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2011年5月21日 (土)

映画「ブラック・スワン」を観る

今日は、急に予定が無くなって時間が取れたので、カミさんと一緒に評判の映画「ブラック・スワン」を観てきた。何度も書いているが、自分はハッキリ言ってミーハーである。よって、世間の評判が良いと、つい観たくなる・・・。(写真はクリックで拡大)

Image06631 「それでどんな映画だった?」⇒「ものすごい映画・・・」
「どんなジャンルの映画?」⇒「今までに無いジャンルで、これと似たような映画は無かった・・・」
「それで観た感想は?」⇒「とにかく圧倒された。スペクタクル映画とは違う意味で(音楽と映像のマッチ、オーケストラの音量・・等で)、TVではなく、劇場で観たい映画だ」

この映画は、たぶん今まで似たような映画は無かったのでは? だから多分新しいジャンルを作った映画のかも・・。つまり、ストーリー展開の面白さ、というより、人間の心理、内面を映像化した映画だ。
この映画は、人間の心理が映画というツールを使って表現出来る、ということを世に知らしめた??

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ストーリーは単純。バレエ一筋に人生を賭けてきた若手バレリーナが、プリマドンナの世代交代を世に問う新演出の「白鳥の湖」の主役に抜擢され、その精神的重圧に押しつぶされながら踊る・・、というもの。
しかし彼女は、可憐な白鳥は踊れても、邪悪な黒鳥は踊れない、という自分への評価や、主役を取ったとはいえ、ライバルの出現の恐怖で、精神的な重圧に追い詰められていく。そして幻覚・妄想と現実との間で・・・・

観ていると、映画のその場面が現実なのか幻覚なのか、段々分からなくなってくる。そして後の場面で、あれは幻覚だったのか・・・と気付く。しかしその心理描写はスゴイ・・・
観た後、カミさんは、しばらくボーッとしていた、という。映画から、かなり影響を受けたみたい・・。
よってこの映画の重みたるや、普通のストーリーだけを重視する、またはCGを駆使して画面の華々しさで受けを狙う作品とは一線を画する。カミさんは、前に観た韓国映画の「母なる証明」(ここ)と同じく、長く心に留まる映画だと言っていた。

言うまでもなく、この映画はバレリーナが主役。よって女優さんはバレエを踊れなければいけない。ここまで本格的なバレエの映画となると、バレリーナが女優をやるのかな・・・、と思ったら、やはり女優さんが1年をかけてバレエの特訓を受けたのだという。
主役のナタリー・ポートマンのインタビュー記事に、こんな発言がある。
「Q:役作りのために、見事な肉体改革をしてみせましたね。
A:そのチャレンジは大きかったわ。でも、私には、優秀な先生、コレオグラフアー(振付家)、監督がついていてくれた。バレエの練習は撮影の1年前から始めたの。最初の6ヶ月は1日2時間。ベーシックな基礎作りをしたわ。その後は1日5時間になり、水泳も加わった。毎日1マイル泳いで、その後に3時間バレエをやるのよ。撮影の2ヶ月前になると、コレオグラフィーの練習も始まって、1日8時間になったわね。そういった厳しい特訓は、キャラクターの感情面にアプローチする上でも役に立ったわ。自分も同じようにしないとわからないのよ。バレリーナはお酒を飲まないし、あまり食べないし、夜遊びもしない。そして肉体的な苦痛をいつも感じている。そんなバレリーナの人生を、私も身をもって知ることができたの。」
(映画のパンフレットより)

12歳くらいまでダンスを習っていたというナタリー・ポートマンだから出来た役かも・・・
それにしても、女優とは大変な仕事だ・・・

この映画は、色々な賞を取る気がする。とにかく斬新。しかし観ていて楽しいとか、面白いとかを感じる映画ではない。ただただスゴイ・・・
自分が感じたこの映画のテーマは、“仏教の教え”。全ての事象は、自らの心の鏡・・・。自らが作り出している・・・。
自分が怖れ、疑うほど、幻覚や妄想が強くのし掛かってくる。まさに我々が、日常的に感じること。普通のサラリーマン生活でも、昇格などで重い責務を担った時に、そのストレスに耐えきれず、鬱病など精神の病気になる事があるが、このバレリーナの場合と同じ。よってこの映画はバレエの世界を描いているものの、その世界は我々の日常的な世界と同じに感じた。
とにかく色々と考えさせられる映画であり、これからこの映画の内面の勉強が必要な(?)映画だと思った。

しかし天国のチャイコフスキーくんがこの映画を観たら、さぞかしビックリするだろうな・・・。


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コメント

エムズ様へ
今時の下手な映画評論家よりずっと面白い感想文有難うございました。理系のエムズ様にもこんな一面が、と驚きました。新聞コラムのありふれた文才より新鮮だと思います。
私は、レオンカヴァルロの道化師を思い出しました。また楽しい話題を待っています。

【エムズの片割れより】
ありがとうございます。なにぶん勝手気ままに書いていますので・・・。
この映画はなかなか拾い物でしたよ。

投稿: wolfy | 2011年5月22日 (日) 08:50

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