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2010年8月20日 (金)

「GM、スピード再建~企業再生に何が必要か?」

今朝の日経新聞の記事「GM、スピード再建~再上場を申請」の解説記事「企業再生に何が必要か」を読んで、なるほど・・と思った。曰く・・・

業再生に何が必要か~資金・指導力・危機感の3点
米ゼネラルモーターズ(GM)が予想以上のスピード再生を果たしつつあるかが、企業再生の必要条件は何だろうか。米IBMや日産自動車など一度は転落しながら、後に復活を果たした企業を振り返ると、3つの要素が浮かび上がる。すなわち「潤沢な再建資金」「強力な指導者」そして「組織全体の危機感の共有」の3点セットだ。
再建資金についてはGMの場合、強力無比のスポンサーがついた。巨大企業の破綻で景気の底割れを恐れる米政府である。オバマ大統領はホワイトハウスに自動車産業再生に向けたチームをつくり、約500億ドルの公的支援に踏み切った。
だが、カネだけでは企業の「延命」はできても、「再生」はしない。AT & T出身のウィッテーカーGM会長は「自動車の素人」とやゆされつつも、時に強力なまでのリーダーシップを発揮し、自己満足に陥りがちなGMの企業文化の改革を進めた。過去1年で上級幹部13人のうち12人を入れ替えたという。
そして最後の条件が組織全体への危機感の浸透だ。外部から起用されたトップがいくら改革の旗を振っても、社員が危機感を共有していなければ、改革は空回りし、最悪の場合、内紛が起こる。カネボウ出身の会長を迎え入れた1980年代の日本航空(JAL)がその典型だろう。
対してカルロス・ゴーン社長率いる日産やルイス・ガースナー会長が就任した直後の米IBMは「破綻の瀬戸際」という認識が社員に浸透し、改革への抵抗勢力は皆無に近かった。「危機感の欠如」がいわれ続けたGMでも労働組合が退職者向け給付で大幅に譲歩するなど、関係者の危機意識は確実に高まっていた。
GMの上場申請は脱国有化に向けた第一歩であり、金融危機の影響で政府依存を強めた産業界の再而立化という意味でも重要だ。GMと同じく公的支援の下で再建を目指す日航の前途に再び注目が集まるだろう。(編集委員 西條都夫)」(2010/08/20付「日経新聞」p9より)

この解説は実に分かり易い。資金が回らなければ会社は潰れる。それはそうだ。そして強力な指導者がいないと、会社がどっちの方向に向かうか、迷走してしまう。そして底力としての社員の危機感・・・。
思い出すと、GMを破産に追い込んだ最大の元凶は 巨額の会社負担を伴う手厚い企業年金制度と医療費(健康保険給付)であった。当時(2009年6月)、これらの見直しに組合が権利を主張して同意せず、破産の道に突入していったと記憶している。それが、“労働組合が退職者向け給付で大幅に譲歩した”とある。JALの場合も、アメリカの航空会社(UA)の場合も、現実に破綻するまで自分たちの既得権を主張する。破綻してしまっては、元も子もない、と思うのは外野ばかり・・・。そして、破綻して初めて現実を知り(?)、やっと団結する・・・。

これらは、多数の人間が納得する事の大変さを表している。たとえ労組の幹部が、当時仕方がないと判断していたとしても、それを全組合員に納得させることは不可能だったのだろう。結局、レガシーコストの削減を全員に納得させるためには、破綻して納得させるしか方法は無かった・・・。

ふと先の戦争を思い出した。「開戦しない限り、軍で暴動が起きるかも知れなかった」と、開戦を決めた軍の幹部がTVで言っていた。終戦の時も同じ。軍のトップは、負けを認めるしか無いと思っていても、軍の全員に対してそれを言い出すことが出来なかった。それで天皇のご判断を・・・として逃げた・・・

実は、世の中の全てがそうだ。行け行けドンドンの場合は、誰も苦労はしない。反対もしない。しかし、撤退のようなネガティブな判断は、誰もが逃げる。先送りをする。
つまり、“組織全員の合意”は、地獄を見せなければ不可能か・・?
・・・とすると、日本の財政破綻、少子高齢化による国力の疲弊など、日本国民が地獄を見るまで、何も手を打てないのだろうか・・・
いや待てよ? 日本の指導者が国民に対して、「早くこうしないと、こうなってしまうぞ」と判断を仰いだ事があっただろうか?そんな争点の選挙は覚えがないな・・・

つまり日本の場合、さっきの「資金」「指導力」「危機感」の3点のうち、決定的に「指導者」が不足している事は、誰もが認めるところ。
戦後の日本を引っ張った吉田茂、所得倍増計画の池田勇人、色々あったが“コンピューター付きブルドーザー”の田中角栄・・・・。国民はそれらに匹敵する強力な指導者を求めている。
しかし今日のニュースでは、軽井沢での民主党幹部の宴会の模様が流れていた。国民の意思である選挙結果ではなく、単なる党内手続きの総裁選で国のトップが選ばれる仕組みの理不尽さを、特に感じるこの頃である。


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コメント

GMの再上場のスピードの源泉は「会社分割」です。

【エムズの片割れより】
そうなんですか・・・。

投稿: 長手泰樹 | 2013年2月23日 (土) 18:24

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