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2010年8月23日 (月)

手仕事屋きち兵衛の「ふる里景色」

連日、暑い日が続いている。今朝の朝日新聞のトップは「炎暑延々」。見出しの文字を見ただけで気分的に暑くなってしまう。今日は、ビッグニュースが無かったのか、それとも猛暑がビッグニュースに育ったのか・・・
猛暑の影響で、老人の熱中症での死亡記事も多い。同じ紙面の社会面には「エアコン嫌い 死の危険~“風が体に悪い”熱中症に」という記事まである。
茨城の田舎で一人暮らしをしているお袋に電話をして、「老人は暑さに鈍感なので、良く水分を採ってエアコン付けなけりゃ」と言うと、「エアコンはキライ。茶の間の北に面している庭に大きな木があるので、とても涼しい」という。相変わらずエアコンを付ける気配はない。
これはどの老人世帯でも同じ傾向なのは、先の新聞にある通り。近くの一人住まいのおばあさんも、エアコンは付けないという。だからカミさんが遊びに行っても、連れて行ったメイ子(ペットの犬)の方が先に音を上げて、早々に退散するという。

同じ紙面の「天声人語」にもこんな文字が・・・
「言葉ひとつにも暑苦しいものと涼やかなものがある。「深窓の佳人」などと聞けば、それだけで体感温度はやや下がる。たとえば避暑地の、緑の木立に開いた窓を思えば、佳人の姿はさておき涼気にふれる心地がする。そんな窓とは縁遠い「浅窓の中年」だが、せめてもの涼をと「緑のカーテン」を育ててみた。5月に植えたヒョウタンがネットを這(は)って窓を覆っている。ハート形の葉が重なって日差しを和らげてくれる。浅緑色の実がぶら下がり、グラマーな曲線美に気分もなごむ。気分だけでなく、実際に温度も低くなる。吸い上げた水分を葉っぱから蒸散させ、周囲の熱を奪ってくれる。サツマイモを約100平方メートル植えると、1時間あたりの冷却能力は6畳用エアコン10台分という試算もあるそうだから、植物を侮れない。・・・・」(2010/08/23付「朝日新聞」天声人語より)

確かに、「木の下なので涼しい」という田舎のお袋の言葉は、どうも本当らしい・・。

そんな夏の風物詩を描いた歌が、手仕事屋きち兵衛さんの「ふる里景色」。何とも情緒がある歌である。「風暦」というアルバムにも入っているが、今日はレアなアルバム「風景色」の録音から・・・

<手仕事屋きち兵衛の「ふる里景色」>

「ふる里景色」
  作詞:
池田充男
  
作曲:手仕事屋きち兵衛

朝顔垣根に夏の色
つるべはするする水を汲む
むぎわら帽子の影ふたつ
井戸から西瓜をひき上げる

ほうほう蛍 蛍を追って
遊んだふる里 夢のなか 遠い空
水車がコットン 麦をひく

みなとの坂みち まつり笛
小舟の白帆が 見えかくれ
手ぬぐい母さん 網干し場
ちいさな背中に 秋の風

ちんちん千鳥 千鳥が鳴いて
親よぶその声 夢のなか 遠い波
灯台ぴかりと 沖を指す

てんてん手まり 手まりをついて
遊んだ寺町 夢のなか 遠い里
粉雪ちらちら 竹に舞う

この歌詞に出てくる「つるべ」は既に死語かも・・・? ふと、前に挙げた小柳ルミ子の「ゆうぐれの里」という歌を思い出した(ここ)。
「つるべ井戸からくみ上げた 冷たい水はもう秋の色・・・・」

秋が恋しいこの頃だが、意外と秋は短い。直ぐに冬になってしまう。印象的に言うと、9月は暑いが11月はもう寒い。春は、3月は寒いが6月はもう暑い。つまり「暑い」「寒い」という言葉が出ないのは、4,5,10月の3ヶ月位しかないようだ。
なぜか・・・。これは紙に正弦波を描いてみると直ぐに分かる。つまりこれ以上の温度は暑い、これ以下の温度は寒い、と横に線を引いてみると、その間に入った快適な期間は意外と短いことが直ぐ分かる。海洋性気候で寒暖の変化が少ない地域では快適な期間が多いし、逆に高地や砂漠など、寒暖の差が大きい地域では快適な時期はあっという間に過ぎてしまう。
暑いと言っては文句を言い、寒いと言っては文句を言う。何ともわがままな人間さまである。まあこんな歌でも聴きながら、秋を待つ事としよう。

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コメント

長男が今年はゴーヤを植えてみよう、と言って、南窓下にプランターを置いて種まきをしました。去年までは葦簀を張っていたのですが、今、それこそ涼やかに葉を広げ枝を伸ばしています。花も実もつけています。ああ、いいもんだ、と日の光に透かしたり、雨粒の滴り落ちるのを見たり、風にそよぐのを見たりしています。同じようにしているお家も目に入ってきました。実際の体感よりも、目からの冷涼感が強く、とてもいいことだなと思います。手仕事屋きち兵衛さんの声の伸びやかな冷涼感も、確かに猛暑の夏にぴったりかな!安曇野、ふる里景色、生きている悲しみ、ふる里に帰りたい、印象派、木更津にて、忘れ雪をセットにして、よく歌っています。

投稿: 三山sanzan | 2010年8月24日 (火) 02:30

エムズの片割れ様へ
そろそろ、食欲の秋です。
エムズ様の食欲のお話を聞きたいものです。

【エムズの片割れより】
最近は野菜ばっかり・・・。“肉”もどきで誤魔化されて・・・。だから食事のたびに「こりゃ何だ?」が口癖・・・。肉に見えても、中身を確認しないと信用出来ない・・・。
先日も、メンチカツを揚げたら、中身は魚だった・・・・。よってあまり話題はないですね~~

投稿: wolfy | 2010年8月24日 (火) 08:33

本当にこの夏は猛暑続きですね。
私など熱中症で死にたくないですから・・・、しっかりクーラー漬けです。
先日、エムズの片割れさんのお母さまと似た様な話?と言ってもロシアの話を聞いたばかりでした。
娘の友人でアメリカ在住のロシア人の女性が先日我が家に来ました。そのときの話で、この夏はロシアでも39度(テレビでも報道されていました)もあるという。元来そんなに暑くないロシアだから、クーラーなんて何処の家にもついているとはいえないでしょうと聴いたら・・・、「実家にはクーラーが無い。お父さんの会社にもクーラーが無い。お父さんの車にもクーラーはついていない。お父さんに、エアコンを付けたらと勧めているんだけれどいくら言っても、『エアコン(の効果)が身体にいいということは信じられない』というの。」と言っていました。(そうだろうなぁー!)
地球温暖化?それでも、木々に囲まれた家に住んでいれば幾分涼しいですが、ヒートアイランドのマンション住まいの場合はこの暑さはクーラーなしではいられないでしょうね。
それでも、ここ2.3日は少し暑さも和らいだ感が!

「ふる里景色」、この季節にぴったりのきち兵衛さんの歌ですね。
この歌を聴いていると、爽やかな歌声と共に、目の前に来ている秋、それから冬がイメージされて涼しく感じます。こういうのを「清涼感!」というのでしょうか?(三山さんは、「冷涼感」と書かれていますね。そちらの方が的確かな。)
そしてこの歌は、子供の頃の田舎の原風景が思い出されて、初めて聴いた時からなぜか昔から聴いていたような懐かしい気がする曲です。掲載ありがとうございます。

投稿: ジャン | 2010年8月24日 (火) 10:22

ジャン様
やはり清涼感でしょうね。でも、なぜかれいりょうって打ったらそのまま出たので、まんざら造語でもないのかと、そのままにしてしまったまでです。ロシアのお話、なるほど、酒飲んで水に飛び込むくらいしか逃げようがないのか、と不謹慎ながら妙に納得してしまいました。悲劇もたくさんあったようでお気の毒ですが。

投稿: 三山sanzan | 2010年8月24日 (火) 18:59

イヤァ! やはりこう暑いと「求む冷涼感」でしょう。
今の時期、処暑の当日に「ふる里景色」の歌を載せてくださって、今、聴いたあとの感覚(本を読んだ後なら読後感ですが何と言うのでしょう。)は、まさしく「冷涼感」。的を射た表現だと思います。三山さまの書かれた方に賛同です。広辞苑にも「冷涼」ありますから。「秋気冷涼」と出ています。まさしく今にピッタリです。教えていただいてありがとうございます。
夏の着物の柄に、わざわざ「雪輪文様」を持ってきて涼を表す、そんな日本人の美意識がふと思い出されました。
三山さま、エムズの片割れ様、いかがでしょうか?

投稿: ジャン | 2010年8月24日 (火) 22:20

エムズの片割れ様の「炎暑延々」から「深窓の佳人」「緑のカーテン」へと繋がるお話、さらにきち兵衛さんの「ふる里景色」へと続く流れに、わくわくぞくぞくしていたら、ひょんな一言からジャン様とも会話が出来、パソコンも捨てたもんじゃないぞ、と不得手ながら少し自信と楽しさが湧いてきました。ありがとうございます。雪輪って雪の結晶のことなんですね。検索して初耳、初見です。伝統的な衣装、陶器の世界にまで連れてきてもらっちゃいました。日本人、日本文化は奥が深いですね。世界に冠たる日本、くらいに、でっかく自信を持ちましょう。炎暑のお陰でもあります。

投稿: 三山sanzan | 2010年8月25日 (水) 04:33

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