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2012年7月 9日 (月)

「現状維持の壁」

先日の日経新聞「大機小機」に、こんな耳の痛い記事が載っていた。曰く・・・

現状維持の壁
 日本を代表する電機産業界の苦境が伝えられている。飛躍的な技術進歩のために、昨日の成功モデルは一挙に崩れ去る。しかし、成功している限りは、そのビジネスモデルの変更は不可能に近い。特にその成果が自らの退任後にしか得られない現在の経営者にとっては、当面の収益を犠牲にする決断は難しい。それゆえ、企業発展の第一の要因は無私の精神を持った経営者の存在である。
 だがそのような経営者にとってさえ、現状の変更は常に大きな壁にぶつかるし、組織が大きいほどその壁も厚く強固である。役員、従業員やOB、取引先に至るまで、現状から利益を得ているグループがあり、表に出ない現状維持の理由は無数にある。過去に成功した伝統ある大企業ほど、そのレガシーコストゆえに現状の変更は難しい。
 よって、やるべきことは分かっていても、破綻かそれに近い状態にならない限り抜本改革はできない。日本航空や日産自動車の急回復も、やるべきと分かっていたことを実行した結果である。
 アップルでさえ、苦境に陥ってスティーブ・ジョブズ氏がトップに復帰して初めて、多数の製品を捨てて特徴ある製品に集中する決断をした。サムスン電子もアジア通貨危機の際に公的資金を受け破綻寸前まで追い込まれたが、大規模な経営改革で成長を加速させた。見方を変えれば、日本の産業界も今ほど追い詰められれば、事業モデルの大転換を進めざるを得ず、再び成長する契機をつかむことになろう。
 問題は、企業とは違って、行動の結果がその存亡に反映されない組織の行動である。政党にも現状維持の壁はあるが、政治の失敗は次の選挙で国民の審判を受ける。最大の例外は金融政策である。独立性を持つ日銀は、その使命たる物価安定が実現しなくても誰の審判も受けない。
 過去20年間デフレに陥らず2%ほど高い成長が実現していれば、現在の国内総生産(GDP)は900兆円となり、財政危機も増税もなかったはずである。米国や欧州連合(EU)では大規模な緩和策で金融危機に対処している。いかに現状維持の壁が厚いとはいえ、日本が破綻するまで待つわけにはいかない。金融政策は「正しく使えば健全な経済を維持できるが、使い方を誤れば経済を弱体化させる強力な手段」なのである。(桃李)」(2012/06/30付「日経新聞」「大機小機」より)

この一文は示唆に富む。“わかっちゃいるけど、やめられない”のである。
しかしこの議論、決して企業だけの話では無い。「現状維持の壁」はあらゆる世界に存在する。
先日公表された、国会の事故調査委員会による福島第1原発事故の調査報告も、同じようなもの。今までの、経緯(認可や説明・・)の否定につながる行動はできない・・・・。それは過去の自分を否定することになるので・・・

上の記事が指摘するように「やるべきことは分かっていても、破綻かそれに近い状態にならない限り抜本改革はできない。」のは確か・・。
世間が、株主が。そして何よりも社員が会社の危機を認識した時、経営者はやっと人減らしを含めた抜本対策を打てる。よって、赤字転落の報告と共に説明される改革案は過激なものが多い。そして会社は、その機に乗じて有象無象あらゆる不良資産を落とす。それが世の常・・・・

先日、日立製作所会長 川村隆氏の「楽な道はどこへ?」というコラムを紹介した(ここ)。
小難しいことを言っても、所詮“現状維持”は“楽だから・・・”が根源のような気がするがどうだろう? つまり、これは全てに通じる世の真理では・・・? 自分への戒めを込めて・・・・!?


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