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2010年9月25日 (土)

映画「キャタピラー」を観る

カミさんに誘われて、今日、映画「キャタピラー」(これ)を観てきた。何とも感想が難しい映画だった。「キャタピラー」=「芋虫」・・・・。そう、戦争で四肢を無くした夫と妻の物語。

Image05211 太平洋戦争末期、勇んで戦争に行った久蔵は、四肢を無くし、顔は焼けただれ、聞こえず話せず、という状態で帰ってきた。父親は「こんな姿で返されても・・・」。そして妹は「義姉を実家に返さなくて良かった・・」と世話を妻に押しつけ、去る家族。軍神とたたえられ、勲章と自分のことをたたえた新聞記事だけを誇りに生きる久蔵。しかし毎日は、食べて寝て、食べて寝て・・・・

しかし「軍神の妻」として生きるシゲ子(寺島しのぶ)はけなげに振る舞うが、段々と目覚めてくる。「軍神って何だ・・・」。出征する前、子を産めない事で暴力を振るわれていた事を思い出し、“もう怖くは無い・・・”と。そして久蔵は、自分が戦地で犯し、殺した女性の事を思い出し、精神がおかしくなってくる。そして敗戦・・。心の支えを失った久蔵は、芋虫のように這いずりながら、池に身を投げて死ぬ。

カミさんに、なぜこの映画を誘ったのかを聞くと、(前から言っているように自分はミーハーなので)寺島しのぶが第60回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞したというので、自分が“乗る”と思ったのだという。でも、だからと言って面白いかというとそれは別。この映画は、決して面白い映画ではない。画面は暗く、全体が重苦しい。停電で電灯の消えた戦争中の田舎の家が舞台なので、それは仕方がない。
物語としても、別にダイナミックな謎解きがある訳でもなく、孤独な夫婦の生活が単調に続くだけ。

映画を見終わって、ふと、こんな体で日本に帰れた人がどの位居るのだろう?と思った。沖縄戦もそうだが、撤退する時は、足手まといの傷病兵は容赦なく殺した、と聞いていたので・・。まさに四肢がない兵隊が本当に帰れたのだろうかと・・・。
それと、四肢がない人間をどうやって撮影したのだろう。特撮としてもなかなか難しい。

とにかく、何とも感想が難しい映画だった。前に「殯(もがり)の森」という映画を見た時と同じような感じ・・・。

ところで、このような状況は、実は日常的に我々にも有り得る。夫が、そして妻が、脳溢血で四肢が不自由になる事は幾らでも有り得る。それに、糖尿病で足を切る事も有り得る。
そんなとき、夫婦はそれをどう乗り越えるのか。そんな観点でこの映画を見ると、また別の味わいが出てくる。そんな意味では、この映画は反戦映画であると共に、夫婦のあり方を描いた作品なのかも知れない。

映画の後、自分が将来芋虫になっても、何とか面倒を見てくれるとカミさんが言うので、とりあえずは安心した。ホントウだと信じているが・・・


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コメント

昔、といっても私たちの若い頃ですが、「ジョニーは戦場へ行った」という映画がありましたね。やはり同じ趣旨のことを扱った作品ですが、いまだに印象は強烈でよくおぼえています。エムズさん、ご存知ありませんか?

【エムズの片割れより】
知りませんでした。Netであらすじを読むと、凄まじいですね。しかし戦争以外でも、難病等、我々にとっても別世界の出来事では無いような気がします。

投稿: み~こ | 2010年9月26日 (日) 08:16

エムズの片割れ様へ
エムズ様は、みーこ様の言う「ジョニー」を念頭に置いているのではなく、乱歩の「芋虫」を思い描いているのでは、ありませんか?

【エムズの片割れより】
Netで読むと、この作品は乱歩の「芋虫」からヒントを得たが、色々あってオリジナル作品となったらしいですね。

投稿: wolfy | 2010年9月26日 (日) 14:36

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