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2012年12月 5日 (水)

メディアの自浄作用~「マニフェスト 政権の罪、メディアの罪」

いよいよ衆院選が始まった。さてさて、どうしよう・・・・
先日の朝日新聞に、メディアの罪についての記事があった。編集委員が書いているのだから、新聞社としての反省と捉えたい・・・・が。曰く・・・

<波聞風問>マニフェスト 政権の罪、メディアの罪
      原真人(編集委員)
 3年前の総選挙で初めて手にした民主党マニフェスト冊子は輝いて見えた。カラーグラフや写真がふんだんに使われ、とにかく見やすかった。予算配分額が細かに盛り込まれた工程表も画期的で、メディア発表会も手厚かった。記者が殺到しても、広い会場は余裕があって、冊子もたっぷり用意されていた。
 それに比べて当時の自民党の公約発表はお粗末だった。定員50人ほどの狭い会場にすし詰めにされた200人以上の記者は、定刻から2時間以上、待たされた。党の会議がもめて決定が遅れたのだ。人いきれがする会見室に、ようやく公約集が届いたと思ったら、今度は「部数が足りません」。
 あまりの手際の違いに両党の勢いの差を感じたものだ。とはいえ、政権交代をそうやって演出したピカピカ表紙の民主党マニフェストも、中身をくわしく見れば欠陥だらけだとすぐにわかった。
 たとえば高速道路無料化。無理に進めれば、渋滞がひどくなり、公共交通への影響が予想された。農家への戸別所得補償は強い農家を育てるためならいざ知らず、実態は、ほとんどの農家が補償対象となるバラマキ政策だった。
 子ども手当は子育て世代への支援という趣旨はいいのだが、財源を有効に使うなら、現金支給より、保育所や託児所を増やす現物支給を手厚くすべきだった。それに、これら公約を実現するにはどうみても財源が足りなかった。
 政権交代の前からこうした問題が指摘されていたのに、軌道修正はずいぶん遅れた。その結果、政策効果の薄い予算がふくらみ、時間が浪費され、長期的政策の方向がゆがんだ。民主党は新公約を掲げるに際し、失敗を総括し、深く反省してほしい。
 そして新聞やテレビなどマスメディアも、みずからの罪を反省すべきだ。マニフェスト政策の評価方法を誤り、欠陥公約集であったにもかかわらず、むしろ民主党政権に公約の実行を促す役割を演じてしまった。
 公約について朝日新聞などの採点はいつも、こんな具合だった。戸別所得補償制度→「導入したから○」、高速無料化→「一部区間しか実施しなかったので△」……。
 これでは公約の是非がどうであれ達成度を引き上げよ、と言っているのと同じだ。欠陥公約を評価するなら、「強行してしまったから×」「思いとどまったので○」のほうが、ずっとよかった。
 12月の総選挙でも各党が掲げる選挙公約は玉石混交だ。実行してはいけない政策も混じっている。私たちメディアには、その真贋(しんがん)を見極める眼力が必要になる。そして、まっとうな評価にもとづく公約報道のあり方を真剣に考えないといけない。」(2012/11/25付「朝日新聞」p6より)

この記事の前半は、言い尽くされている指摘だが、後半の議論が面白い。「欠陥公約を評価するなら、「強行してしまったから×」「思いとどまったので○」のほうが、ずっとよかった。」とは、なかなかに言い当てている。
日本人はムードに弱い。そのムードを駆り立てるのがマスコミ。「約束した事は守れ!」とはやすと、「そうだそうだ・・・」になってしまう。しかし今回の各党の主張を聞いても、この施策は**党が良いが、あの施策は**党が良い・・・・・
つまり、打ち出した施策が全て「そうだ」と言えるような政党など無いのである。でもどこかを選択せねばならない・・・・

先日どこかで、逆説的なこんな記事を読んだ。どうせ価値のない一票。それを死票とさせないためには、“これだけは実施して欲しくない”という候補を落選させるため、一票を投じるのだそうだ。つまりは、落選させたい候補の対抗馬に一票を投じる・・・。なるほど・・・・

まあ、マニフェストなど“その時のスタンス”。政府の時代に即した動きはある程度仕方が無いのかも知れない。“朝令朝改”も困るが「過ちて改めざる 是を過ちと謂う」(「論語」衛霊公29から)という格言もあるほどなので・・・
でも白紙委任だけはしたくないな・・・と思う今回の選挙戦ではある。

121205tamaniha <付録>~「週刊現代」(2012/11/24号より)


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