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2011年7月 7日 (木)

「戒名料」に思う・・・日本のお寺は必ず廃れる!?

昨日、滞りなく兄嫁(義姉)の葬儀が終わった。そこで見聞きしたことをもとに、最近のお寺さん事情を考えてみたい。
前から“葬儀の不思議?”について、色々と記事を書いてきた。(「島田祐巳著「葬式は、要らない」を読んで」(ここ)、「お葬式は なぜ高い?」(ここ)など・・。左の検索欄で「戒名」「葬儀」などで検索すると、過去の記事が出てくる)

今回の義姉の葬儀に関しては、事情があって最初は火葬のみ(直葬)を考えていた。葬儀は、納骨の時に親族だけで簡単に、という条件で、東京・谷中(日暮里駅の近く)の菩提寺にお布施の金額を問い合わせた。その時に60万円と言われたという。その後、普通葬に変わって、通夜と葬儀に住職に来て貰った。その時、お布施として80万円の現金を用意した。葬儀屋は、「多過ぎる位・・」と言っていた。しかし、通夜の当日、まず住職から差し出されたのは、111万4千円の振込用紙。100万円が通夜・葬儀・戒名料で、11万4千円が納骨の時の費用だという。お金が足りず、結局後日振り込むことにしたという。
住職が持って来られた戒名は、○○院△△△△大姉。通夜と告別式の読経はそれぞれ40~50分。告別式では、一緒に四十九日法要も行う、と言っていたが、どこからが四十九日の法要か分からないまま、45分の読経が終わった。
(先日、叔母の直葬に際しては、納骨の時に(ここ)葬儀と四十九日法要をして頂いた。その時は、葬儀の法要の後、一時皆が外に出され、住職が衣を替えて再度入場され、「今から四十九日法要を行います」と言われたので、はっきり区別できたのだが・・・)

それから住職は一緒に火葬場に行って、精進落としの食事。そして75分後に骨あげ。それが終わると、ひと言の法話もなく、タクシーで帰られた。時間にして滞在時間は約4時間。
確かに檀家といっても別に顔見知りでもなく、話すことが無いのかも知れない・・・。でも結果として、実に存在感が無い菩提寺住職だった・・。

告別式が始まる前、戒名料の相場について葬儀屋さんに聞いてみた。最初に振込用紙を渡された、という話にはさすがにビックリしていた。戒名料は幅があり、少なくても20~30万円。菩提寺のない人については、葬儀屋として僧侶を、通夜と告別式、戒名料込み手数料無しの15万円で紹介しているという。確かにお寺を持っていないお坊さんも多く、2日で15万円は大変な収入・・
(戒名料については、今日、会社に戻ったときの雑談で、「福島で先年父親が亡くなったが、その時は戒名料を200万円取られた」と言われて、これまたビックリ・・・)
(ついでに、カミさんの友人の例では、お爺ちゃんが亡くなって、戒名料が160万円と聞いてとても払えず、「院」が付かなくて良いから・・とお寺さんに値下げを頼んだが、一人だけ院が付かないのはおかしい、と断られ、仕方が無く160万払ったとか・・。そうしたら今度はお婆ちゃんが亡くなって、これも値下げを頼んだがダメで、同じく160万円・・・・。そして法事は1回30万円とか・・・)

精進落としのときに聞いた住職の話。
「時代が変わって、3年ほど前から“戒名は要らないのでその分下げてくれ”という例が出始めている。どこに葬るのかを聞くと、自分の寺のお墓だというので、“それなら断る”と言った。檀家も、生活保護者の家もあり、変わった。特に、親の年金や、最近は減ったが戦傷者の年金などに頼って生活をしている人がおり、親が亡くなるとどうしようもなくなる。自分たちの生活がやっとで、お寺への寄付金まで回ってこない。
先日の震災で、お寺の本堂も被害を受け、修理しようと思っているが、戦後のドタバタで建てたものなので、図面がない。見積もって貰ったら、耐震設計が必要で、5000万円だと言われた。他の所に頼んだら、2~3000万円。
自分の体も色々あって大変。お経を読んでも、目の前に線香があると喉をやられるので、大きな線香は最後に点けている。前に葬儀に行ったら、木魚が割れていて、音が出ないので強く打ったら、腱鞘炎になってしまった。それに卒塔婆を書いたりするので、手の故障は職業病。前に、月に3件ほどあった葬儀が、半年ほど1件も無かった。その時には、手が治ってしまった。・・・・」
確かに、お寺も大変なのかも知れないが・・・・

先日の朝日新聞に「戒名料 受け取れない」という記事があった。曰く・・・
戒名料 受け取れない
東日本大震災で多くの命が失われた被災地の寺院で、戒名料の受け取りを自粛する動きが広がっている。家族や自宅を失った被災者に配慮した。一方で、自粛が当然のように受け止められては困る、との声もある。葬儀の件数がかつてない規模になり、お寺の慣習にも異変が起きている。

「戒名料30万円で100人分の葬儀をして被災者から3千万円受け取るのか」
 宮城県石巻市にある曹洞宗寺院の住職は、知人からこう詰め寄られ、無料で戒名を付けることにした。津波で寺院が全壊し、多くの檀家が死亡。住職は「かねて戒名料には批判が多かった。寺院復旧にかなりのお金が必要だが、こういう状況では仕方ない」と話す。
・・・
 同県南三陸町の寺院の住職はこれまで20万~100万円の戒名料を受け取っていたが、震災後は「お金は生きるために使ってください。お布施は生活が落ち着いてから気が向いたらでいい」と拒んでいる。
 石巻市内の住職によると震災前、同地域の葬儀では、読経料とは別に戒名料として故人1人あたり20万~50万円を受け取るのが一般的だったという。戒名で格式の高い「院号」では1人100万円前後となる場合もあった。
 多くの住職は自らも被災者で、寺院などの修理を控えている。それにもかかわらず、戒名料の受け取りを自粛するケースが出ている背景には、葬儀の件数が膨大で、読経料やその後の法要でのお布施で一定の収入が得られる側面もあるという。
・・・・
 一方で、こうした寺院の動きに困惑する関係者もいる。宮城県気仙沼市にある浄土真宗寺院の住職は「震災犠牲者だけを特別扱いするのはおかしい」として、喪主の資力に応じて通常通りの戒名料をもらっているという。「地方の寺の多くは過疎化で檀家が減り、お布施収入も減って厳しい。葬儀での法名(戒名)料や読経料は貴重な収入源で、受け取り自粛が当たり前と檀家に思われるようになるとつらい」と話す。
 震災後の混乱が落ち着いた5曰くらいからは、「友引」の日以択は、連日のように葬儀が続いているという。住職は「ここ3、4年分くらいの収入を2ヵ月で得た」と明かした。
 また、岩手県陸前高田市の曹洞宗普門寺の熊谷光洋住職(59)は、無償の集団葬儀によって儀式が形骸化しないかと心配する。「被災地で戒名料を下げるのは当然だが、寺は檀家のお布施によって支えられている。無償化が広がれば存続できない寺も出てくる。檀家との信頼関係を築き、戒名や葬儀の意味をきちんと伝えることが大切だ」と話している。

<戒名>~仏の弟子となった証しとして授けられる名前。宗派によって異なる場合もあるが、男性は「信士(しんじ)」「居士(こじ)」「院居士(いんこじ)」、女性は「信女(しんにょ)」「大姉(だいし)」「院大姉(いんだいし)」とランクが上がっていく。
 日本消費者協会の昨年の調査では、葬儀で戒名料や読経料として寺院に払った費用総額は全国平均で51万4千円。東北は61万6千円で、九州・沖縄の29万6千円の倍以上だった。」(2011/07/03付「朝日新聞」p39より)

昨日の葬儀のあとで、“若手”が雑談をした。
「このお墓は、次の世代になる前に、たぶん持ちこたえられなくなるね。これからの葬儀は、たくさんの人がそれぞれ香典を持ってくるという今までの風習も廃れ、益々簡素化されていくだろう。しかし、先祖代々の自家の墓に入るにも100万円要るとなると、その墓を棄てて、別の安く入れる墓を用意しなければいけなくなる。それに、墓守という負担を子どもの世代に引き継がせること自体が、もう無理・・・」

檀家の減⇒お布施の高騰⇒益々の檀家離れ⇒檀家の減・・・・という負のスパイラル。
本来の檀家として、人々が“心の拠り所”として常に出入りしているお寺さんは別にして、都会の人にとってみると、お寺は住職の顔も知らない単なるお骨の収納場所。それ以上のお寺の存在意義を、都会人に植え付けることが出来ないお寺は、潰れて行くのが当然・・・。
つまり、檀家制度にあぐらをかき、普通の人々の心に居場所を有していない日本の仏教(お寺)は、確実に廃れていく。そう確信した。

繰り返すが、キリスト教のように、ホスピス活動をする訳でもなく、死への旅立ちに向かって、檀家の心のケアをする訳でもない日本のお寺。幾ら自分の家のお墓があっても、住職が戒名料と称して“お骨の収容許可費”1件100万円も徴収する日本の葬式仏教の現状。そんな有り難くないお寺に、誰が寄付をする? そんなお寺が廃れないワケがない・・・
今回の葬儀は葬儀として、檀家制度やお寺のあり方について、非常に疑念を持った二日間であった。


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