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2012年6月 1日 (金)

「ポピュリズムよさらば~政党政治の立て直しを」

政治の世界では、案の定、野田総理と小沢元代表の会談が繰り替えされている。さてさて・・・
最近、自分が気になっている言葉が「ポピュリズム」・・・・。先日の新聞にこんな記事があった。曰く・・・

ポピュリズムよさらば~政党政治の立て直しを
             論説委員長 芹川洋一
 米国で、欧州で、そして日本で、政治の世界に同じ雲が浮かんでいる。ポピュリズムという暗雲だ。大衆迎合主義と訳されるが、情念に訴え既存のものを否定するところに特徴がある。民主主義はそもそも大衆の意思によるもので、はなからポピュリズムが悪いとはいえない。ただ、この雲がもくもくとわき出てくる現状は、やはりあやうい。
 ポピュリズムは負担増がからむとき、頭をもたげてくる。緊縮策や増税はだれでもいやに決まっている。それが合理的でやむを得ないものであっても、有権者におもねる政治家はいつもいる。すべては選挙での落選リスクを小さくするためだ。今の日本でおきている現象も例外ではない。
 債務危機でゆれる欧州の民主主義も際どいところに来ている。緊縮策をきらう民意を背景に、政権交代がおこったフランス、地方選で政権与党が大敗したドイツにつづき、ギリシヤはついに再選挙に突入する。
 あの混乱ぶりはどうだろう。イタリアが、政治家抜きでポピュリズムと無縁の学者らで組閣し、改革に黙り組んでいる姿ともあわせると、民主主義への厳しい問いかけになっている。
 ・・・・
 冷戦がおわって、資本主義と民主主義の価値観が世界に広がり、世界経済はひとつになっていった。
 生産拠点は先進国から新興国に移り、先進国では雇用が減り、賃金が伸び悩む。野田佳彦首相のいうように中間層の厚みがなくなり、所得分配のひずみと受けとられ、社会的な不満が拡大する。それは政治的な不安定をもたらす。政治家は人気取りに走り、ポピュリズムの雲が発生してくる。
 日本政治にひきつけるとどうなるだろうか。既成政党が自らポピュリズムをまねき寄せているようだ。
 民主党政権の治める力のなさは相変わらずだ。リーダーが消費増税について「政治生命をかける」とまでいっているのに、元リーダーのグループはとことん反対する構えだ。
 リーダーがこの国会で法案が成立しないときは「重大な決意」と衆院解散の可能性にふれても、ナンバー2は来年夏の衆参同日選だと突きはなす。部下が上司を支えるフォロアーシップなどみじんもない。会社なら、とうの昔に清算だ。
 国会では衆参ねじれで法案の処理が進まない。2閣僚の問責決議が可決され「動かない政治」がつづく。議会制民主主義があやうくなっているとの意識など選良たちにはおそらくない。
 経済がいっこうにぱっとしない、政治がうまく回らない……日本社会がもうどうしようもないと思えば、有権者はむしろ拍手してポピュリズムを受けいれる。
 政治学の世界では、ポピュリズムの手法は次のようにいわれている。大嶽秀夫       著『日本型ポピュリズム』から引用してみよう。
 ≪普通の人々とエリート、善玉と悪玉、味方と敵の二元論を前提に、リーダーが普通の人々の一員であることを強調。同時に、普通の人々の側に立ってリードし、敵にむかい戦いを挑むヒーローの役割を演じてみせる劇場型の政治スタイル。マスメディアをつうじて、上から政治的支持を調達する政治手法のひとつ≫
 その典型が小泉純一郎元首相である。既成政党がこの体たらくでは「小泉雲」が西の方から大きく張りだしてくるのは当然だ。
 対応策はある。第1は、議会制民主主義がまともに機能している姿をみせることだ。「決められる政治」「動く政治」を示す必要がある。今のままでは与野党ともすべて沈む。
 戦前、政友会と民政党が足の引っ張り合いばかりしていた結果、ファシズムの時代に入っていったことは学び直した方がいい。
 第2は、政治家をいかに鍛え直すかだ。批判はあっても昔の自民党の派閥には人材育成の機能があった。経済界、労働界、学識経験者などで立ち上げた日本アカデメイアはそれをおぎなう試みだが、「政治家の劣化」は目にあまる。今や社会全体で考えなければならないテーマになっている。
 民主党の仙谷由人政調会長代行は、政治家にとって法律学、経済学、歴史を学ぶのが必須という。とくに「経済指標をきちんとチェックしている国会議員が何割いるだろうか」と漏らすように、経済への関心の低さが懸念される。
 第3に、忘れてならないのは、われわれ自身の問題である。子や孫の時代がどうなるかを考えれば、おのずと答えは出てくるはずだ。今がよければいいという発想をすてることが何より求められるのだろう。
 ポピュリズムの雲が発達して大雨を降らせないようにするには、まずは政党政治を立て直すことである。」(2012/05/21付「日経新聞」より)

改めて広辞苑で「ポピュリズム」を引く。
「ポピュリズム【Populism】①1890年代アメリカの第3政党、人民党(ポピュリスト党)の主義。人民主義。②(populism)1930年代以降に中南米で発展した、労働者を基盤とする改良的な民族主義的政治運動。アルゼンチンのペロンなどが推進。ポプリスモ。」

最近、政党政治に疑問を感じている。確かに政治家は“落選すればただの人”。よって当選のための大衆迎合は分かる。でも政治家としての本分を忘れて、ただただ大衆やボスに迎合して右往左往していると、何のために居る政治家か・・・という話になってしまい、結局存在感が無くなってしまう。

それにしても、この記事にある仙石さんの「経済指標をきちんとチェックしている国会議員が何割いるだろうか」という嘆きは、何とも情けない話。それぞれの地方の国民から選ばれて、それら国民の代表として政治を行うべき国会議員が、基礎知識もなく、もしボスの言いなりになって、ただ派閥の駒に化しているとすると、もはや間接民主制の崩壊??
それに、今の2大政党の体たらくが、戦前のファシズムと同様に写るとすると、これまた心配のタネ・・・??

「いやになっちゃう」政治・・・。今度選挙があっても、一体どの党に入れたら良いものか・・・。何とも困った日本ではある。


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