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2013年1月12日 (土)

マーラー版「第九」のCD

自分はやはり“ミーハー”の代表格。大晦日に行った「ベートーヴェンは凄い!2012」で、初めてマーラー版と称する「第九」を聞いたが(ここ)、そこで三枝さんが紹介していた、(数少ない録音の中での)ヤルヴィ130112jarvi 指揮のCDが、やはり聞きたくなって、つい手に入れてしまった。でも3000円の新品を買おう、という熱意もなかったので、中古CDを・・・。
送られて来たCDは案の定、新品同様。(本もそうだが、CDでも中古品で後悔したことは一度もない。いつも新品同様・・・)(写真はクリックで拡大)

マーラー編曲による第九のCDは、3種類ほどしか出ていないらしい。つまりそれだけマイナーな曲。でもこのヤルヴィ指揮のCDは、2006年の録音で音は良いようだ。SA-CDとのハイブリッド盤。

一通り聞いた感想は・・・。実演で聞いたほど違和感がなかった。一番印象に残った第1楽章の主題の、2つのティンパニの強打。それがCDではさほどに・・・・
第1楽章と、第4楽章のサワリを聞いてみよう。

<マーラー版「第九」#1・4より~ヤルヴィ指揮>

第1楽章のffで、ヘンな旋律が出てくるが(48秒)、これは普段は埋もれているチェロとコントラバスの旋律をトロンボーンとチューバが弾いている。スコアにあるとはいえ、いつも聞いている音楽と違うので、やはり違和感があるね・・・(←ケニチさんの指摘で本文修正)

130112mahler CDのライナーノーツに、マーラーの自筆の写真が載っていた。なるほど、マーラーは、原符のスコアに、朱入れで編曲したのか・・・。まあそうだろうな・・・
しかし、この編曲をどう聞くか・・・。自分はやはり違和感が残った。それは、如何に聞き慣れた音楽で(聞こえる音で)耳が慣らされているか・・・だ。(←ケニチさんの指摘で本文修正)
まあ“試し”で買ったヤルヴィ盤だが、録音も良いので、これからも聞くことになりそう・・・

ついでだが、「ベートーヴェンは凄い!2012」コンサートのプログラムに載っていた「あえて第九CDのベストテンを挙げてみる 樋口裕一」という記事。
4番の演奏が終わった後で、樋口氏と三枝氏のトークがあったが、樋口氏は「第九」のCDを何と270枚以上持っているとか・・・。
その樋口氏が推薦する第1位のCDが、1942年3月のフルトヴェングラー盤だという。曰く・・・
「①フルトヴェングラー+BPO 1942年3月22・24日
 数あるフルトヴェングラー指揮の第九の中でも、これはとりわけ凄味がある。強烈なティンパニが全身を揺さぶり、魂を最高度の高揚に導く。音質が悪いのが残念。」

レコ芸のベストテンでも、「第九」は今まで必ずフルヴェンのバイロイト盤が1位だった。それなのに、270枚の第九の中から、樋口氏はあえてこれを推薦・・・
Img_30151 それで、ついまた聞いてみたくなるのが、ミーハーな自分・・・。CDを手に入れるか・・・
イヤ待てよ・・・と、こんなことを思い出した。確か昔、当時話題になったフルトヴェングラー/ベルリン・フィル盤のLPを買ったはず・・。
それで、納戸のレコードケースから探し出した盤がこれ・・・・。ジャケットImg_30161 に“昭和44年4月7日購入”のメモ。米エベレスト盤のLPである。
ジャケットを見ても録音年代は書いていない。しかし、独唱陣を見て、このLPが1942年3月22・24日録音盤だと分かった。
それを。上のヤルヴィ盤と同じ部分を聞いてみよう・・・。#1と#4の一部。擬似ステレオ化されている。

<フルトヴェングラー+BPO「第九」1942年3月22・24日録音>

確かに、ティンパニの音は強烈・・。それに、相変わらず第4楽章終結部の凄いこと・・・。何とかオケが付いて行っている??

このLPを買った昭和44年(1969年)というと、自分が大学4年の時。この盤が凄い・・という情報源は、たぶんレコ芸だと思うが、それをまさか半世紀ぶりに聞く事になろうとは・・・。
それにしても年月の流れは速い。フルトヴェングラーの演奏会から27年後にLPを買ったわけだが、そのLPを買ってから、もう44年も経っている。
自分も長く生きたものだ・・・(!?)。それにしても、色々と話題を提供してくれた「ベートーヴェンは凄い!2012」であった。

(関連記事)
「ベートーヴェンは凄い!2012」で、本邦初演!マーラー版の「第九」を聴いた 
「ベートーヴェンは凄い!2012」コンサートに行った 

130112miki <付録>「ボケて(bokete)」より


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コメント

 初めまして.マーラー版第九の同CDを聴いて感激し,こちらのブログをちょくちょく拝見するようになった者です.各方面の記事を深く書かれており,いつも楽しませていただいています.

 今回もせっかく示唆に富んだ魅力的な記事を書いておいでですので,あえて一点だけ申しますと,

>自分はそれほど拒否感を感じなかったが、旋律を補強することは良いとしても、別の旋律を加えることは、やはり違和感があり、自分としては受け入れがたいな・・・

 とありますが,記事中の音源ですと0'48"あたりから目立ってくるトロンボーンとチューバが吹く旋律のことでしょうか.これじつはスコアをよく読むと,もともとチェロとコントラバスがやっていることなのです.しかし他の楽器の大音響に埋もれて聴こえないことが多く,これをマーラーは取り上げてトロンボーンとチューバで補強させたのです.マーラーといえども,ベートーヴェンのような大家の音楽の前には至って謙虚で,楽器法改変の範囲を超える編曲はしなかったのではないかと思います.

 突然のコメント失礼致しました.非常に厚かましい書き込みで申し訳ありませんが,これを機に交流が生まれましたら幸いです.K.ヤルヴィの演奏はスピード感あふれる素晴らしいものですね.

【エムズの片割れより】
恐れ入りました。全くその通りです。スコアで確認しました。自分の認識が誤っていましたので、本文修正しました。
いつも聞いているのは“聞こえている音楽”なので、幾らスコアにあるとは言え、いつも聞こえない音が出てきて違和感を覚えるもの・・・・
マーラーでも、ベートーベンの音楽を“変える”までの勇気は無かったのかも・・・
ご指摘ありがとうございました。

投稿: ケニチ | 2014年3月22日 (土) 15:53

 わざわざの修正とご丁寧なお返事ありがとうございます.

 偉そうなことを申しましたが,僕もこのマーラー版を聴いて例の箇所にさしかかったとき,VcとCbがこのような動きをしていたことに初めて気付いた口です.それまでもアナリーゼのさいには読んでいたはずなのに,やはり聴こえづらいパートには耳が付いて行かなかったようです.
 ベートーヴェンの交響曲については,近年ベーレンライターなど種々の原典版がややヒステリックに流行していますが,マーラー版の存在はやはり独特で,このような自由で楽しい時代があったことを教えてくれます.

【エムズの片割れより】
色々な研究と演奏が行われているのですね。でもピリオド楽器も含めて、新しい解釈はどうもピンと来ません。耳が慣れているせいか、“いつもの”演奏が違和感が無くて好き・・・。
モーツアルトのレクイエムも同じです。

投稿: ケニチ | 2014年3月25日 (火) 03:03

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