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2010年11月21日 (日)

「三角コーナーの寿命」

先日読んだ朝日新聞の「ひととき」の記事がどうも気になる。ええい!書いてしまおう・・・。

三角コーナーの寿命
台所の流し台の隅で、小さな野菜くずや茶殻などをしっかりキャッチしてくれる「三角コーナー」。二十数年前に買い求めた銅製のものを大切に使い、一日の家事の終わりに毎晩磨いてきたのですが、1年ほど前から底が傷み始めました。細い銅線で繕いながらも、もうどうにもならず、先日新しいものと買い替えました。
夫と2人暮らしになったので少し小ぶりの、やはり同じ純銅製にしました。売り場で包みを受け取りながら、これからまた二十数年大切に使おうと思った途端、ハッとして、もうそんなに生きられないことに気づきました。
手のひらの上の小さなお勝手用品ひとつの、最後も見届けられないと思うと、一瞬、体の中を風が吹き抜け、デパートの明るい売り場の中で、立ちすくんでしまいました。
ひごろから、あまり長生きはしたくないと強く思い、夫ともども、延命治療は望まない旨をきちんと書き記してあります。日々淡々と過ごしているはずなのに、あの突然の慌てようは一体何なのだ、と笑ってしまいました。
新しい三角コーナーは、シンクによくなじみ、よく働いてくれているのですが、あの日から、ひとり荒野をさまようような感覚が、私の胸にすみついて、出ていかないのです。(東京都練馬区 田中裕子 主婦 74歳)」(2010/11/17付「朝日新聞」p35より)

誰でも一度や二度はドキッとする、この感覚・・・。

先日、NHKラジオ深夜便で「母を語る~エッセイスト 半藤末利子」(2010/11/16放送)を聞いた。半藤末利子さんは「昭和史」の半藤一利氏の奥さんであり、夏目漱石の孫だという。つまり父親は漱石の弟子だった松岡譲、母親は漱石の長女の筆子。この番組では、その母・筆子について語っていた。母は父にぞっこんで、父が亡くなってからの母の気落ちのありさまは凄まじく、こんなに人は変わるのか・・と思ったという。
誰も順番に去る。分かってはいるが、それが家族の話となると困ってしまう。よって、出来るだけそれらを意識の外に置こうとする。でもたまにそれらは現実の姿として、意識の中に現れる。そのキッカケが「三角コーナー」であったり・・、色々である。

そう。何に対してもシミュレーションは必要なこと。予想外の事が起きると人間は慌てる。そのときに慌てないためには、あらかじめそれを予期して、その対処方法を考えておかないといけない。遺書もそのひとつ。でも認めたくない・・。その起きるであろう現実を・・・。

何かこんな話を聞いて、いつになったら「その時」の準備を始めたらよいのか、段々と“(準備の)その時”が近づいてきているようで、何か襟元が寒くなった。
そうだ。我が家の家訓は「くさい物には蓋」だった・・・。まだ先でいいや・・・・


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コメント

最近、死んでも自分の意識は、そのままずっと続くと・・というような本がいくつかでています。嘘かホンマかは実際死んでみないとわかりませんが、私たちが生まれたということは、かってどこかに私たちがいたわけなんでしょうから、死ぬということについて、そうそう不安に思うこともないのでは・・と最近思っています。
 というのも小学校低学年で学校で習ってもいないのに大人もうなるほど歌や絵の上手い人達がいることを知ると、生まれ変わりというのが、なるほどと思うんですね。

【エムズの片割れより】
前に「91歳作詞家「丘灯至夫」が吼えた(2008年3月 4日)」という記事で、丘灯至夫作詞、小林亜星作曲の「あの世はパラダイス」について書きました。その歌詞は・・
「世の中さようなら おさらばすれば アアあの世というところ あの世というところ 誰も帰ってこないから 誰も戻って来ないから 楽しいところ素敵なところ・・・・」
http://emuzu-2.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/91_abc9.html

投稿: み~こ | 2010年11月22日 (月) 02:09

エムズ様へ
私の母親も「ひととき」の田中様と同じ、いやもっとすごい。年賀状に干支のスタンプがほしいと買い物に私を連れ出したのですが、兎だけでは、もったいない十二支すべてセットならずっと使えるとおっしゃる。もう九十歳になるのに。

【エムズの片割れより】
実に羨ましい。自分もそんな発想が好きですね。
自分に不都合な先の事は考えない。それで良いのでは?

投稿: wolfy | 2010年11月22日 (月) 08:46

はじめましてfullmoon
身につまされるコメントの数々
参考にしつつ拝読しております。
ある病で全身麻酔の経験を持ったわたしは
覚醒に際して死とはこういうものかも、、と
思うところがありました。
まあ、細かいところはご勘弁。sun
いまは、誰の言葉でしたか、、
「、、、現在の運命に従順して懸命に精進するべし。」
の心境。sun

【エムズの片割れより】
自分など何の経験もない、世間知らず・・・。でも正直、あまり経験したくないな・・・。
それに引き替え、ウチの親父は、一度の入院の経験もないまま麻雀をやりながら80歳で脳溢血でポックリ。自分もあやかりたいが・・・

投稿: soft | 2010年11月22日 (月) 19:48

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