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2012年10月16日 (火)

「放送局は色覚バリアフリーを」

先日、朝日新聞の投書欄を読んでいて、現代社会の障がい者対応について考えてしまった。色覚障がい者の投書の話である。曰く・・・

放送局は色覚バリアフリーを
     会社員 男性(54)
 私は、赤系統や緑系統の色を区別するのが難しい「赤緑色覚障がい者」の一人です。都心の地下鉄の路線の色分け表示などが分かりません。庭の芝が緑なのか、枯れて茶色なのかも、目を近づけて、やっとわかる程度です。ましてや、紅葉の美しさなど、生まれてこのかた一度も味わったことがないのです。
 特に不満なのは、テレビ局です。一部の局以外は、生活に欠かせない気象情報などで、色覚障がい者に対応していません。緑、薄い赤、赤などで色分けされたテレビの画像は、録画して一時停止させ、目を凝らしながら見てやっと、なんとか理解できる程度なのです。この障がいは男性の20人に1人の割合で存在します。特にNHKは受信料を視聴者から受け取ってもいます。放送局や交通機関など私たちの生活に直接かかわる組織には工夫をお願いしたいと思います。」(2012/10/11付「朝日新聞」p14「声」より)

(色覚異常の原理的には単純。言うまでもなく、色は赤青緑の三原色で表示されるが(=カラーテレビの原理)、色覚異常者は、網膜にある3種類の色センサーのうち、赤または緑のセンサー(赤錐体/緑錐体)の感度が弱いらしい。)
まず色覚障がい者の数の多さである。Wikiによると「先天赤緑色覚異常」の人は、日本人男性の4.5%だという。そして白人男性では8%・・・。
121016shikikaku これほど多い人が、色を正常に認識出来ていないとは・・。そして、どのように見えるかがwikiの「色覚異常」(ここ)に載っている。この写真を見て唸ってしまった・・・・・(写真はクリックで拡大)
4.5%の人が全員このように見えるかどうかは別にして、この投書が指摘している通り、このようにしか見えない可能性のある色覚異常者に対し、社会的配慮が不足していることは事実だろう。

前にも書いたが、実は自分の右耳は壊れている。突発性難聴で、高域が聞こえない。これは遺伝も関係していると、自分は勝手に思っている。実は自分の兄も同じく左耳がほとんど聞こえないという。後で聞いてみると、知識の無さから、突発性難聴を放っておいたらしい。弟も一時同じように聞こえづらくなり、病院の治療で復活した。よって、我が兄弟は、どうも遺伝的に耳が弱いのだと思う。
十数年前、その突発性難聴で有名なK大病院に通っていた頃、診察室に呼ばれる声が聞こえなくて困った。耳鼻科では、聞こえが悪い人が通っているのに、医師も看護師も、まるで配慮がない。普通に「**さん、どうぞ~」と声を掛ける。待合室でも診察室の前で待っているときも、その呼ばれる声が聞こえないのだ・・・
日本有数の大学病院でも、このありさま。全ては推して知るべし・・・。

上の例は、それの視覚編だが、社会的配慮という点では、改善の余地が多くあると思う。
テレビひとつ見ても、聴覚障害者のためにはセリフの字幕表示など、配慮が仕組みとして出来あがっている。しかし色覚障害に対しては、指摘の通り、確かに配慮が足りない(らしい)。
“らしい”・・・。そうなのだ。つまり、正常人が番組を作っているため、視覚障害者への配慮など、考えたことがないのだろう。いや、気が付いていない・・・??
両者で、なぜこれほど違うのか・・・? これは多分に、聴覚障害は加齢で誰にでも起こるため、分かり易いのだが、視覚障害は生まれつきのものであり、正常人には想像が難しいことが原因なのかもしれない。
たぶんテレビ局には色覚障害者は(入社試験で落とされ?)居ないのだろう。だから誰も視覚障害者への配慮が必要なことに“気が付かない”・・・・

それにしても、テレビ局はこの投書をどう読むのだろう・・・・
解決は実に簡単。色覚異常の人を一人雇えばよい。その人をフィルター(評価者)として、作った画面が見えづらいかどうかを、事前にチェックする仕組みを作れば良いだけ。
この話は「色覚異常の人が、男性の5%にも及んでいること」をテレビ局が認識しているかどうか・・だけの話。たぶんテレビ局が、キチンと認識すれば、字幕と同じく対応するのではないか?
ぜひこの投書をテレビ局の人が目にして、何らかの改善に取り組んで行くことを期待したい。あわせて道路標示など、国などの機関も同様に、ぜひ“5%の人への考慮”を期待したいもの。(もちろん自分も“知らなかった・・・”と、気が付かなかった者のひとりではあるが・・・)

(2012/10/21追)テレビの字幕付き番組の割合についてのデータがあった。
CMに字幕、つけませんか
・・・字幕放送は一般の番組で先行した。総務省は07年、複数の人が同時に話す生放送などをのぞき、17年度までに原則全番組に字幕を付けるよう目標を設定。その結果、11年度時点で、NHKが70.6%、在京キー5局が90.8%を達成した。・・」(2012/10/17付「朝日新聞」p37より)


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