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2011年11月24日 (木)

ピアノ編曲による交響曲

NHKラジオ深夜便で、音楽プロデューサーの中野雄による「クラシックを楽しむ」(奇数月の隔月、第1月曜日の深夜1時=火曜)という番組があり、楽しみにしている。
今回(11/8)のテーマは、「録音技術がなかった頃」。
氏のお話によると、18世紀末、モーツァルトが亡くなる頃までの時代は、音楽は貴族の宮廷のものだった。19世紀になってブルジョアジーが登場して、初めて一般人が音楽を聴くようになった。しかし、1877年にエジソンが録音機を発明して、それがレコードとして発達するまでの100年間は、一般市民がオーケストラを聴くチャンスはそうそう無かった。よってその頃は、一般大衆はピアノや弦楽合奏などに編曲したものを聞くのが精一杯だったという。
リストは作曲家であるとともに、編曲でも有名で、ベートーヴェンの交響曲を全部ピアノ版に編曲して、それを演奏して歩いていたとか・・・。またブラームスは、自分の交響曲を自分でピアノ版に編曲していたとか・・・

実に珍しい音楽を紹介してくれていた。ちょっと聞いてみよう。まずは有名なリスト編曲のベートーヴェンから・・・

<「運命」/シプリアン・カツァリス(ピアノ) >

「運命」の弦楽五重奏版というのも初めて聞いた。編曲はベートーヴェンと同時代の作曲家エバースの手によるものだという。
<「運命」(弦楽五重奏版)/プロ・アルテ・アンティクア・プラハ>

同じく、今度はリスト編曲の交響曲第1番の冒頭・・・
<ベートーヴェン 交響曲No1/後藤泉(ピアノ)>

リストはかのベルリオーズの幻想交響曲も編曲していたという。
<ベルリオーズ「幻想交響曲」#2/ロジェ・ミュラロ(ピアノ) >

そして、ブラームスの、作曲者自身の編曲による1台4手連弾版の第1交響曲を・・。
<ブラームス交響曲No1/藤井隆史&白水芳枝(ピアノ連弾) >

*この番組は非常に貴重なので、
“NHKラジオ深夜便「クラシックを楽しむ」(2011年11月8日)”
の46分の全部の番組をお聴きになる場合は(ここ)を叩いてしばらく待つ・・

いつも聞いているこれらの交響曲だが、実に新鮮だ。リスト編曲のピアノ版「運命」以外はほとんど初めて聞いた・・・

111124gotoizumi この中で、特に後藤泉さんのピアノには心を打たれた。それでつい、AmazonでCDを注文してしまった。素晴らしいピアノの音・・・・
そしてこんなCDを聞いていたら、“つい”ベートーヴェンの交響曲全曲を聞いてみたくなり、カツァリスの全曲版を探していたら、6枚組の新品が何と2400円で買えることが分かり、“つい”注文してしまった(ここ)。アメリカから直送されるという。

ともあれ、ふと異世界に入り込んでしまった。クラシックの世界はなかなか広くて面白い。2ヶ月先の「クラシックを楽しむ」がまた楽しみ。今度は何を聞かせてくれるのだろう・・・

(関連記事)
「運命」冒頭聞き比べ51種


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コメント

モーツァルトの時代、一般市民はその音楽を聴けなかったのですね。

今はいい時代なんですね〜。

【エムズの片割れより】
もちろん現代は最高・・・!?

投稿: たかはし | 2011年11月25日 (金) 07:07

 久しぶりにお便りします。管弦楽のピアノ編曲では、ムソルグスキーの「展覧会の絵」をラヴェルが編曲したものは少し馴染みがありましたが、今回の交響曲のピアノ編曲はいずれも珍しいもので、大変楽しめました。ベートーベンの「交響曲第1番」は元々聞いたことがなかったので、「ああこういう曲なのか。」と新鮮な思いでした。
 細かいことですが、エディソンがいわゆる「蓄音機」を発明したのは1787年ではなくて1877年だったと思います。(1847年生まれで30歳の時に発明したので。)それはともかく、いつもながら貴重な音楽を聞かせてくれて有難うございました。

【エムズの片割れより】
1877年、直しました。スミマセン・・・
ピアノ編曲も、それがプロの“リスト”となると、なかなか楽しめますよね。

投稿: 水戸のミッキー | 2011年11月26日 (土) 16:01

初めましてこんにちは♪
只今NHKFM放送で幻想交響曲のリスト編曲版を聴きながらこの編曲に関してのブログはないかと探していてこちらの参りました。
リストの編曲、気にいってます♪

【エムズの片割れより】
自分も聞こうと、FMチューナーに電源を入れたけど、既に終わっていた・・・。
ピアノ版・幻想交響曲の全曲は、自分もまだ聞いたことがありません。

投稿: アリエッタ | 2012年6月18日 (月) 20:29

この「運命」はベートーベンの交響曲中ではたぶん日本では一番有名で、私もはじめて聴いたベートーベンの交響曲はこの曲だったと思います。そしてNHKの名曲アルバム100選の中にも「運命交響曲」として入っているのですが、曲と一緒に流れる説明には「「運命」の題名は日本でのみ知られる。冒頭のモチーフを(ベートーベンは)「運命はかく扉をたたく」と語ったと伝わるが、真相は明らかではない」とあります。録画してあったNHKEテレの番組の「らららクラシック「クエスチョンスペシャル作品編」(2016/4/2放送)を見ていたら、このベートーベンの交響曲第5番の「運命」の題名の由来が取り上げられています。この曲が「運命」と呼ばれるのは冒頭の3つの音が「運命が扉をたたく音だ」という、ベートーベンが弟子シンドラーに語ったとされるエピソードから来ているようですが、この人物は実は誇張や捏造が多く、研究者の間ではその信憑性が疑われてきたらしい。ところが、ベートーベンにはもう一人ツェルニーという弟子がいて、彼がベートーベンから直接聞いた話として、この冒頭の音は、ベートーベンがプラーター公園を散歩したとき聴いたキアオジという鳥の鳴き声だと証言しているんですね。番組でこれを説明した音楽評論家の佐伯茂樹氏は、この傍証として、冒頭のの3つの音には木管楽器(クラリネット2本)が加わっているとしています。木管楽器はしばしば鳥の鳴き声を表わすのに使われ、事実この時期書かれたベートーベンのもう一つの交響曲第6番「田園」では3羽の鳥の鳴き声(サヤナキドリ、ウズラ、カッコー)が木管楽器(それぞれフルート、オーボエ、クラリネット)で表わされている、と言っています。
たぶん以上のような理由から、ベートーベンの交響曲第5番は欧米では「運命」とは呼ばれていないのでしょうね。そういえば、私は、ベートーベンの交響曲第5番のCDはベルリンフィルのカラヤン指揮のCDとニューヨークフィルのバーンスタイン指揮のCDの2つを持っていますが、前者は日本で発売されたので交響曲第5番ハ短調作品67「運命」と書かれていますが、アメリカの友人が送ってくれた(アメリカで発売された)後者にはSYMPHONY NO.5, OP.67とあるだけで、「運命」のウの字(?)も付いていませんね。

【エムズの片割れより】
子どもの頃に初めて聞いた「運命」は、オーマンディ/フィラデルフィア。学生の頃に聞いたのはトスカニーニ。当時、カラヤン全盛期でしたが、カラヤンの運命はせっかちなのでキライ。ワルターは長過ぎるし・・・
この頃は、フルトヴェングラーの1947年5月27日しか聞いていません。何百回聞いても飽きませんね。

投稿: KeiichiKoda | 2017年10月 8日 (日) 09:11

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