« 「震災にみる日本の技術観」 | トップページ | 原発の交付金と避難命令・・・ »

2011年5月11日 (水)

森山良子の「30年を2時間半で」

今日、面白い歌を見付けた。森山良子の「30年を2時間半で」という歌。定年間近の男女が30年ぶりに会って、2時間半を過ごすという、ファンタジー!!?
9分もかかるこの歌は、森山良子の歌というよりも、一人芝居・・・。何とも楽しく、長さを感じさせない・・・。

<森山良子の「30年を2時間半で」>

「30年を2時間半で」
  作詞:麻田浩・森山良子
  作曲:麻田浩・島健

こんな事ってあるのね。新宿のデパ地下。
レジに並ぶ私の目が、懐かしい横顔に釘付けになった。
他人のそら似? イエ、髪には白いものが・・・・でも彼だわ。
ドキッ! 早まる呼吸、声をかけようか、かけまいか?
カゴに入ったお豆腐や泥つきゴボウの先っぽが揺れている。
こんな事ってあるのね。若い日々の恋がよみがえる。
気付かないで私に・・・・・あ、やっぱり気付いて・・・・・。
マスカラが目の下に落ちてないかしら。ヤダ、小鼻がテカッてないかしら。
彼がふと振り向いて瞳と瞳が重なって照れくさそうに微笑んだ。
いまだに恥ずかしがり屋なのね、あなた。

「元気?」
「うん、この通り。まあ何とか元気にしています。今夜のおかずを買っているんだ。そこのオカラがおいしいんだ」
「あ、私も時々あそこの買う。おいしいよね」 
あ、なれなれしくないかしら・・・・・。
人波が消えてゆく。レジが済めばそこでお別れ。
「ねぇ、もし時間があればお茶でも飲もうか・・」・・・・無口で引っ込み思案だった少女は、長い年月をエンヤコラと乗り越える間に、たくましく、ズーズーしく変貌しているものなの。
「うん、いいよ」相変わらずもったいぶっているのね。

近頃流行のカフェ。あなたはコーヒー。私はキャラメルマキアート。
そう、中年の女は新し物好きなの。
それから、2時間半。
私は3年前多々の事情で一人になった。
あなたは2年前に伴侶を亡くした。そろそろ定年後の暮らしを考え始めている。
「そうか、定年か・・・・お互い50も半ば・・・・もうすぐ四捨五入で60かぁ。」
たわいのない想い出話に話は尽きない。尽きたくない・・・・・!!

  30年を2時間半で飛び越して 2人の気持ちは20(ハタチ)
  初めてのデート 「真夜中のカウボーイ」
  30年を2時間半で飛び越して 2人の気持ちは21
  ぎこちのない First Kiss あなたの誕生日

「ご飯どうしてるの?」
「自分で作るんだ。これが結構たいへんでさ、時々こうやってお惣菜買うんだ。今、美味しい物なんでも揃ってるからね。」
「そうか、大変ね」
「ま、でも自由に色々出来るから、考えようによっちゃ楽しいよ」 
2杯目のキャラメルマキアートのストローが切なく空気を吸っている。

「ねぇ、一杯やろうか?」
「そうだな。家でだれも待っている訳でもないし、ここだったら、あそこのホテルがいいかな?」
「ホ、ホテル・・・・?」
「うん、眺めもいいし、メシも結構美味いから」
「じゃあ、オカラ、入れといてあげようか?」 
泥つきゴボウも2つにへし折って、バッグの底に押し込めた。

人混みの中、あの頃みたいに並んで歩く。
夕暮れがそろそろ星のカーテンを降ろし始める。
愛想のいいウエイターが「奥様、ジャケットの方、お掛けして宜しかったでしょうか?」
近頃、この何々の方、何々して宜しかったでしょうか?という訳の分からない日本語がスゴい気になるんだ私。
奥様か・・・・うふ、奥様か・・・。そうなってたかも知れなかった・・・・・。

  30年を2時間半で飛び越して 2人の気持ちは20(ハタチ)
  いつも歌ってくれた しゃがれた「Blowin' In the Wind」
  30年を2時間半で飛び越して 2人の気持ちは21
  別れた理由が いまだに見つからない

キャンドルライトが揺れている。私の心も揺れている。
ライティングはOKよ。目尻のシワが少しはごまかせるわ。
「とりあえず、ビール」と彼。私はドライな赤ワイン。
「最近食えなくなってさ」「あたしも・・・」
「最近飲めなくなってさ」「あたしも・・・」って言いながら、
イヤダー、私ったら、グビグビ、グビグビ4杯目!!

「女房がね・・・」「うん」「女房がさぁ・・・」
愛しているのね。女房を今も。
イヤダ、私ったら女房に嫉妬してる。
本当の愛がどんなものなのか、傷つけ合う事も愛し合う事も知らなかった少女の恋がよみがえる。
あれから、30年。いろんな事があったわ、私にも。お互いに乗り越えてきたのね、様々な時代を。

「あ、そろそろ行かなくちゃ。久しぶりに楽しかった!」「こちらこそ。」
「元気でね」「君も元気で」
「きっとまた会えるね」心の中でつぶやく。

  30年を2時間半で飛び越して 2人の気持ちは20(ハタチ)
  初めてのデート「真夜中のカウボーイ」
  30年を2時間半で飛び越して 2人の気持ちは21
  ぎこちのない First Kiss  あなたの誕生日
  いつも歌ってくれた しゃがれた「Blowin' In the Wind」
  別れた理由が いまだに見つからない

自分はこの歌を今日初めて聞いたが、この歌は2004年の歌らしい。そしてこれとは別に、シングルで06年ヴァージョンも発売されているという。
でも、この歌は、ロマンチックな歌・・・というよりはファンタジーだな。あり得ないよね・・・、こんなこと。(これ自分の嫉妬!)

同じような歌で、古くは金子由香利の「再会」(ここ)がある。そして竹内まりやの「駅」(ここ)も同じような設定。竹内まりやの「駅」では、昔の彼を見かけたが、声も掛けずにそのまま・・・。金子由香利の「再会」では、一歩進んで、声を掛けて少し話すが、それでお別れ。
それに対して、森山良子はまさに今風・・。声を掛けただけでなく、飲みに行ってしまう・・・。自分と同じ年の森山くんだが、何ともたくましい。

仕事も一段落して、そろそろ老後を・・・と考え始めるシルバー世代にとっては、何とも“憧れ”の風景ではある。
自分も心を入れ替えて、これからデパ地下に行った時は、キョロキョロと誰かから声が掛かるのを待つことにしよう・・・・(だいたい、いままで自分に声が掛からなかったのは、いつもカミさんと一緒なのが原因だ。よって、これからはデパ地下には一人で行こうかな・・・。ムダな抵抗??)


« 「震災にみる日本の技術観」 | トップページ | 原発の交付金と避難命令・・・ »

コメント

そうですか,片割れさんは森山良子と同じ年でしたか.1948年生まれ.実は私も同じです.恋愛の結末しだいと思いますが.
理系の人間として,大本営発表がまだ続いている日本という国はいつになったら科学的思考を身に付け,Negative Data にも堂々と対処できるリーダーが出るのか・・・・

【エムズの片割れより】
今日の朝日新聞に、30億円の税金を使って開発した耐放射線ロボットが、東電の「事故が起こり得ない原発では、使い道がない」と廃棄された・・・とありました。「起こり得ない」という発想が全ての出発点だったかも・・・

投稿: のりへい | 2011年5月11日 (水) 21:59

森山良子のお芝居もとってもいいですよ。

金子由香利はとても洗練されていますよね。粋です!

なるほど竹内まりやとの共通性には気づいていませんでした。

下は私のブログの「歌 / 森山良子 ・ “30年を2時間半で・・・”」です。

http://blog.goo.ne.jp/goo221947/e/c00cd8503c34b82dada526c06c858817

【エムズの片割れより】
お陰さまで、貴blogでライブの「30年を2時間半で」を堪能させて頂きました。それにしても素晴らしい画像と音ですね・・・。
学生時代からの我々の仲間?の森山良子さん・・。いつまでも活躍してほしいものです。

投稿: 小父さん | 2011年5月12日 (木) 13:39

この歌も面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=k-to2kRZSa4

【エムズの片割れより】
Youtubeを覗きました。色々な歌を歌っていますね。ホンネで・・・

投稿: なち | 2012年7月 4日 (水) 10:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「震災にみる日本の技術観」 | トップページ | 原発の交付金と避難命令・・・ »