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2012年1月26日 (木)

TPP~「農業はどう保護するべき?」

前にTPPがらみで、日本の食糧自給率について覗いた(ここ)。しかし「国の財政支援」が良く分からなかった・・・。
先日の朝日新聞で「教えて!TPP」というコラムを見付け、農業について“勉強(?)”した。曰く・・・

農業はどう保護するべき?
 農家の所得を減らさない手っ取り早い方法は、高い関税をかけて、海外の安い農産物が入らないようにすることだ。国内の価格を高どまりさせ、農家が作りすぎて余った農産物は、補助金をつけて海外に安く売りさばく。
 1980年代、欧州はこうしたやり方で農家を守ってきた。だが、域内の消費者は、割高な農産物を買わされる。一方、補助金による「ダンピング輸出」が横行し、市場を失った米国は欧州を強く批判。抜き差しならない対立が生じた。
 転機になったのが、90年代初めのガットのウルグアイ・ラウンド交渉。価格は市場に任せ、安くなって所得が減った農家には国が直接お金を支払う。こんな考え方が主流になった。消費者の負担で高い価格を守ることをやめ、農業保護は税金でまかなうという発想の転換だ。
Image08871  フランス国立農業研究所のバンサン・シャトリエ氏は「いまではブドウ農家の所得のうち4割、穀物農家では3割を税金で支えている」と話す。直接支払いは、1戸あたり平均3万ユーロ(300万円)。「支援なしに農家が経営を続けるのは難しい。農地を保全するためにも必要なお金だ」
 欧州連合(EU)は2010年、農業保護に8.9兆円を費やした。米国は2.2兆円、日本は4.6兆円。だが、その内訳をみると、日本の特異性が浮かび上がる。EUと米国は、保護額の8~9割が直接支払いなどの「財政負担」なのに対し、日本は「消費者負担」で農家の所得を支えている金額が、全体の8割近くを占める。
 民主党政権は、直接支払いに近い所得補償政策を始めたが、高い関税と、コメの価格を下げないための減反は続く。関税をなくす環太平洋経済連携協定(TPP)への参加は、「世界の潮流から20年遅れの日本農政の根っこからの見直し」(キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁・研究主幹)を迫る。」(2012/01/21付「朝日新聞」p7より)

この記事を読むと、日本だけでなく世界規模で農業は難しい課題のようだ。先のグラフがショッキング・・・。EUで農業の保護に9兆円も金を掛けていて、そのほとんどが、農家への直接支払いだという。フランスでは1戸当たり300万円・・・。
そこには競争原理も優勝劣敗も無いようだ。そんなに農業は特殊な世界・・・?
素人的に考えてみる。農産物も製品の一つとして捉えると、放っておくとその価格は市場競争にさらされ、需要と供給のバランスで、ある価格に落ち着く。その価格で農家がやれないと、農家は潰れ、作物を作らなくなり、生産量が減る。すると価格は上がる。そして(日本とは限らないが)農家は再び復活し、生産するようになる・・・。
この動きは、家電製品や自動車と同じく、国内でも世界でも同じ話。安心第一の“食糧”なので、危険だと思えば、人々は安い外国製でなく、高くても国内製を買うだろう。
そんな事で、市場競争で話は終わるはずだが、そうは行かないのが農業らしい・・・

世の中の動きは、それぞれ歴史があり理由がある。限られた知識だけによる一般論では到底理解出来ないことも・・・。それを理解するには“勉強”が必要・・・。
つまり、「何で、そんなに(税金の)現ナマを投入してまで農家を保護する必要があるの?」に対する解は、今日は書けない。時間をかけて自分なりに理解するまで・・・・

千差万別な世の中の動き。自分の少ない知識では到底理解出来ない事象が多すぎる。でも、せっかく生を受けた一生だ。何も知らぬまま死ぬのは勿体ない。せめて残された時間で、わずかでも“ナールほど”と分かってから死にたいもの。それには時間が必要。だから我々シルバー族と言えども、そう簡単には死ねないよね!?


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コメント

>生産量が減る。すると価格は上がる。そして農家は再び復活し、生産するようになる

これは難しいと思います。なぜなら農業は工業以上に経験が必要な仕事だからです。なにせ、自然が相手なのですから。
一端衰退した農業はなかなか元には戻りません。土から生き返らせねばならないからです。
人間にとってもっとも大切な農業を他の産業と同一視するような政策は認めるわけにはいかないのです。

【エムズの片割れより】
確かにそうですよね。でもそれは全ての“技術”に共通。一度撤退したら最後、その技術は復活しない・・・。農業も同じ・・・
それを前提に考えて行くしかないですね。

投稿: 通行人 | 2012年1月27日 (金) 10:35

「それは全ての“技術”に共通。一度撤退したら最後、その技術は復活しない・・・。農業も同じ・・・」

で、その技術は失われても別の技術が肩代わりすれば良いわけだけど、復活・交代する技術が出てくるときに経済性が優先するしかないだろう点が、「食物の(安全な)生産」の場合、気になります。

 

投稿: Tamakist | 2012年1月29日 (日) 18:09

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