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2011年5月20日 (金)

「天声人語」を書く人の文才・・・

今朝の朝日新聞の「天声人語」。読んでいてつい引き込まれた。何とも感心する文章である。曰く・・・

「人恋しいのは山で迷った時だけではない。節電に沈む街を漂いながら、ヒトは寂しがり屋の動物だと思った。多くが掌中の機械を頼り、通じ合える誰かとピンポイントでつながっている。
 震災後、ちょっとした結婚ブームだという。広告を控えたにもかかわらず、結婚仲介業者への資料請求や入会が増加中と報じられた。「寿退会」も多い。一緒にいてくれる誰かを求め、女性の動きが目立つそうだ。
 余震や停電、放射能を案じての独り暮らしは、都市の孤独に慣れた人でも心細いのか。あの夜、何時間も歩いて帰宅し、明かりをつけても一人。きずな、だんらん、安らぎといった言葉たちが背中を押すのだろう。
 名高い調律師の著にあった。「ピアノは振動には結構強いが、温度や湿度の変化に弱い。たちまち調律が狂う」と。人はピアノにも似て、大地の揺れに耐えつつ、一変した世の空気に心は乱れる。そして、自分だけの調律師を探す。
 真偽はさておき、米国では大停電や大災害、テロのたびに小さなベビーブームが伝えられる。何げない温(ぬく)もりが愛(いと)おしく、独り身は婚活に燃え、交際中は結ばれ、若い夫婦は……。ささくれた世相に疲れた人は、家庭なるシェルターにこもるらしい。
 2011年春、万の人口が瞬時に失われた。喪に服す列島がにわかに放つ結婚熱は、欠けた命を補う営みにも見える。種族の本能といえば大仰だが、少子化に一矢報いるべく、慶弔が攻守ところを変えるなら喜ばしい。この国はまだ生きている。」
(2011年5月20日付「朝日新聞」「天声人語」より)

先日、ある所での会話の話である。先日突然死で遠くに住んでいた息子さんを亡くした還暦近い女性に、やはり還暦近い“独身男”がこんな事を言った。
「**さん、どうせ一緒に住んでいなかったのだから、(息子さんが亡くなっても)別に変わらないでしょう?」
そしてその女性がつぶやく・・・。「独身者はこんな事を言う・・・」

家に帰ってカミさんにそのことを話したら、「ウチの息子には、ぜひ結婚して欲しいね・・・」

キッカケは何でも良い。先の会話ではないが、人間、やはり普通の(普通に結婚して家庭を持った)人間であって欲しいもの・・・

さて、当blogがよく取り上げる日経新聞の「大機小機」もそうだが、この「天声人語」も、内容的には色々と言いたいことを言っているので、世の中では異論も多いことだろう。しかし自分は結構好んで読んでいる。
今日の「天声人語」もなかなかのもの・・・。文章というより、むしろ散文・・? 詩の雰囲気を感じる名文だと思った。
どの文も、話があっちこっちに飛ぶ。全部別のことを言っている。でもそれぞれキチンとラストの焦点に集まってくる。

ところで「天声人語」は誰が書いているのだろう。朝日新聞のQ&Aにはこうある。
「質問:「天声人語はいつから掲載されていますか。また筆者は誰ですか」
回答:「天声人語の初登場は創刊25周年を迎える1904(明治37)年の大阪朝日。「天に声あり人をして語らしむ」という中国古典をもとに命名したといわれています。
筆者は論説委員が担当しています。2007年4月からは、福島伸二、冨永格の2人が担当しています。」
ここから)

では、福島伸二氏と冨永格氏とはどんな方??
Netでこんな記事を見付けた。
「・・・、四月一日からは二人の50才の新進気鋭の福島伸二(社会部出身、ニューヨーク支局長で、イラク開戦時最前線の日本代表)と冨永格(ただし)(経済部、外報部出身、ブリュッセルに二回も駐在し、ユーロの全てを伝えてくれた)両氏に対する期待感も別の意味でも多大であります。・・・」ここより)

2007年で50歳とすると、今は54歳か・・・。自分の想像は簡単に破られた。功成り名を遂げた60~70代の大物の元記者が書いているとばかり思っていた。しかし結構若い人が書いているのだ。そして、今の「天声人語」は初めての二人体制らしい。確かに毎日のことなので、一人の執筆だと大変だ。今の二人は一日交替?日によって雰囲気が変わることは無いのかな・・・・

この名コラム「天声人語」に比べて、ダラダラと無駄な言葉をただ書き連ねている当blog・・・。何とも恥ずかしい・・・・。

文才は才能である。努力ではどうにもならぬ。当blogが目標としている「天声人語」や「春秋」などの各紙のコラム。もちろん同じような文章は望むべくも無いが、まあ横目でチラッと眺めながら、当blogの手本としていくことにしよう。


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