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2011年2月17日 (木)

「障害者基本法」刑事事件で供述誤誘導防ぐ改正案

昼食に入った食堂で見た今朝の毎日新聞トップに、知的障害者の刑事事件で、誤誘導を避ける前向きの法改定の動きがあるという記事が載っていた。
先に朝日新聞が、社説で「知的障害者―捜査の全面可視化を急げ」と主張したのが2011年1月25日(ここ)。それに呼応したのかどうかは分からないが、これはある意味“朗報”なので、全文を読んでおこう。曰く・・・

障害者基本法:「捜査、障害者配慮を」改正案に規定 供述誤誘導防ぐ
政府は今国会に提出予定の障害者基本法改正案に、障害者が関わった刑事事件の際、障害の特性に配慮するよう捜査当局に施策を求める規定を盛り込む方針を決めた。知的障害者が関わる事件では、逮捕状の内容や黙秘権の告知について正しく理解できず、当局に迎合的な供述をする恐れがあることから、事実認定に重大な誤りを生む危険性を指摘する声が多い。規定には刑事司法手続きの適正化を図る狙いがある。
内閣府によると、現行の同法には障害者の刑事手続きに関する規定はない。
日本が今後批准をめざす障害者権利条約には、司法手続きの平等を図るための障害者への配慮が定められており、批准に向けた国内法整備が課題となっている。
今回、改正案に盛り込まれる見通しなのは▽司法手続きで障害者との適切な意思疎通の手段を確保するなどの配慮を講じる▽関係職員に障害を理解する研修を実施する--の2点を捜査当局に求める内容だ。
刑事事件を起こした知的障害者らに関わる福祉関係者の間には、「取り調べや裁判で問われることの意味が分からず、刑務所に行くことすら理解できない人もいる。取調官が誘導すると、事実関係や動機などを安易に認めてしまう危険性がある」との懸念が少なくない。
政府の「障がい者制度改革推進会議」が昨年末にまとめた意見書も、障害者は適切に自己防衛できないことが多い、と指摘。障害者の特性に配慮し、理解しやすい手続きが求められるとして、「予算付けを含めた措置が必要」とも結論づけた。
知的障害者に対する取り調べを巡っては、最高検察庁が昨年4月、心身の状況や立場、迎合的性格の有無などを把握して取り調べを実施するよう求める事務連絡を全国の地検に出すなど、「すでに一定程度、特性に配慮している」(法務省幹部)との声もあった。
法務省によると、受刑者が刑務所服役時に受ける診断で、知的障害の疑いがあるとされる「知能指数相当値70未満」は6520人(09年)で全体の23%を占める。【石川淳一】
◇障害者基本法
国や自治体が行う障害者施策の基本理念を定めることを目的として93年に制定。04年改正で「障害を理由とする差別の禁止」を条文に追加した。政府は今国会に再改正案を提出する予定で、差別禁止規定を具体化するなど内容を大幅に拡充する方向で検討している。」(
2011/02/17付「毎日新聞」p1(ここ)より)

追跡・累犯:刑事事件「障害配慮、大きな進展」 福祉関係者の評価相次ぐ
障害者政策全般の基本理念を定める障害者基本法改正案に、刑事事件に関与した障害者への配慮が初めて特記される見通しとなった。生活苦などを背景に刑務所と社会を行き来する知的障害者らの問題が指摘される中、福祉関係者らからは「大きな進展だ」などの評価が相次いだ。同時に、改正案の成立後、警察や検察などが取り調べの適正化をはじめとする具体策に取り組むよう求める声も聞かれた。
知的障害者の刑事弁護に詳しい辻川圭乃弁護士(大阪弁護士会)は「刑事手続きにおける障害者への配慮が法案に盛り込まれること自体は評価できる」と話した。そのうえで改正実現後に言及し「知的障害者は取り調べに迎合しやすく、警察官や検察官の考える通りの調書になる恐れがある。取り調べの可視化や支援者の立ち会いができるよう刑事訴訟法の改正も考えるべきだ」と訴えた。
触法障害者の社会復帰のあり方を探る国の研究会の代表者を務める長崎県雲仙市の社会福祉法人「南高愛隣(なんこうあいりん)会」の田島良昭理事長も「聞かれている内容が分からないまま、おうむ返しに答える障害者もおり、そうした特徴を理解しない司法関係者が冤罪(えんざい)を生んできた可能性がある」と指摘。「当局職員の研修の充実はもちろん、取り調べや公判で、実務経験がある福祉関係者を『通訳役』として付ける必要性がある」と話す。【長野宏美、銭場裕司、石川淳一】」(
2011/02/17付「毎日新聞」社会面(ここ)より)

最近良い話を聞かない行政で、これは良い動きだ。
この記事でドキッとするのが「取り調べや裁判で問われることの意味が分からず、刑務所に行くことすら理解できない人もいる。・・」「受刑者が刑務所服役時に受ける診断で、知的障害の疑いがあるとされる「知能指数相当値70未満」は6520人(09年)で全体の23%を占める」という事実。
これは、供述調書優先の日本の裁判で、かなりの数の“冤罪が作られている”ことを如実に物語る。

一方、昨日のニュースで、笠間検事総長が“「供述調書ありき」改めよ”と訓示した、と言っていた。これも良い動きだ。曰く・・・
「供述調書ありき」改めよ~笠間検事総長
全国の検事正と検事長を集めた会議で、検察トップの笠間検事総長は16日、「供述調書を取れば一丁あがりだというような、いわば供述調書至上主義とでもいうんでしょうか、そういう考え方がもしあるとすれば、絶対に改めていかなくてはならない」と述べ、大阪地検特捜部の事件を受けて、取り調べの重要性を忘れず、「供述調書ありき」の考え方を改めるよう求めた。」<
2011年2月16日 >(ここ)より)

これらの動きを見ると、“どうしようもない検察も、少しずつだが、改善に動くのかな・・・?”と、つい期待してしまう。
国民の期待通りに、検察・警察が改善に向かって動いてくれることを、じっくりと見守ろうではないか。

(関連記事)
「知的障害者―捜査の全面可視化を急げ」


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