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2010年8月10日 (火)

戦争とリベラリズム~清沢洌

先の戦争で、マスコミなどによって踊らされた日本人の国民性について知りたいと思っていたが、今朝の新聞に、リベラリズム(自由主義)についての記事があった。曰く・・・

この戦争において現れた最も大きな事実は、日本の教育の欠陥だ
“戦争と言論人③”  清沢洌(きよさわ・きよし)
日本の敗色がいよいよ濃くなってきた1944年(昭和19年)3月16日、清沢洌は日記(「暗黒日記」)に日本を滅ぼすものは「信じ得ざるまでの観念主義、形式主義」の教育であると書いた。
Image04931 清沢は35年の論文「現代日本論」でも、「注入主義の教育は、何が善であり、何が悪であるかということを内容も検討せずに教え込む」「詰め込み教育の危険なのは、物を批判的に見ず、ある既成概念を固守する結果、社会的に討議して、漸進的進歩の道をとるということが困難だ」と日本の教育について批判している。
・・・・
「清沢さんにとって、人間に一番大切なことは自由と幸福を追求すること。それを阻む戦争には徹底して反対だった」
清沢は軍国主義一色に染まりつつある当時の新聞も批判した。「日本の新聞の欠乏しておるものは、リベラリズムの立場がないこと」「リベラリズムのない国の新聞というものは、とにかく一つのサイドのニュースしか伝え得ない」「ジャーナリズムだけには両方の立場を公平に報道するというリベラリズムが必要である」(34年講演)
・・・・・
しかし、日本は多様な意見を容認しない、清沢の理想と正反対の偏狭な社会になっていく。41年2月、清沢は内閣情報局によって「意見の発表を禁止すべき人物」にリストアップされ、発言の機会を封じられる。
いずれ日本は敗北すると確信した清沢は、戦後に発表するための資料として戦時の日本社会、日本人の姿を日記に活写していく。対米戦にあたって、米国通を活用するどころか迫害する知識軽視の軍部や一つの考え方しか持てない国民を厳しく批判する。
「世界歴史において一国の政治が、かくのごとく低級無知なる人間の一団の手に落ちたる例ありや」、「元来が、批判なしに信ずる習癖をつけてこられた日本人」
45年5月21日、清沢は戦後を見ることなく、肺炎のため55歳で急逝する。死の4ヶ月前の日記には戦後日本への遺言のような言葉がある。
「言論の自由が行われれば日本は良くなるのではないか。来るべき秩序においては、元老の自由だけは確保しなくてはならぬ」  」(2010/08/10付「日経新聞」p38より)

前に「仏教界の戦争協力」という記事を書いた。(ここ
「戦争は罪悪。この戦争は侵略である」と説き、検挙された真宗大谷派の高僧・竹中彰元についての話。
未だに理解できない仏教界の戦争協力・・。つまり、当時の日本の社会全体が、“戦争への道”以外の意見を封じる世論だったのだろう。そんな中でこの清沢の意見も封じられた。
その無批判の風土を、清沢は教育の欠陥だという。確かに北朝鮮や中国を見ても、教育と情報遮断によって国が国民を操作しているようにも見える。
しかし国民も頭の中は自由。たぶん日本人も、多くの人が戦争に対する批判はしていたのだろう。ただ口に出せなかった。その環境の中で、戦争反対は、“革命”にも通じる勇気、行動が必要だったのだろう。だから誰も言えなかった。そして結果的にアメリカの手によって“革命”はなされた・・・・。
そして解き放たれた(?)学校の先生は、一夜にして“正しい戦争”から“誤った戦争”と、平然と生徒に教える言葉を変えた。

無批判に付和雷同する日本人の国民性・・・・。それが分からない。
先日のニュースで(ここ)韓国人の日本嫌いは71%に達していると言っていた。豊臣秀吉以来の日本の侵略行動を見れば、これは当然の結果。
中国でも、先生が「永遠に忘れないで下さい。1937年の今日は『国恥』の日でした」と盧溝橋事件を生徒に教えていた(ここ)。

それに引き替え、日本人は原爆で20万人を殺された直後でも「ギブミー、チョコレート」・・
これらを“節操がない”と捉えるか、“人がいい”と捉えるか・・・

天皇陛下バンザイと言って戦争で亡くなって行った人々は、戦後の日本人の無節操な行動を、どう見ているのだろう・・・


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コメント

確かに一夜にして「誤った戦争」になってしまった変わり身の早さには驚きもあるかもしえませんが、勝ち目のない戦争に疲れ果てていた国民感情が噴出したのではないかと思います。衣食住が無くなってしまった国民としては当然のことではないでしょうか。ただ、良いこともあります。恨みを持たない事です。アメリカやソ連に恨みを抱いたとしたら、中東の国々のように報復の連鎖になってしまいます。果てることの無い戦は国民自身が不幸になってしまいます。「万物流転」の思想で前向きに生きる方が得策です。
最も日本に本物のリベラリストは育ちにくいかもしれませんね。黄門様の印籠に土下座するドラマが大好きな国民性ですからねぇ。

【エムズの片割れより】
確かに恨みがないのは良いことですね。だから宗教戦争もない・・。ウガンダのツチ族とフツ族の戦いや、中東などでの戦争をみても、日本の平和は素晴らしい。例えそこに意地がないとしても・・

投稿: 白萩 | 2010年8月14日 (土) 23:57

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