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2010年6月21日 (月)

疫病を前に~人間の究極のエゴイズム

先日に続いて、雑誌「大法輪」の特集「死」(ここ)からの話題。

黒死病と死
 「黒色か鉛色の斑点」が、体の至る所に現れてくる。これこそ、「死の到来のきわめて確実な徴候」であった。その「徴候」から「3日以内」に、「大部分の者」が「まるで畜生のように」死んでいった。そして至る所の教会に、毎日、毎時間、「おびただしい数の死体」が続々と運ばれた。中世イタリアの作家ボッカチオの顰(ひそみ)に倣(なら)えば、黒死病(ペスト)に襲われたフィレンツェの悲惨な状況をこう記すことができよう。
 18世紀に至るまでヨーロッパ各地で大量の死者を出した疫病、それが黒死病である。小説『デカメロン』のなかでボッカチオは、1348年のフィレンツェにおける黒死病大流行の様子を詳細に記述している。黒死病と死――その状況が生み出したものとは。それはボッカチオ自身も目にした、「生き残っている」人々にみられる、これまでの道徳的・宗教的規範の根本を揺るがすような奇妙な態度である。罹病への恐怖ゆえ、瀕死の妻や子供をまるで自分と関係ないかのように見捨てる者。近所付き合いを一切絶つ者。節度をわきまえず享楽に走り、自分の欲望を満たすことで疫病に対抗できるとする者。自分以外のことは何も構わず、身内や財産を捨てて田舎に逃げる者。多くの研究書で指摘されているように、単なる疫病への恐怖心という次元を超え、死を免れどうにかして生き延びたいという欲求からくる、人間の究極のエゴイズムの有様をそこに見出すことができる。
 果たしてこのような残酷極まりない人間の行為を、冷酷だと糾弾できるだろうか。じじつ「死」が日常の光景であったその当時、人々はこの行為をなすことによってのみ自分を守ることができると信じていた。死ぬか、罹病するか・・・・人々が信じたのは、「神」でもなく、「法律」でもない。疫病から逃れ、自分の健康を守るために効果的だと信じてなす自らの行為のみであった。
 究極のエゴイズム――それは黒死病と死の間を生き抜いていくための一番安全な手段だったわけだが、そこにこそ「死を想え」ということばが重みを持ってくる。自己の生存とモラルとの葛藤を際立たせた黒死病は、あらためて死の意味を問いかけるものだったといえる。(酒井紀幸)」(「大法輪」2010年7月号p86より)

話は飛ぶが、先日のNHKラジオ深夜便のインタビュー・スペシャル「わたしと“人間・親鸞”~作家・五木寛之」(2010/06/13~14放送)を聞いた。
五木さん自身、戦後、平壌からの引き上げに際し、人を押しのけて帰ってきた負い目が未だにあるという。つまり、“お先にどうぞ”という人は、生きて日本には帰れなかった・・・・
生きるか死ぬか。その究極の状況に置いては、人は獣になる。防空壕でも同じ。一杯で入れない時は、誰かが入ろうとしても蹴飛ばして入れまいとする。逆に、足を引っ張って、中にいる人を外に放り出し、自分が代わりに入ろうとする人も・・・・
親鸞は、「それでもいいんだ・・・」という“救い”を庶民に与えたという。

また話が飛ぶが、「お先にどうぞ」では、今朝こんな事があった。たまに行く駅前のドーナツ屋。店に入ると前に2人並んでいた。1人目が簡単に終わり、2人目のキレイな女性は、何か違う。店員とのやりとりを聞いていると、レシートを出して、ポイントを記入することと、それとは別に10枚位のレシートを出して領収書を書いてくれと頼んでいるみたい・・。40歳位の女性店員が、待っている自分を気にして、「次のお客さんを先にして良いですか?」と聞くと「私も順番を待っていた」とキレイな女性は言う。仕方なく店員は、電卓を出して合計を計算して領収書を作っていた。その中でも「お返事を頂けなかったので・・・」とかの“厳しく”、しかし丁寧な言葉が飛び交っていた。最後に「これからは貯めないで持ってきて下さい」と店員が言うと、キレイな女性は「レシートの日付を良く見て下さい。ここ1週間位で、貯めていません」「それは失礼しました」・・・・
言葉は丁寧だが、キレイな女性たちの“火花が散った”やりとりに、自分は帰ろうかなと・・・・

これらを見るに、女性は強い。自分など、「どうぞお先に」と言うだけでなく、「何時頃に来たら空いていますか?」と聞いて、出直すかも・・・。
さっきの五木寛之さんの話ではないが、大陸からの引き上げも、男だけだったら帰れなかったかも・・・
でもこんな事は、女性にとって“ごく普通のこと”、という話もある。

話は戻るが、自分が疫病の真ん中に放り出された時、疫病が移ることを覚悟しても、本当に家族を看病するか?あるいは、防空壕で他人のために場所を譲るか??

朝の通勤電車での席取り合戦では譲らないけど、家族が死の疫病の時は、自分はその疫病が移るのもいとわず、当然看病すると思う。絶対に・・・!! 必ず・・・! 迷わず・・・? 多分・・???
(でも逃げたらゴメン! まあそれは、自分も凡人だったという事さ・・・)

(付録)薬の副作用・・・
(土)に風邪で近くの医院に行ったが、「微熱と咳」と言ったら、薬の山・・・。抗生剤と、熱止め、咳止め、喉の薬、総合感冒薬、それに胃の薬に加えて熱冷ましの頓服まで、何と7種類の5日分。これだけくれて初診なのに1430円は安い!でもちょうど一日分、3回飲んでダウン。薬の副作用でフラフラ。舌は真っ白。薬を止めて1日半でやっと元に戻った。薬は怖い・・・・
風邪で声がしゃがれたため、今日はパソコンの「音声認識・音声入力のソフト」(これ)の動きが悪い・・・!??


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