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2012年3月29日 (木)

「誰のための派遣法改正か」

改正労働者派遣法が昨日(2012/03/28)、参院本会議で可決、成立した。
雇用期間が30日以内の短期派遣を原則禁止、派遣先の企業が支払う派遣料金のうち、派遣会社が得る分に関する情報開示の義務化などが当初案通り盛り込まれたという。半年後から施行。

またまた日経新聞の「大機小機」からの記事・・・。昔、派遣者を大量に受け入れたことがあり、派遣法改正の推移がどうも気になる。曰く・・・
誰のための派遣法改正か
継続審議中の労働者派遣法改正案が衆議院本会議で可決された。これは製造業派遣の原則禁止などの削除を要求した自民党の意向を、民主党がのんだことによる。このことを「安価な派遣社員を活用したい経済界の意向で労働者保護が後退する」と解釈してしまうと、労使対立の構図にむりやり当てはめることになり、本質を見失う可能性がある。
 派遣労働者にとって、その働き先を制限されることが利益になるとの考え方は「派遣社員を減らせば、その分だけ正社員としての雇用が増える」との前提によっている。
 しかし、現実にはそうはいかない。企業へのアンケートによると、派遣が禁止されれば、別の非正社員や正社員の残業などで代替するとの答えが大部分である。こうしたリスクを無視することは、不安定な働き方なら無い方が良いという論理に等しく、肝心の派遣労働者にとっては死活問題である。
 改正法では30日以内の短期派遣を禁止しているが、この意味もあいまいである。もともと派遣は短期の雇用需要に対応したもので、3年以上の長期派遣が原則禁止されている。派遣期間が長くても短くてもいけないというのは論理的に矛盾していまいか。学生や主婦など、日程に拘束されず空いた時間だけに働きたいというニーズは高い。また、引っ越しや選挙運動など、臨時的な雇用需要も多い。経験なしに働くと危険な業務は別として、短期派遣の禁止で、誰が得をするのだろうか。
 自民党が全面的に反対しないのにも訳がある。与党だった2008年当時、派遣バッシングの機運に便乗して自ら日雇い派遣禁止を打ち出したため、今さら反対できない立瘍にいるのだ。本来の自由主義を貫くべきだった。
 現行派遣法の改正自体は必要である。派遣事業者を対象とした規制を派遣先企業にも広げ、派遣労働者の保護を強めることが必要ではないか。派遣切りに対しては、直接雇用者と同じ休業補償の適用や派遣先での同一労働・同一賃金を徹底させる。一方で分野別の派遣規制を撤廃し、雇用機会を増やすべきだろう。
 派遣労働者にとって真の利益となるこうした改正が実現しないのは、現行派遣法が「正社員が派遣社員に代替されることの防止」という思想に立っているためである。この「労・労対立」から目をそむけている点では、与野党ともに責任は大きい。(吾妻橋)」(2012/03/16付「日経新聞」「大機小機」より)

この視点は正しいと思う。自分も準現役時代に50人規模のプロジェクトを組織したことがある。もちろん正社員だけではまかないきれず、派遣技術者を大量にお願いした。つまり市場では、このプロジェクトのように短期または顧客との契約が1年単位などの場合、外注に頼らざるを得ない仕事もたくさんある。当時、これは需要側と供給側の双方がラッキーな動きだった。
反面、その時にたくさんの派遣技術者と会ったが、皆さんは、正社員になれずに仕方なく派遣会社に入った人がほとんどだった。よって派遣技術者から見ると、仕事が与えられた事はラッキーだが、しょうがなく・・という面があったのも事実。
そして、先のプロジェクトで困ったのが3年間の縛り。確かに派遣法の「3年も続く仕事なら正社員に・・・」の理念は理想だが、1年契約のプロジェクトでは、いつ仕事が無くなるか分からず、3年経った人は仕方なくクビに・・・。本人は慣れた仕事を失い、プロジェクトとしては、せっかくのベテランを失って、新人を改めて育成しなければならなかった。お互いの不幸・・・。

話を戻す。派遣社員からすると、上記の記事が指摘するように、「不安定な働き方なら無い方が良い」と考えるのだろうか、それとも“とにかく仕事口があることが有り難い”と思うのだろうか?

言うまでもなく、仕事というのは「まず仕事があって、それをこなす体制(組織)が必要になって、その組織を構成する人員が必要になる」という流れ。損益的にも、もし安い派遣労働者が居ないとすると、高価な正社員だけではビジネスが成り立たず、仕事そのものが失われる(受注しない)、という結果も当然想定される。
市場経済を前提に、“派遣労働者にとって何がベターか”という視点が今ひとつなのは残念である。


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