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2010年11月 4日 (木)

「君に見せたい風景」

先日、朝日新聞の「男のひといき」という欄に、何とも甘酸っぱい投書が載っていた。曰く・・・

君に見せたい風景
手紙の返事を書くために便箋を探そうと、手書きの便りを基本にしていた妻の文箱を4年ぶりに開けた。
中から「お父さんが定年になり、これから2人で心行くまで海外旅行を楽しもうと思っていたのに、突然病気になり・・・」と途中まで書かれた、友人あての便箋が出てきた。体調が悪くて最後まで書くことができなかったのであろう。
結婚して35年強、しっかり者の妻に家事や育児をすべて任せ、思い切り仕事に専念させてもらった。おかげで悔いのないサラリーマン生活を送ることができた。妻は、二つのことを器用にこなすことができない私の性格を見抜き、私が定年になるまでは、海外旅行に出かけるのは無理だろうと自分自身を納得させていたのかもしれない。
定年後、縁あって第2の職場に勤めることになり、妻の希望に沿うことが難しくなったが、新しい職場の上司に無理を言って時間をもらい、妻とイタリア旅行に出かけた。妻は「これからは仕事と遊びを同時進行でよろしくね。ギリシャ、トルコなどにも行ってみたいね」と話していた。
それから1年後に妻が亡くなり、その思いをかなえてやることはできなくなったが、いつか妻の写真をポケットに忍ばせて出かけ、心行くまで素晴らしい風景を見せてやりたいと、妻の書き残しの便箋を見ながら思った。(横浜市 小窪正宏 無職65歳)」(2010/10/30付「朝日新聞」p33より)

何ともロマンチックな夫婦愛ではある。・・・が、現実はそう甘くはない。
田舎のお袋がいつも言っていることがある。「親孝行してくれるのなら、生きているうちにしてちょうだい。死んでから親孝行されたって、ちっとも嬉しくない・・」
そう。これが現実・・・。夫婦の間でも同じ。定年までなんか待っていられない・・・。さあ定年で羽を伸ばすぞ!と思った瞬間に“慢性ギックリ腰”になったらどうする?

昨日ちょっと書いたNHKの「今を生きて老い思わず-俳人・金子兜太 91歳の人生訓-」という番組。ここで金子さんが、妻がガンになった時、奥さんが「あなたは私に苦労を掛けた。腎臓を悪くするのは心労によるものが多い。私がガンになったのはあなたのお陰だ。率直にそう思う。いいか?」と言ったという。それに対して金子さんは「俺もそう思う。苦労を掛けた。と半分笑い顔で話したのを覚えている。要するに、俺の責任だという事にして貰えれば一番さっぱりするでしょう。それで闘病して下さい。なにくそとと思ってやって下さい。という事だった。」・・・。そして夫婦の9年に亘る生きるための戦いが始まったという。

ふと、夫婦とは何か、と考えてしまう・・・。どのような状態が夫婦の良い状態なのか? もちろん解はない。
そういえば、我が家ではリタイア後に毎年カミさんと行っていた海外旅行も、だんだん面倒になってきて今年は行かなかった。もちろん海外旅行だけがカミさん孝行ではないが・・・
しかし「思い切り仕事に専念させてもらった」というこのご夫婦は羨ましい。我が家では、さしずめ「会社の仕事に逃げて、家の事を何もやらなかった勝手な人」という表現に変わるな・・・。たぶん・・・。

誰でも、人それぞれの“分”というものがある。決して隣の家が、または友人の家が“平均”ではない。それぞれ違って良い。
よって、まあ自分の場合も、“それなりに”常にカミさん孝行しているので、まあ後悔することはないと思う・・・。(←この記述は、たぶんカミさんにバレた途端に削除を強要されるな・・。ウソを書くな!と・・・)


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