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2013年4月29日 (月)

映画「トウキョウソナタ」を見て

ひょんな事から映画「トウキョウソナタ」を見てしまった。ところがこれが素晴らしい作品だったのである。
昔見ていた東芝製液晶テレビに、外部HDDを取り付けて録画する機能があった。2年ほど前に三菱製一体型テレビに替えたが、前のテレビのHDDを他に転用するには中身を確認せねば・・・と、この連休を利用して録画済み番組をチェックしていたら、2年ほど前にNHKで放送された映画「トウキョウソナタ」がNEWのままあった。それを何気なく見ていたら、つい引き込まれてしまった。
あらすじを(ここ)から引用すると・・・
「トウキョウの、線路沿いの小さなマイホームで暮らす4人家族の佐々木家は、ごく平凡な家庭である。しかし小学6年生の次男・健二(井之脇海)には、家族に内緒にしている秘密があった。それは、父親に反対されたピアノを隠れて習っていることだった。父・竜平(香川130429tokyosonata1 照之)は厳格な父親で、健二の話にまったく耳を傾けようとしない。母・恵(小泉今日子)はおやつにドーナツを作ってくれるような優しい母親だが、いつもつまらなそうにしている。大学生の長男・貴(小柳友)はアルバイトに明け暮れていて、何を考えているのかわからない。それでも、夕食は家族で一緒に食べるような、普通の家族であった。しかし、秘密を抱えているのは健二だけではなかった。実は、竜平は会社からリストラされていた。しかし、それを家族に打ち明けられずに、父親としての威厳と、自分の弱さの間で揺れ動いていた。一方、貴は日本を出て、アメリカ軍に入隊しようとしていた。そんなある日、佐々木家に異変が起こる。健二が帰宅すると、家の中は荒らされており、誰もいなくなっていた……。」

そして、見終わった後に、「これは連休の拾いモノ・・・」と思った。
見終わってから、Netでこの作品について調べてみたら、2008年の日本・オランダ・香港の合作映画だそうで、この年の第61回カンヌ映画祭で、「ある視点」部門審査員賞を受賞したという。オランダ、香港の合作のにおいはほとんどしないが、その他にも色々と受賞している有名な作品らしい。なるほど・・・

夫役の香川照之は、実は、自分はあまり好きな役者ではない。でも権威主義のリストラ会社員を“どぎつく”演じていた。妻役の小泉今日子は、さすが評判通り・・・。得体の知れないごく普通のお母さん役を、ふわふわと演じていた。そして弟役の井之脇海が、この家庭に希望の光を引き寄せていた。
違和感を持ったのが、役所広司のドロボウ役。あまりに他作品による先入観の多い大物だけに、存在感があり過ぎ・・・。もっと軽い役者でも良かった。

しかし、良く聞く話だが、普通のサラリーマンがリストラされ、会社から追い出されると、直ぐに家庭の崩壊につながる。この映画でもそのシーンがリアルで何とも痛々しい・・・。この映画から離れて考えてみても、つくづくリストラは罪だと思う。今の時代、公務員のありがたさが良く分かる・・・!??

それにしても、普通の家庭は、ここまで家族間の会話が、そしてコミュニケーションが無いのか?
リストラで失業・・・、は家庭の大事件。しかしこの映画に出てくる二人のリストラサラリーマンは、それぞれ妻に言えずに悶々としている。もちろん男としてのプライドはあるだろう。しかし妻の協力無くして、家族の将来はないはずなのに・・・。
そしてこの映画では、唯一のコミュニケーションの姿として、家族そろっての食卓が描かれる。夫が食べ始めるまで、後の3人が黙って待っている姿・・・。バラバラのようで、何か不思議な家庭・・・

130429tokyosonata2 圧巻はラスト。ドビッシーの「月の光」が、それこそ情緒豊かに演奏されていく。その音楽に、この家庭の少しだけ見えてきた希望が託される。
言いようのない殺伐としたストーリーの中で、ラストでやっと救われたような気がして、何とも後味が良い映画となった。

連休はどこも満員。我々シルバー族こそ、観光地は現役と子どもに譲って、家でおとなしくしているのに限る。そんな中、何とも拾いモノだった(失礼!)「トウキョウソナタ」ではあった。

130429jishinn <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

いつもblogを楽しく拝読させて頂いております。実は、私も本日、片付けの中から拾いモノのDVD「夏目家の食卓」を観ました。漱石の物語でしたが、本木君が漱石役、宮沢りえが女房役で岸田今日子がばあや役、演出:久世光彦でしたので数年前のでしょうか??一風変わった面白い物語でした。

さてさて、「トウキョウソナタ」は思い出しました~♪ テレビで見ましたね。
エムズさんはやはり数年まえの「神童」と言う映画はご存じないでしょうか?こちらのピアノ曲が大好きです。

【エムズの片割れより】
両方ともまだ見ていません。「夏目家の食卓」は見てみたいですね。機会があったら・・・
でも「見るぞ!」と思って見る映画より、フラっと見た映画の方が、“もうけた”気になるもの・・・
そうすると、やはりテレビで “一応”録っておいて、後でチェック・・・かな?
なかなか見る時間が無いけど・・・

投稿: kimihamu | 2013年4月30日 (火) 01:06

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