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2012年1月24日 (火)

「光市母子殺害事件」と「長崎ストーカー殺人」に思う

昨夜からの積雪も一段落。今朝は、バスも電車もまあまあ。そんな電車の中で新聞を広げたら、「光市母子殺害事件、最高裁で上告審弁論」という見出しがあった。そして、“まだ終わっていなかったのか・・”と感慨を深くした。曰く・・・

光市母子殺害事件、最高裁で上告審弁論
 1999年に起きた山口県光市の母子殺害事件で殺人罪などに問われ、差し戻し控訴審で死刑判決を受けた元少年(30)の上告審弁論が23 日、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)であった。弁護側は「母性に甘えた未熟な犯行」として死刑回避を主張、検察側は上告棄却を求めた。初公判から12 年を経た異例の公判はようやく結審し、今春にも判決が言い渡される。
 犯行態様や被害者数、年齢などを死刑の選択基準に挙げた最高裁の「永山基準」に照らし、落ち度のない母子2人の命を奪った責任の重さと、年齢や反省の度合いなどの情状面をどう判断するかが焦点。死刑の適否を巡り2度目の最高裁判決に注目が集まりそうだ。
 少年法は18歳未満への死刑を禁じており、犯行当時18歳1カ月だった被告に死刑を適用するかを巡り司法判断は割れた。差し戻し前の一、二審は更生可能性を考慮し無期懲役を選択したが、最高裁は「特に酌量すべき事情がない限り死刑とすべきだ」として審理を差し戻し、広島高裁が改めて死刑を言い渡した。
 差し戻し審で弁護側は「母親のように甘えたくて抱きついた」「乱暴したのは生き返りの儀式」などの新主張を展開。この日の弁論でも「甘えたかったが拒絶されパニック状態になり、父親からの虐待経験もあって過剰反応をした」と主張した。乱暴も「母へのゆがんだ性愛と現実逃避が理由」として、殺意や強姦目的を否定した。
 安田好弘弁護士は「被告は『一審で殺意や強姦目的を認めたのは、死刑を求刑され怖くなり、認めないと死刑にされると思ったからだ』と話している。新供述が真実だ」と述べ、死刑回避と差し戻しを求めた。
 検察側は「犯行の動機・態様は極めて悪質で、遺族の処罰感情も峻烈(しゅんれつ)。年齢などを総合考慮しても死刑判決は正当で、上告は速やかに棄却されるべきだ」と訴えた。
 死刑求刑に対する二審の無期懲役判決を不服とした検察側上告に対し、最高裁が二審を破棄して差し戻したのは、連続射殺事件の永山事件、広島での仮出獄中の強盗殺人事件に続き3件目。これまでの2件はいずれも差し戻し審で死刑が確定した。
 二審判決によると、被告は99年4月14日、配水管検査を装って被害者宅に上がり込み、本村弥生さん(当時23)を殺害、乱暴し、長女の夕夏ちゃん(同11カ月)も殺害したほか、財布を盗むなどした。」(2012/01/24付「日経新聞」より)

自分がこの事件を、深く知り出したのは2008年4月(ここ)。もう4年も前だ。この時の死刑判決でオワリと思っていたが、まだ終わっていなかったのだ・・・。
この事件から、学ぶことは多かった。裁判、死刑、そして弁護活動とは・・・・(ここ)。

各紙に掲載された、本村洋さんの凛とした姿が印象的だ。事件発生から13年。それにしても、裁判は長期戦過ぎる。何の罪もない妻子を理不尽に殺され、なおこれだけの年月に耐えなければならない。この人の人生は・・・。しかも、昨年は死刑の執行が0だったという現実・・・。

家に帰ってふと見たNHKのクローズアップ現代「なぜ家族まで~検証・長崎ストーカー殺人~」(ここ)。この事件の事は知らなかったが、番組で紹介された警察の対応は最悪・・・。
この番組について、NHKのサイトにはこうある。
「先月、長崎県西海市で23才の女性の母親と祖母の二人が殺害された事件。逮捕された27才の男は、千葉県の女性の家に居座り、日常的に暴力を繰り返していた。女性の父親から相談をうけた警察は、男に事情聴取や警告を行っていたが、男は女性から引き離された事を機にストーカー行為を行い、最後には家族の殺害に及んだ。その後の取材から、警察の対応には、男女間の暴力事案に対する処理のスピードや、警察同士の連携などに問題があったことが判ってきた。何度も警察に危機感を伝え対応を求めていた父親は「今の法律は私たち一般市民を守ってくれない」と弁護士を通して思いを述べた。対応に何らかの問題があったとして今、警察庁も検証に乗り出している。SOSはなぜ届かなかったのか、事件を検証する。」

この番組では、「この男は、女性を“自分のもの”と思っていた。だから“返せ!”・・・」と解説していた。確かに、そう捉えると男の行動は理解できる。つまり予見できた事。しかし、わざわざ長崎から習志野まで来て警察に被害届を出しても、「1週間待ってくれ」と言われて受理されない現実があるとは思わなかった・・。被害届が、警察の忙しさを理由に受理されないとは絶句・・・。これが警察では“普通”の事なのだろうか?

また、この事件は、ストーカーによるDVであったため、まとわりつき防止の「ストーカー規制法」と、夫婦を前提とした「DV防止法」の狭間に埋もれてしまった事案、と指摘していたが、これを機に法律も修正されていくだろう。
しかし、悲惨な事件が起こらないと前進しない公の対応、そして法律。失われた命に対して、どう弁明するのか・・・? 特に長崎の事件では、悲惨な結果を生んだ警察の対応は、真摯に反省して欲しいもの・・・・。

(関連記事)
光市母子殺害事件の死刑判決に思う
「光市母子殺害事件」~門田隆将著「なぜ君は絶望と闘えたのか」を読んで


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