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2010年8月30日 (月)

ある大学の同窓生で作る文集「むつごろう⑥」を読む

ある知人から、「大学のクラス(同窓生)で文集を作っているが、今回第6集が出た。同じクラスの出身者がリタイアして色々な道を歩んでいるので、“エンジニアのその後の色々な生き方”を知る意味で読んでみないか・・・」と全6冊の文集を借りた。
Image04981 前から聞いていたが、卒業後43年経った同じ大学のクラス(工学部電気工学科)のメンバーが、それぞれリタイア時期を迎えて、また集まり出したのだという。そして、年に1回、皆がエッセイを書いて「むつごろう」という題のクラス会誌(文集)にまとめて配る事になり、今年で6冊目になったとか。
巻頭言を読むと、20年続けるのだそうだ。あと14年・・・・。今回はとりあえず最新刊の第6号を読んでみた。13人の方が、それぞれ自由な題で文を寄せている。今日はその感想である。

昭和42年卒の某大学電気工学科のクラスなので、皆エンジニアの道を歩んだはず・・・なのだが、リタイアして書いている内容は、いたって自由。それぞれの“その後”の人生が映し出されていて面白い。
それを、勝手な読み手(自分)がこんな順番を作ってみた。自分が感じた“面白さ”順位である。

<金賞>「日々雑感」E.K氏
この記事は、筆者が毎週発行している「経済レポート」にある文を“編者が勝手に選んだ”そうだ。週単位で書かれている短い日々のエッセイが実に軽妙で愉快だ。筆者に無断だが、その中の“傑作”を抜粋してみる。
「2010年5月 私の携帯は女房としか通信しない。それも、家にいるときは離れた所に置きっぱなしだからまず出られない。留守電を開くと、女房の怒り声が入っていることが多い。昨日は女房は娘と猫の入院先に出かけた。私は夕方、買い物に出た。出先で携帯を見ると、着信記録がある。折り返し電話しても病院だから繋がらない。留守電があった。「出掛けるのが面倒だから、買い物をしてきてよ」と言う。本人も出掛けているのに変だなぁ。「豚汁にするから具材を買ってきて」という。今日は暑いのに変だなぁ。しかし、買っていかないと夕飯は食わせてもらえないから、従順に買い込んだ。帰る途中、電話が掛かってきた。「何の用?私は電話なんかしてないよ。一体いつの留守電を見たの?携帯も使えないの。馬鹿じゃないか!」豆腐は冷ややっことなって俺の口に入った。」

この方は、まさにblog的な(?)書き方で、実に完成されている。奥さんがホントウにそう言ったかどうかは定かではないが、そのウィットが何とも楽しい。その生活ぶりが目に浮かぶ。その続きが読みたくなる。よって「金賞」である。

(これ以降は具体的な文がないので分かりづらいが、まあこんな内容の文章だ、ということで・・)
<銀賞>「城塞都市「鎌倉城」への熱き思い」M.F氏
鎌倉を散歩しながら、その歴史的背景などを案内してくる。当サイトのコンセプトである「ヘエー」の連続。自分もよく鎌倉には行ったので、色々と鎌倉の風景を思い出しながら、読んでいて楽しめた。そして、もう一度鎌倉に行きたくなった。
「ヘエー」が多かったので「銀賞」。

<銅賞>「近況、諸事雑感」S.N氏
「四国歩き遍路」についての体験記。これも読んでいて面白かった。「特別の宗教心は無い」という筆者。それでも数回に区切って、今年は64番(前神寺)まで来たとか・・・。自分も、ある意味“羨望”なのだが、とてもその気にはなっていない。
たまたま自分の興味と合ったので「銅賞」。

<銅賞>「マーガレット・ミッチェル著“風と共に去りぬ”」K.I氏
25~30年ほど前にロンドンで6ドル10セントで買った1000ページの原書を、正味半年強をかけて読んだという。その小説の原書の内容と、映画の脚色との違いなどを13項目に分けて解説している。映画「風と共に去りぬ」が好きな人にとっては「ヘエー」の連続だろう・・・。自分は今回は走り読みだったが、その内に映画を見ながら、再読してみたい。DVDは持っているので・・・。よって(?)「銅賞」。

<番外賞>「光市事件」N.M氏
異色の工学部出身の弁護士さんの力作。有名な「光市母子殺害事件」について解説し、社会正義について、そして死刑について論じている。少し“くさい”(格好の付け過ぎ)なのと、長文なのが少し難点だが、“頑張って”読んでいくと、ついその世界に引き込まれてしまう。事実の重さである。まあエンジニア崩れ(?)の素人に、法律の世界を紹介しようとする姿勢はいちおう評価出来る。次回はもう少し肩の力を抜いて・・・。他の人の文章に比べて異色であるが“力作”なので「番外賞」。

その他、「市の国際交流」についての記事、「男の料理」、「21世紀の日本を考え」たり、「哲学」を勉強したり・・・。はたまた「アインシュタイン」が出てきたり、「東京散歩」をしてみたり、「南十字星」の見つけ方や、改めて「大学の法学部」に入り、その卒業論文を紹介したり・・・、と内容はまさに多彩・・・。

ところで、そもそもここに寄せるエッセイの“スタンス”は何だろう? 自由に文を寄せる主旨は分かる。しかし、これらの文を読んでみると、人によってそのスタンスがかなりバラついている。もちろん自由投稿なので、それは良いのだが、読む身になって考えてみると、「面白い!」記事と、「パス!」と飛ばしてしまう記事に分かれてしまう。

まあ「自分が書きたい事」を勝手気ままに書くのも良いが、せっかく配布するので、「読んでもらう」事を意識して書いた方が、読み手も楽しい・・・(特に哲学の話は、素人には難しかった)

工学部は、他の学部と違って、かなりの確率でメーカーに就職する。電気工学部は電機メーカーに・・。しかし、リタイア後はそれぞれの人生の辻褄合わせ(?)のために、フリーになった(老後の)時間を使う。つまり、自分が今まで出来なかった事に時間を費やす。この文集は、“その色々”が垣間見られて、何とも興味深い。

でもこのような活動は羨ましい・・。65歳世代と言うが、6回目の発行というのでスタートは60歳還暦のとき・・・。(自分は既にその年は過ぎた・・・)
かくいう自分も工学部。しかし卒業以来、集まった事はない。言い出しっぺが居ない事もある。でもそれだけクラスの結束が弱かった証なので、これは仕方がない。
あと5冊ある。せっかくなので順に読んで行こう。当blogのコンセプト(=“サンデー毎日”になったらどうする?)に、少しはヒントを与えてくれるかも知れないので・・・


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