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2012年6月11日 (月)

スカイマークの「不満があれば消費生活センターへ」

先日、スカイマークのクレーム処理方法について、非難の報道があった。この報道を聞いて、会社側の真意を聞いてみたいと思っていたが、新聞で社長がコメントしていた。
まず朝日新聞の天声人語から読んでみよう。曰く・・・

「今もそうなのか、どうか。日本のある大手航空会社の客室乗務員は、機内で否定語の対応をするべからず、と教育を受けていた。たとえばビールを頼まれて、「ない」と言ってはいけない。「ただ今はソフトドリンクだけ用意しております」。20年余り前に取材で聞いた話である。
茶をこぼした、ボタンがとれた、暑い、寒い――乗客の要望は様々だ。「スチュワーデスは乗客に対して理想のスチュワーデス像を演じるのが仕事」と教官は話した。だが、時代は変わったようだ。
航空会社スカイマークがサービス方針を示した、乗客向けの機内文書が話題を呼んだ。「機内での苦情は一切受け付けない」「丁寧な言葉遣いを義務づけていない」など8項目あって、微笑を消した強面(こわもて)ぶりだ。その中の一文が物議をかもした。
不満があれば消費生活センター等へ、と書かれていた。税金で運営される公的機関に「尻ぬぐい」をさせる不見識に、消費者庁が怒った。結局謝罪して回収したが、高飛車な文面と相まって空の旅の興をそぐ。
とはいえ、客の側にも無理難題を言う人はいる。「感情労働」という言葉があって、客室乗務員が典型とされてきた。自分の感情をひたすら押し殺し、相手に合わせた言葉と態度で応じる。強靱(きょうじん)な「堪忍袋」を求められる仕事である。
昔の空の「もてなし上手」は、一方(ひとかた)ならぬストレスの賜(たまもの)だったようだ。今のご時世、簡素なサービスは悪くないが、木で鼻をくくるのとは違う。取り違えないよう願いたい。 」(2012年6月9日(土)付 朝日新聞「天声人語」より)

そして昨日の日経新聞に、こんな記事が・・・・

「“苦情は公共機関に”真意は?~できないこと理解求める
      スカイマーク社長 西久保慎一氏

 スカイマークは先週、「機内での苦情は公共機関に訴えてください」と記した文書を配った問題で、消費者庁から文書の回収を求められた。同社のサービスはこういうもの、との考え方を示したつもりが、一部から「傲慢だ」と受けとめられ、インターネット上で批判的な意見が相次いだ。西久保慎一社長に文書に込められに真意などを聞いた。
 ――なぜ、このような文書を作ったのか。
 「無理なことをおっしゃるお客様に対策が必要だった。そうした対応に追われると客室乗務員が本来の保安業務などに集中できないし、ほかのお客様のご迷惑にもなる。運航が遅延すれば、機材の稼働を最大限高める収益モデルにも支障が出る」
 「『ヘビークレーマー』と呼ばれるお客様をつくらないためにはまず、できないことをはっきりさせ、お客様が冷静でいられる時にそれを理解していただくことが大切。だから全座席のポケットにお願いの文書を入れることにした」
 ――「苦情は受けつけない」「収納の手伝いはしない」との表現が突き放した印象を与えなかったか。
 合法的なチェックはすませ、周到に準備した。多少の反論は覚悟していたが、もし誤解を与え、ご不快な思いをさせたのなら深くおわびしたい。適切な表現に改め、作り直す」
 ――苦情は自治体が運営する消費生活センターに連絡するよう、求めだ記述も物議を醸した。
 「(仮に苦情を巡りトラブルになれば)公的機関の判断を仰ぐことになる、との姿勢を示したつもりだった。苦情対応を公共機関に押しつける意図はない。新しく作る文書ではそうした部分は削除する」
 ――スカイマークにとって顧客とは。
 「当社とお客様の関係は対等と社員に教えている。お金をいただく一方で、われわれは輸送を提供する。両方が納得した形で初めて取引は成立する。もちろん航空会社を選ぶのはお客様だ。だが我々は提供できる価値、できない価値というのを事前に示さなければならないのではないか」
 ――低運賃で競合する格安航空会社(LCC)はむしろ、機内サービスを充実させている。
 「われわれが機内サービスをしないわけではない。LCCにはない広いシートは重視している。2014年から役人するエアバス330型機ではビジネスシートを90席設け、安い運賃で提供する。早朝便では無料のコーヒーサービスなども検討したい」
 ――安全面では国土父通省から厳重注意を受けた。
 「真摯に反省したい。完璧はないとの自覚を持って改善を積み重ね安全体制を強化していきたい」」(2012/06/10付「日経新聞」p7より)

確かに、幾多あるサービス業の中で、飛行機ほど手厚いサービスはない。特に海外便では、酒も飲み物も飲み放題。慣れた人は、離陸後直ぐに酔っ払う・・・
それに比べて、安価を売り物にする格安航空会社は、輸送業務に特化してその他のサービスを減らす。これは当然だと思う。
しかし格安航空会社のみならず、普通の日本の航空会社も、最近少し変わってきたようだ。JALはコーヒーが無料だが、ANAは有料。利用者(自分)は現金なもので、どちらを選ぶかというと、同じ条件ならJALを選ぶ・・・。たかがコーヒー。されどコーヒー・・・

現役時代、アメリカに出張した時、一緒に行った人から「“ビジネスクラスに変えろ”と言ってみたら?」と言う。「切符がエコノミーなのに、そんなこと出来るわけない」と言ったら、アメリカではそんな無理難題を平気で言う人がいるそうだ。それに対して、航空会社はどんな要求にも“努力”するのだそうだ・・・。
それで実験?で言ってみた。すると、受付の女性が、何と裏の別室に聞きに行くではないか・・・。結局、ビジネスクラスが満席なのでNG、で終わったが、門前払いしないやりとりにビックリ・・・

話は変わるが、今必死に(!?)BSフジのテレビドラマ「三国志」を見ている。諸葛孔明の知略が実に面白い。人間の機微を操る知略には舌を巻く・・・・。
長文になって、はなはだ心苦しいがチョコッとそのストーリーを・・・・
「ついに赤壁の戦いが幕を開ける。劉備の元に戻った諸葛亮は曹操の敗走を予期して趙雲や張飛などに役割を与えていく。しかし関羽だけには曹操に恩義がある立場を考慮して作戦には参加させない立場を取った。これに憤慨した関羽は曹操を逃がす事がないよう誓約書を書き、ようやく諸葛亮から出陣の許可を得る。
・・・・・・・
曹操軍が退却したことで空白の生じた荊州北部を巡って、次は孫権と劉備の覇権争いが始まる。曹操を見事仕留めていれば劉備に分が出てきたのだが、そこへ戻ってきたのは曹操を取り逃がした関羽だった。関羽は自らの失態を詫び自害しようとするものの、桃園の誓いを忘れない劉備は自らが関羽に先立ち自害すると息巻く。見かねた魯粛は諸葛亮に許しを請い、一時は関羽を処刑せよと命じた諸葛亮もその言を下げた。これは周瑜が自らの手を汚さずして曹操を劉備に討たせようとしていた事を読み取り、関羽が曹操を逃がす事を承知した上での諸葛亮の策略だった。この諸葛亮の一芝居に、孫権と劉備の同盟が今後しばらくは不可欠と考えた魯粛も乗る形で関羽を助けるのだった。」(
ここより)

それで・・・、何が言いたいかって???
今回のスカイマーク事件は、報道を通じて“有限のサービス”のPRをした(一芝居うった)スカイマークの“知略”では?
少なくても、しばらくはスカマークに無理難題を言う客は現れまい・・・


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