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2010年12月 8日 (水)

NHKクローズアップ現代「ある少女の選択~“延命”生と死のはざまで~」

さっき、NHKの「クローズアップ現代~ある少女の選択~“延命”生と死のはざまで~」(2010/12/08放送)再放送/BS2:今夜24:25~24:51(9日(木)午前0:25~)を見た。
テレビカメラが、18歳の少女が延命治療を拒み、亡くなっていく姿を捉えていた。
NHKの番組説明にこうある。
「腎臓の「人工透析」30万人。口ではなくチューブで胃から栄養をとる「胃ろう(経管栄養)」40万人。そして、人工呼吸器の使用者3万人。「延命治療」の発達で、重い病気や障害があっても、生きられる命が増えている。しかしその一方、「延命治療」は必ずしも患者の「生」を豊かなものにしていないのではないかという疑問や葛藤が、患者や家族・医師たちの間に広がりつつある。田嶋華子さん(享年18)は、8歳で心臓移植。さらに15歳で人工呼吸器を装着し、声も失った。『これ以上の「延命治療」は受けたくない』と家族と葛藤を繰り返した華子さん。自宅療養を選び、「人工透析」を拒否して、9月、肺炎をこじらせて亡くなった。華子さんの闘病を1年にわたって記録。「延命」とは何か。「生きる」こととは何か。問いを繰り返しながら亡くなった華子さんと、その葛藤を見つめた家族・医師たちを通じて、医療の進歩が投げかける問いと向き合いたい。」(NHKのここ)より

「18歳で延命治療を拒否」というショッキングなタイトルだったが、番組を見て何故か納得・・・。心臓の病気を抱えて生まれ、心臓移植、人工呼吸器を取り付けた毎日。でも入院を拒否し、家族との普通の生活を選んだ華子さん。そして今度何かあったら自然に任せると言い、父親の動揺にも揺れずにそのまま亡くなった。
華子さんは「命は長さじゃないよ どう生きるかだよ」と言い、その後腎臓が悪くなって人工透析をしなければいけなくなっても拒否。
「病院にいたら薬の方もつらいし、病院にいるのもつらいから、普通に家族3人で暮らす決意をしました」
しかし腎臓病の影響で体がパンパンに腫れていく姿を見て、お父さんが動揺し、主治医に相談する。
「まあ娘の意見だからってことで私は一度も言わないで、今までこういう状態で来たんですけど、よく考えてみたら助かる命だったら、どんなことをしても助けてあげたいって気持ちがあるんです」
それに対して主治医は「私は“お前の気持ちは何だ?”って聞かれたら、迷うことなく生きて欲しいって答えます。ただこれは私の気持ちを入れちゃいけないと思うんで、3人で決めて頂きたい」
そのお父さんの動揺に華子さんは、
「私の透析をしないって気持ちは変わっていません。私らしく過ごしたいです。もう十分に頑張ってきたし自分の命は自分で決めたことだし、もうパパ追いつめないで」
そして最後に、「医療は全部受けてきたつもりだし、穏やかに過ごしたいです」というメール・・・

華子さんの言う「医療」に、人工透析はない。延命治療は・・・無い。
当サイトでは、何度か延命治療について考えてきた。(当サイトの左上の「サイト内検索」で“延命治療”を検索すると何件か出てくる)
しかし、18歳でこれほど明確に医療を、そして自分の命を見詰めているとは・・・

加えて、最初のシーンで出てくるこの会話・・・
Q「“死”は怖くないの?」
A「天国はおつかれ様のばしょでもあるから。おわりだけどおわりじゃない。こころがあるからこわくないんです。」
18歳のこの死生観・・・・。何とも、死を怖がる自分が恥ずかしい??

もし興味がある方は、再放送までまだ3時間ほどあるので、もし間に合ったら、今日の夜の再放送(2010/12/08 BS2:24:25~24:51(9日(木)午前0:25~)を見て欲しい。

<見逃した方に>
先のNHKのサイト(ここ)で、後半のインタビューを除いた本編だけ見られます。


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コメント

はじめまして。
華子さんの番組を見ました。
管理人様の番組レポートを拝見し、改めて、生きることについて考えました。
せつない場面もありましたが、18歳という若さで、自分らしい生き方を全うなさったことに頭が下がりました。

【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。
まるで小学生のような雰囲気。でも子どもの時から病院から離れられない生活・・・。その18年という生涯は、我々の想像出来ない凝縮されたものだったような気がしました。
“健康第一”と唱える我々の生き方が、何か恥ずかしく感じました。

投稿: パレアナ | 2010年12月 8日 (水) 22:08

 私も透析をしていますが、この番組を見て自分も死ぬべきだと思いました。暴力親に人生をメチャクチャにされたあげく恐怖で腎臓を悪くして、精神も身体も破壊され、何をする気力もありません。無意味に行き続けています。
 しかし延命拒否をしても苦しみぬいて死ぬことになります。医者は苦痛をやわらげるためにモルヒネを処方してはくれません。安楽死に手を貸すのは犯罪者になるから当然のことです。
 なぜ国はいつまでも安楽死を合法化しないのでしょうか。

【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。まさに精神状態が体を蝕むのですね。
前の会社で、人工透析をしていた同僚が、自分の身を守るため、技術の最難関の国家資格である「技術士」の資格を取って、それ以降透析を続けながら立派に身を立てています。
一方、30年も昔、行き付けの田舎の診療所の医師が自死しました。助からない病気になり、自分で・・・。
安楽死については、自分も興味があります。よって、当サイトでも少しずつ考えていきたいと思っています。自分はどちらかというと推進派・・・?
話は変わりますが、最近自分は常に何か“夢中になるアイテム”を探して生きています。これは無意識に“何も無いこと”を恐れているのかも・・、と感じています。

投稿: 桜峰劉 | 2010年12月 8日 (水) 23:22

 桜峰劉さんのコメントは重いですね。

 華子さんの選択は、図らずも、延命拒否をして苦しみぬいて死ぬ過程までをも、「長さじゃなくどう生きるかだ」というその生き方の中に含めてしまったように思います。スゴイですね。 

【エムズの片割れより】
確かにそうなんですね。苦しみも含めて延命拒否を選んだ・・・。
ある段階まで行ったら、桜峰劉さんご指摘の安楽死という選択肢があっても良いような気がします。確かに難しい問題ですが・・・。

投稿: Tamakist | 2010年12月 9日 (木) 00:44

私もブログに書かざるえない気持ちになりました。

本当に凄いですよね。

ところで、、見逃した方へ、、

此方でわずか19分13秒ですが
番組動画が見れます。
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2977

【エムズの片割れより】
コメントありがとうございます。
確かにNHKのオンデマンドで見られるようになっていますね。見逃した方にはラッキー・・。

投稿: えん | 2010年12月 9日 (木) 13:21

動画情報、ありがとうございます。今見終わりましたが思い出すだけで涙が出てきます。還暦近くなり以前にも増して泣き虫になりました。華子さんのもう十分がんばったから延命治療はしない、と言う意見にうなずきつつも2児の父親としてお父さんの心情も痛いほどわかります。
桜峰劉さんの安楽死の合法化には私個人としては賛成しかねますがこちら米国で行われている在宅ホスピス、また、小さい規模のホスピスでとられている痛みを緩和して残された時間を人間らしく、大事にすごそう、と言うことが日本でもすぐに出来ると思います。痛みを和らげるためのモルヒネをはじめとする強い鎮痛剤も家族、または自分で投与できるようになっており、いちいち医師、看護婦の手を煩わせることなく生活が出来るようです。日本でもすぐに始められるのですが一番の問題は医師法と言う医者の立場だけを考えた悪法です。痰の吸引も医療行為であるから介護者がやってはならないなどと言うのは患者疎外のはなはだしい物。本当に患者と家族のことを思えば在宅ホスピスに関する立法などすぐに可決できるはず。ただ利権や賄賂に染まっている政治家にそれをすることが出来るのか、と言うのが一番の問題でしょうね。

【エムズの片割れより】
その通りです。全てにうなずいてしまいました。
在宅ホスピスが実現出来ればどれほど助かるでしょう。それを推進するためにはどうすれば良いのでしょう・・・。少し考えてみます。

投稿: みけねこ | 2010年12月14日 (火) 11:55

桜峰劉さんへ

桜峰劉さんのコメントを読んで胸に伝わるものがありました。
私も同じような体験をし、体にいくつかの病気を抱えました。
むろん桜峰劉さんの様な病気から見れば、しょぼ過ぎて恥ずかしいのですが・・。
私の言える事は、桜峰劉さんも(敢えて並ばせて頂けるのなら)私もサバイバーだと言う事です。過酷な状況を生き抜いてきた者なのです。
この国はサバイバーを見つける技も感性もなく、精神的、肉体的にケアしていくシステムも確立されていません。
何度かこの人なら分かってくれそうだと友人に、親の暴力についてさわりの部分を話しても、ドラマチックに語っているだけと思われ「オーバーなんだから」という言葉が返ってきました。これには本当に絶望し、勇気を出して打ち明けたのに、話したことを後悔しましたね。でも、これはドラマではないのです。
サバイバーはサバイバーを見つけることが出来ます。(これは特殊能力なのに残念です)(そして人の事でも、自分の事のように傷が痛みます。)
サバイバーとういう言葉があっているかネットで検索してみたらあるサイトに出会いました。昔、アダルトチルドレンという言葉とともに、読んだ斉藤学氏のサイトです。

下記にコピーしましたので良かったらご参考にして下さい。
桜峰劉さんにお伝えしたいのは“わかります”という言葉です。
そして例え少数でも仲間はいるということです。
お体を大切にして下さい。

http://www.just.or.jp/

投稿: サバイバーA | 2010年12月17日 (金) 23:05

ぷわらです。
メール、ありがとうございました。
オンデマンドのビデオを見ました。

私は小さいときに大病を患い、10歳までは生きられないと言われていました。
両親は希望を捨てずにできるかぎりのことをしてくれました。
私が寂しくないように、在宅看護で毎日通院しました。
私は華子さんよりずっと幼かったのですが、それでも死んでしまった方が良いと思っていました。そして、それを看護のお手伝いをしてくれていた人に言いました。

その時、その方は私の命は私ひとりのものではない、私が死んだら両親も兄もものすごく悲しむことになる。辛くても生き抜くことが、今の私にできることだ、と言いました。
その後、父は「最善を尽くして最後の最後で一発逆転ホームラン勝ちを狙うんだと言ってました。

果たして、新薬が出て私は生きながらえました。

もし華子さんが生きているときにお会いできていたら、私はこのことを伝えたかったと思います。

華子さんのご冥福をお祈りします。

【エムズの片割れより】
何とも言葉が見つかりませんが、コメントありがとうございました

投稿: ぷわら | 2011年7月23日 (土) 01:31

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