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2010年5月14日 (金)

フルトヴェングラーの「運命」:独グラモフォンの疑似ステレオ盤

鈍感な自分も、たまにピンと来る時がある。前から手に入れたいと思っていたフルトヴェングラーの「運命」の、1947年5月27日録音の独グラモフォン(DG)の疑似ステImg_24111 レオ盤。これが手に入ったのだ・・・。
この)サイトで知った疑似ステレオ盤のLP番号。先日、ふとGoogleで「SLGM-1439」を検索したら、何と引っ掛かった。通販に出ている。1968年発売のこのLPがどんな品質かは分からないが、1470円で送料が630円、計2100円で送ってくれるという。即注文。そのLPが今日着いた。その音がこれだ・・。(写真はクリックで拡大)

<フルトヴェングラー/ベルリン・フィルの「運命」>
 (1947年 5月27日録音 DGの疑似ステレオ盤)

Image04431 フルトヴェングラーの演奏の疑似ステレオ化は、EMIの十八番かと思っていたが、ドイツ・グラモフォン(DG)でもやっていた。それを初めて聞いた。LPのジャケットも堂々と「ステレオ」と表示されている。この音、EMI盤に比べてどうだろう・・・・

第一印象は、やはりアナログレコードだ・・・・。スクラッチノイズが多い。もう42年も前のLP。それが見つかって、今ここにあること自体が奇跡なのかも知れない。しかもこの音はこのレコードしか聴けない。それだけに有り難い音なのだが、やはり針の雑音が気になる・・・・

Image04432 世の人は、ピュアなオリジナルのモノで聞くのが正しい、と言うだろう。しかし、誰が何と言おうと、自分はステレオ音源の方が聞きやすい。
1947年のこの演奏も、あと2週間で63歳の誕生日を迎える(おっと自分が生まれた年だ・・)。この有名な演奏も、このDGの疑似ステレオのCDは発売されていない。つまり、このLPのCD化はされていないようだ。この音源は、それだけマイナーな存在なのだろうか・・? でも良いのだ。この音像の方が自分にはフィットする。(ただノイズが・・・)

前のコニサー録音の「月光」のLPの時もそうだったが(ここ)、貴重なLPが手に入ったとたんに、音質が・・・と文句を言う。いやはや自分は人間が出来ていない・・・
もしステレオ好きの自分の感覚に賛同頂ける方は、一緒に全曲を聴きましょう。(ここ)に全曲(1~4楽章)のZIPを置くので、クリックして10分間待つ・・・。
スクラッチノイズはあるけど、モノラルよりもいいよね!・・・(←悲しく自分に言い聞かせるエムズくんである)

(2010/07/24追)
上の記事は、廉価版のプレヤーを使用したときだった。テクニクスのホンモノのプレヤーと、DENNONのDL-103というMCカートリッジで再生してみたら、スクラッチノイズが低減した。改めて良い音でアップし直した。

(関連記事)
フルトヴェングラーの「運命」~擬似ステレオの音 
フルトヴェングラーの「運命」~1947年5月25日と27日の演奏の違い
フルトヴェングラーの「運命」:独グラモフォンの疑似ステレオ盤


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コメント

エムズの片割れ様へ
私も先日、トスカニーニの「運命」が届いたので、興奮して聞いたところでした。が、学生時代のオケの4年間の重み「勝吉=運命」(クライバー好み?)から抜け出せません。ラトルで「運命」は、終わりにすればよかったかな?

投稿: wolfy | 2010年5月15日 (土) 08:51

wolfyさん

トスカニーニですか。昔から有名ですね。
クライバーはすごい。あのエネルギーはすごいと思います。
オケをされていたとは、羨ましい・・・

投稿: エムズの片割れ | 2010年5月16日 (日) 21:04

エムズの片割れ様
ご無沙汰しております。喜多朗のシルクロード&千年女王以来です。
フルトヴェングラーのDGの疑似ステレオ録音の運命のコメントがあり、全く同意見であります。
自分も25年以上前に中古レコードでこのレコードを発見・購入したのですが、エムズさんのアップされたこの音源のほうが自分のよりノイズが少なくて驚きかつ嬉しく思っております。
先輩にうかがったところでは、この一連のDGの疑似ステレオレコードは、発売当初(1966頃)とても高価で買えなかった、フルトヴェングラーファン憧れのレコードだったそうです。
このシリーズでは、運命のほかに
・ザ・グレート
・シューマンの4番
・ハイドンの88番
・ブランデンブルク協奏曲3番
・JSバッハの管弦楽組曲3番
・ブルックナーの9番
などが発売されていました。その後は一度も再発売されず、ずっとデッドな響きのモノラル録音がバカの一つ覚えのようにLP・CDでプレスされ現在に至っております。
このうち前3者は録音も比較的新しいこともあり、疑似ステレオの響きもなかなかのものです。後の3者は録音が古いためか音がふやけて疑似ステレオ化が厳しいもののように感じられました。
50年前にプレスされたレコードからの音源だとどうしても経年劣化によるスクラッチノイズが入ってしまうので、エムズさんと同じくメーカーからオリジナルのテープから疑似ステレオ化してCDにしてもらいたいと願っております。
もっとも、YouTubeでシューマンの4番は投稿者の方でステレオ効果をつけたものがアップされており、DGの疑似ステレオレコードの音質とほぼ同じのようですので一度試しに聴かれるのもよろしいかもしれません。
それにしても、1947年5月27日の運命の疑似ステレオ録音はモノラル録音より遥かに立体的な音響で、生々しい印象を与えてくれますね。
クラシックファンは古い録音に関し、変にモノラルのオリジナル尊重に毒された人が多いので、自分のようにもっと臨場感あふれる音を再現できるのであれば疑似ステレオやエコーつきの音源できいたほうがいいと考える者は肩身の狭い思いをしております。
クラシックの名演は1953年頃に一番多く出ている(これはその後のビジュアル重視のTV時代との転換期とのかかわりあいが大きいようです)ので、モノラル後期の良好な音質が多数でている以上疑似ステレオやエコーつきの音源がもっとCDで出てほしいですね!

【エムズの片割れより】
擬似ステレオ談義など、邪道だと思われているのでしょうが、同好の士が見付かって嬉しいです。

投稿: たかちゃん | 2016年9月26日 (月) 23:03

ご無沙汰しております。
喜多郎シルクロード・千年女王&フルトヴェングラー疑似ステレオ愛好家の某でございます。
最近YouTUbeで知ったのですが、フルトヴェングラー・バイロイト第九(1951)録音のエコーのついた優れた音響効果の投稿がなされました。
該当HPは(https://www.youtube.com/watch?v=VhyNCnqtmV4)です。
ちまたでは、平林氏の監修したGS2084というCDが第九の疑似ステレオ録音として優れているとの評判がたっていますが、実際きいてみたところ所詮ドイツブライトクランクをベースとしたオープンリールの復刻にすぎず、音がぼやけて臨場感に乏しい、いわば幽霊の残像のような
みじめなものでした。
それに引き換え上記の投稿録音はオーケストラの残響をうまく抑えてそれでいて立体的な音づくりがなされ、弦楽器の音がすごくのびて
大変聴きやすいです(しかも盤おこしでないのでスクラッチノイズも全然ないです)。いわば1947年の運命のドイツグラモフォンのステレオトランスクリプションに近い出来になっております。
ちなみに、Tou Tubeの別の投稿では
フルトヴェングラーのシューマンの4番(1953)
のエコーつきの録音が提供されており、
https://www.youtube.com/watch?v=vk8AtH0t2BU&t=12s
これは、私のもっているDGの疑似ステレオレコード(SLGM1449)の音と殆ど同じ音響効果で
これもスクラッチノイズが全くありません。
一度エムズさんもお時間のありますときに試聴していただければと存じます。

【エムズの片割れより】
貴重な情報をありがとうございます。早速DLして聞きました。どちらも聞き易いですね。特に第九は、EMIの広がりを誇張した音ではなく、素直な音で素晴らしい。
しかし帯域を見てみると、第九はWAVでもMP3でも変わりなく14KHzほど。シューマンは16KHzほどですが、WAVだと少し伸びているようです。
こんな自然な音が、CDで発売されてくれると嬉しいですね。
ありがとうございました。

投稿: たかちゃん | 2016年12月13日 (火) 23:55

恐れ入ります。
エムズさんの上記のコメントをいただき
第九とシューマンの4番の録音についての
自分の印象がエムズさんの感触とさほど外れていないことが確認できて安心いたしました。
本当にありがとうございます。
自分はあくまで、個々の演奏はもともとステレオの音で発信されたものである以上、なるべく
リアリテイーに富んだ臨場感のある音響で聴きたいと思っているにすぎず、その意味で疑似ステレオ録音がモノラルで録取されたものを把握する際に有効な一手段となる場合があると主張しているだけです。
最近自分が気付いたことは、
1)EMIのブライトクランク方式はウイーン楽友協会ホールのようなコンサートホールで録音されたものについては、音の広がりがうまく作用して有効なものが多い(例:フルトヴェングラーの運命1954年録音、英雄1952年VPO、タンホーザー序曲1952年VPO)。
2)これに対して、人間の声がオケにかき消されないためにオケの響きが抑制的に聞こえるよう設計されたバイロイト歌劇場、ベルリンのテイタニアパラスト、ウイーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座での録音においては、EMIのブライトクランク方式は音の広がりが変に誇張されて裏目に出てしまうので適切でなく、むしろDGのステレオトランスクリプション方式(オケのエコーを抑制的にする方法)のほうがうまくいくことが
多い。
3)何が何でも疑似ステレオで聴けばいいというものではなく、あくまでオリジナルの録音が
ダイナミックレンジが広くクリアーなものであることが前提として必要。
ということを痛感するようになりました。
1)から3)をふまえた上で、エムズさんのおっしゃる「自然な音」が聴き手に臨場感あふれるものとして説得力や感動といったものを与えていくんだろうなあ、と思っています。
今後、うまく「自然な音」として創造された「オリジナルはモノラルである録音」がどんどん出てきてCD化されることを、自分も切に望んでおります!(やはりフルトヴェングラーのザ・グレート(1951年BPO)が一番待望されているのではないでしょうか(スクラッチノイズ無し))

【エムズの片割れより】
2016年5月29日付で書きましたが、「ウラニアのエロイカ」ですが、「オーパス蔵版」が実に聞き易いのです。帯域は狭いのに・・・
エロイカはもっぱらこの盤を聞いています。
他もこんな自然で、クセのない音でのCD化が望まれます。

投稿: たかちゃん | 2016年12月15日 (木) 21:52

エムズ様
たびたび恐れ入ります。
ウラニアのエロイカ、エムズさんのアップされておられるOpus蔵の音源拝聴いたしました。
クリアーで実に自然な音にびっくりしました!
自分は1980年代からユニコーン原盤をベースとした東芝EMIのLPでなじんでいただけに(つぶれた音で今まで我慢しておりました)
隔世の感があります。書籍では音源によって
全然音質が違うということは耳にしておりましたが、ここまで違うとOpus盤で購入しなくてはならないと痛感しました(Tahraの音源でも十分いい音質に感じられてしまった自分に
あきれてもおりますが(苦笑))。
エムズさんのコメントされておられるように
オリジナルテープの処理の仕方によっていかに
聴き手のイメージが違ってしまうのかという
典型的事例なのですね。
昨今の音楽全般の頭打ち状態を打開するためにも、我々は今まで手にした音楽を「いい意味で自然でくせのない素直な音」で把握して大事にしていくことから始めなければいけないのだということに気づかされました。
有難うございました!

【エムズの片割れより】
Opus盤は帯域は狭いですけどね。
愛用のHAP-Z1ESもそうですが、聞き易い音が自分にとって良い音です。

投稿: たかちゃん | 2016年12月16日 (金) 13:23

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