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2012年11月 8日 (木)

日本からの技術流出~新日鉄住金・ポスコ訴訟

だいぶん前の話題で恐縮だが、先日の日経新聞にこんな記事があった。日本の技術流出に対する警鐘だ。曰く・・・

新日鉄住金・ポスコ訴訟 口頭弁論始まる
  ~全面対決、長期化も~製造技術流出防止策には限界
 新日本製鉄(現新日鉄住金)が韓国鉄鋼大手ポスコを相手取り、高級鋼板の製造技術を不正に取得したとして、約1000億円の賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、東京地裁で開かれた。情報の流出源とされる元社員宅で証拠書類を差し押さえるなど入念な準備を進めてきた新日鉄住金。ポスコ側は「提訴は法的に問題があるうえ、事実誤認がある」と全面的に争う構え。対立は長期化も予想される。
 25日の第1回口頭弁論は裁判長が事前に提出された書面に基づき、請求棄却を求めるポスコ側の主張を確認。双方の代理人弁護士と今後の日程を打ち合わせ約5分で終了した。次回弁論は12月。
 両社が対立しているのは、電力インフラの変圧器に使う「方向性電磁鋼板」の製造技術。訴状などによると、新日鉄住金側が主張する技術流出の構図はこうだ。
121108posco  技術をポスコに漏らしたのは少なくとも4人の元社員。うちポスコとともに訴訟の対象になったのは元研究職の1人で、90年代半ばに退職後、ポスコと関係が深い韓国の大学の客員教授として迎えられたとしている。
 残る3人(うち2人は故人)は方向性電磁鋼板の開発や製造に携わっていた。新日鉄住金は3人が退職後に設立した会社などと契約して、ポスコが技術提供を受けていたと主張。ポスコが学会などの場で研究者らと接触し、億円単位の金額を提示したとみている。
 一方、ポスコ側はまず日本でこの訴訟を扱う「管轄権」や不正競争防止法を適用することの是非を巡って争う構え。答弁書では、自らの技術で開発したことなどを指摘した。韓国では債務不存在の確認を求める訴訟を起こすなど守りを固める。
 半導体などの分野で日本からの技術流出が疑われるが立証は難しいとされる。今回の訴訟は韓国の裁判所でポスコから中国・宝山鋼鉄への技術の転売が明らかになったことが引き金の珍しい例。新日鉄住金側は「準備の成果を使いながら粛々と進める」(友野宏社長)と自信を見せる。
 流出防止策に限界があるのも事実。研究者が身につけた知識を守るのは、最終的には個人個人の順法意識。今回の訴訟で新日鉄住金は、損害賠償約1000億円のうち800億円は、自社の元研究者がポスコと連帯で支払うように求めた。仮に多額の報酬を受けていても支払いきれない金額を示すことで、「次」の芽をつむ意図があったとみられる。」(2012/10/26付「日経新聞」p9より)

最近テレビで、弱体化した日本の技術に対する番組を良く見る。特に、韓国や中国などの追い上げについての話題が多い。
まあ、日本企業の技術が韓国企業に流出していることは、周知のこと。それを、今回、新日鐵が公式に提訴した。
それにしてもキッカケが面白い。当の韓国の裁判所で、中国・宝山製鉄への技術転売事件で、「新日鐵からの技術を入手した」という証言が出て来たので発覚したとか・・・

日本の大企業のリストラが続いている。これからまた、シャープやPanaのリストラに伴い、多くの技術が流出するのだろう。まあ、リストラでクビを切られた社員が、高額で雇ってくれる韓国に渡って、元の会社に鼻を明かせてやろう、と思うのも無理からぬこと。それに、頭に入っている技術が、どこまでが元の会社の技術で、どこまでが自分の実力による技術なのかが、分けられない??

そもそも技術は紙に書いてあるものではない。技術は人の頭にあるもの。日本の企業が「人を大切に」しないかぎり、仕組みとして技術流出は避けられない事態なのだろう。
それには先日のNHKスペシャルではないが、ダイキンのように、インバータ技術を中国に供与して先ずインバータエアコンの市場を作り、その後に参入して勝機を掴む。そして技術は、追い付かれる前にその先を行く・・・。
まあ現役生は大変だね~~。


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