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2013年3月25日 (月)

「なぜ、マスコミは“いけにえ”を求めるのか?」~パソコン遠隔操作事件

先日、カミさんが駅前のホームレスさんから買った雑誌「ビッグイシュー」(211号~2013.3.15)に、こんな記事があった。

なぜ、マスコミは“いけにえ”を求めるのか?
  いとう・さとる(作家・音楽評論家)
 あきれかえってものが言えない。2月10日他人のパソコンを遠隔操作して犯罪予告をした事件の容疑者が逮捕されたのだが、テレビは、逮捕前からこの容疑者の行動を追っており、自慢げにその私生活をさらしまくった。
 その内容は、よく通っていた猫カフェから、立ち寄った寿司屋まで、あちこち「盗撮」して映像にし、容疑者所有の車のナンバーをぼかさず映した局もあったほど詳細なものだった。「オタク」と呼んでマイナスイメージを強調しようという局もあったし、逮捕前から追いかけていることを誇り「家から出入りする様子などをとらえています」などと得意げにキャスターが語った局もあった。前科についても、こと細かに説明されている。NHKも含め、全国ネット局はほとんどこのような扱いだ。
 よく考えてほしい。逮捕された時点ではまだ、有罪かどうか確定していないのだ(推定無罪!)。さらに、本人は否認して取り調べの録画を要求しているし、弁護士は証拠とされた防犯カメラの映像に疑義を抱いている(この2点はほとんどテレビで報道されていない上。実名報道をしていいかさえ検討されるべきケースなのに、容疑者を「真犯人」として報道するのは、完全なルール違反だ。
 この事件では、すでに4人もの誤認逮捕者が出ており、その人たちの名誉回復もじゅうぶん行われていない状態でのこの騒ぎだ。マスメディアはまったく反省を知らない組織だと定義したくなる。さらに、テレビ局が事前に情報を得ていなければ、逮捕前からカメラで容疑者を追跡することなどできるはずがない。特別なルートがあったら、どこかの局のスクープになるはずだが、今回は、ほぼ全局足並みを揃えている。とすると。警察側が情報をリークしたという事態もありえないことではない。
 これでは、有罪確定前に容疑者を真犯人に仕立て上げ、社会的に制裁をしていることになる。いつからテレビやマスコミは検察官と裁判官を兼ねるようになったのか。今度も誤認逮捕たった場合、どうやってつぐなうつもりなのだろうか。
 容疑者の弁護人は2月19日の記者会見で、今回の捜査にも強引で証拠不足な点があることを明快に指摘した後、次のように結んだ(一部筆者要約)。「どうかマスコミのみなさん、みなさんも何度も過ちを犯してきたわけです、足利事件を含めて。これからも今までのように警察情報を垂れ流ししたら、みなさん自身の犯罪です。どうか自分の胸に手を当てて、自分はいったいどういうことでペンを握っているのか、考えてもらいたい」(伊藤悟)」(雑誌「ビッグイシュー」2013/03/15付より)

情けないことに、自分もその“マスコミ垂れ流し情報”に浸っていた一人・・・。
前にも、痴漢報道について、マスコミの無法ぶりについて書いた。(ここ
にもかかわらず、いとも簡単に、無批判に「へえ~。送検されたのか・・・」で終わっている自分・・・。
改めて、Netで調べてみた。まず事実の確認。弁護士の記者会見を見るのが一番確実だ。(ここ

弁護士は、パソコン遠隔操作事件の被疑者がC#というプログラミング言語を使っていない、ということを明快に説明していた。警察は裏で勉強していたのだろう、と指摘していると言うが、自分のパソコンにも会社のパソコンにもC#の開発環境は無かったという。自分は詳しくないが、プログラムに詳しい人がこの記者会見を聞いて、どう判断するか知りたいところ・・・
結局、パソコンを調べれば出てくると警察が判断した証拠は、何も出なかったらしい。でもいったん振り上げた拳は、何とやらで・・・

前の痴漢事件と同じく、「週刊現代」がそのことを記事にしていると知り、Netで読んでみた。「週刊現代」2013年3月9日号より(ここ
この記事のタイトルが「ネコ男の逮捕 PCなりすまし事件冤罪だったら刑事も記者も全員クビです 魚住昭×青木理 お前ら、犬か?警察のリークをたれ流す記者たちへ」と、何とも凄まじい。
「そうやってメディアをコントロールすることはできたけど、警察には誤算があった。それは、容疑者が自白せず、しかも担当弁護士が取り調べの「可視化」を要求したことです。
 容疑者が要求しているんだから、可視化を拒否する正当な理由はない。けれど警察としては可視化を認めてしまえば、ますます自白を引き出せなくなる。それを恐れているんでしょう。」

この可視化。被疑者側が要求しているのに、警察側が拒否、とは、とても見せられない取り調べなのか・・・??

そして「週刊現代」 2013年03月16日号には「PCなりすましネコ男事件警察はなぜ取り調べ可視化に応じないのか 実は捜査はヤバイことになっているまた冤罪を作るのか」(ここ)という記事が載ったそうだ。

この事件について、マスコミの報道を鵜呑みにしている自分を反省すると同時に、警察の権威主義とマスコミの“軽さ”に、何ともため息が出る。
引き続き、この事件の展開に注視して行きたい。
(真犯人がまた、「彼は犯人ではないよ!」なんて暴露をしたら、またまた面白いのだが・・・・。もっとも暴露の相手は反骨精神旺盛な??「週刊現代」にしないと、その事実さえ、“消されて”しまうかも・・・)

13032520nenn <付録>「ボケて(bokete)」より


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