄独立について書いた(ここ)。しかしこの事は、きな臭いので触れないでおこう、と思ったら、先日の朝日新聞にまた記事があり、つい読んでしまった。

「(政治断簡)「沖縄独立論」育てる本土の病巣
     論説委員・松下秀雄
 日本からの独立は、酒の勢いを借りて語る話だと聞いていた。
 なのに、学問として独立について研究するという。ただごとではないと思い、沖縄に通った。
 沖縄が日本に復帰して41年を迎えた5月15日。「琉球民族独立総合研究学会」が発足した。
 もちろん、独立は県民の多数意見ではない。でも、どこか似た気分の広がりを感じる。
 「主権回復の日」にも感じた。政府式典に抗議する沖縄大会では「沖縄に返せ」が繰り返し流れ、約1万人がともに歌った。
 復帰運動の際の「沖縄を返せ」は、日本に返せ、と米国に迫る歌だ。それを1文字変えると意味が反転する。沖縄を沖縄の人の手に返せ、と日本に迫る歌になる。
 かつての琉球王国とはいえ、沖縄の人々は米軍施政下で「祖国」日本への復帰を願ったはずだ。
 どうして、こうなったのか。
    *
 学会の設立趣意書は本土による「琉球差別」と「植民地支配」をあげている。
 差別? 植民地? 大仰な言葉に面食らう。設立委員の松島泰勝・龍谷大教授は「無意識のうちの差別を自覚してほしい」と話す。
 考えているうちに、腹に落ちてきた。たとえば、在日米軍基地の集中はやっぱり差別だ。
 なぜ、74%が沖縄にあるのか。
 「沖縄の位置のため」というのは後づけの説明だ。先に主権を回復した本土で反基地感情が高まり、沖縄に集められた。復帰後もそれが続き、本土は引き取らない。だから沖縄に集中している事実から、私たちは無意識のうちに目を背けていなかったか?
 鳩山政権の時に普天間飛行場の移設先を探しても、引き受け手は現れなかった。
 沖縄からみれば、そんな現実は歴史と重なる。戦争で本土防衛の捨て石とされた沖縄は、いまも本土を守るために犠牲を払う。「やはり捨て石?」と疑う声を聞く。
 そのうえ、抗議の声を上げれば罵声を浴びる。1月、オスプレイ配備撤回を訴えるため上京した沖縄の首長らに、日の丸を持つ人たちが浴びせた言葉はひどかった。
 「売国奴」「シナの手先」「日本から出ていけ」
   *
 沖縄独立論を育てているのは本土の側。日本の民主主義とナショナリズムだ。
 民主主義の政治は、最後は多数決で決める。だが少数派にしわ寄せを続けたら、いつか堪忍袋の緒を切らす。多数派の無神経なふるまいは、国を解体しかねない。
 健全なナショナリズムは、見知らぬ人と人とをも「国民」として結びつける。沖縄にある無人の領土には敏感でも、沖縄に暮らす人々をののしり、国民を分断するナショナリズムは病んでいる。
 私たちは沖縄の姿を通じ、日本を診るべきだ。そして、病を癒やす道を探らなければならない。」(
2013/05/19付「朝日新聞」p4より)

自分は素直に、この論に同調する。自分の心に、「自分に迷惑が掛からなければ、どうでも良い」という感情は無いか? 「米軍が沖縄にいても、自分にはカンケイ無い」という感情は無いか? と問うたとき、否定する自信は無い。
結局沖縄問題は、我々ほとんどの国民が「自分の問題として捉えていない」ということが全てのような気がする。先の大震災でも、ガレキ処理で被災地が困った時、日本全体で受け入れるべき、と唱えた人がどれだけ居たか・・・。そして、放射線が残るガレキを受け入れた自治体がどれだけあったか・・・

これは人の根源的な原理の話かも知れない。基地でもガレキでも、誰も「かわいそうだな・・・」とは思うものの、“他人事”のかわいそう・・・であって、それが自分の住んでいる場所に移ってくる話だと、問答無用で「断固拒否!」。
しかし、もし自分が被災者だったら「放射能があろうが無かろうが、ガレキは日本全体で受け入れるべき」と主張する。
まあ人間なんてそんなもの・・・。

それにしても、先の論で指摘されているように、「自分の所でなければ、どこでも良い」という人が多数を占める“多数決原理”では、沖縄問題は絶対に解決しない。米軍の沖縄駐留に反対するのは、スケープゴート(いけにえ)の沖縄だけなので・・・。それは自分以外ならどこでも同じ。もし基地が北海道に集中していたら、沖縄も含めて北海道以外は、皆知らんフリ・・・かも??
とすると、やはり解は独立論しかないのかも・・・!?

何?自分? さっき夕食の後、犬と一緒にカミさんとスーパーまで散歩に行ったが、その帰り、上空を横田基地からの米軍輸送機が4機、轟音を残して隊を組んで飛んでいった。まあ自分も、沖縄と同じように、飛行機の爆音で日常多大な迷惑はかかっているのだが、沖縄ほどではないか??

130521big <付録>「ナショナルジオグラフィックトラベラー誌:2013フォトコンテスト」の写真集は(ここ
boston.com/bigpicture 2013年5月15日より(この写真は台湾)
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