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2010年4月30日 (金)

前島密とビル・ゲイツの“職業観”

先日の日経新聞のコラム「大機小機」に、「前島密とビル・ゲイツ」という記事があった。曰く・・・

前島密とビル・ゲイツ
近代郵便の父と呼ばれる前島密は1871年の郵便制度発足にあたり、全国の民間資産家に頭を下げて郵便局を開いた。明治はまだ4年で政府に資金は乏しく、各地の名士や地主に土地、建物を提供してもらう以外に郵便網を始められなかったからである。
英国などを視察し国力を高めるには民間の力が不可欠と痛感した前島は、現在の日本通運や日本郵船の前身となる会社の設立にも尽力する。社会に便利を作り、人々の生活を向上させることを職業意識とする官僚・政治家だった。
か烈な競争社会に身を置きながら同様の職業観を持っていたのが、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏だ。
10年前、ゲイツ氏がマイクロソフト最高経営責任者の職を後進に譲り会長に退いたころこんな話を聞いた。「会社は何のために存在するのか。利益拡大や株価上昇による富の創造だけなのか。私は最終的には人々の生活水準を改善することだと信じている」
後日、こんな話もしていた。「資本主義の素晴らしいところは競争を通じて常にみんなが新しいもの、社会にとってより良い製品を作ろうとしていることだ。自分の会社でいえば、技術革新を怠らず、マイクロソフトにしか解決できないものがあると人々から言われる会社であり続けたい」
同社は利益追求の一方で発展途上国の貧困層支援にパソコン無償提供などの社会活動を続けている。経営の一線から退いたゲイツ氏は個人の慈善団体を介し途上国の食糧難などに私財を拠出する。最近話題になった数千億円を投じての東芝との次世代原発共同開発も、温暖化防止の新技術による社会貢献への意欲と読み解くことができる。
明治から1世紀以上の時を経て、世界に事業基盤を広げた日本企業の経営者にも社会貢献を伴わぬ利益追求はないとの考えが徐々に浸透してきた。日本の産業界には環境技術をはじめ世界を良い方向に変えていく力が十分にある。
翻って政府はどうか。先進国で最悪の公的債務を抱え、本当は投資余力がないのに赤字国債を増やしたり国民の郵便貯金まで使ってまで大盤振る舞いの政策を展開しようとしたりする鳩山政権の姿は奇異に映る。前島のようにカネがないならないなりに、民間の力をフルに使って新しい社会を創造しようとする機運がなぜ政官界に出てこないのか。日本の政治はどこまで退化したのだろう。(三角)」(2010/04/28付「日経新聞」p19より)

鳩山政権の功績は、“国民の目を、かつて無いほど政治に向かわせたこと”、と誰かが言っていた。なるほど。確かに国民の目は政治に向かっている。でもそれは心配だから・・・
自分は、鳩山政権にはもう一つの成果があると思う。それは国民に「**兆円」という数字の感覚を植え付けたことだ。今まで「**兆円」という数字はあまりに大きく、我々にピンと来なかった。しかし赤字国債が何兆円とか、子ども手当が何兆円とか言っているうちに、我々にも何兆円という金がピンと来るようになってきた。これは功績だ。

本題に戻ろう。ここで論じられている「職業観」。確かに経営にとっての理想ではあるが、赤字会社の場合はそれどころではない。しかしリーマン・ショックを引き起こした米金融機関を筆頭に、節操のないカネ亡者が幾多いることも事実。

今、レンタルでDVDを借りて韓国ドラマの「サンド(商道)」を見ている。全50話のうち、40話まで行った。ここでも主人公の大商団のボスが、カネ亡者の同業者を尻目に、飢饉の民を救い、税で朝廷を助けている。まさにこれも「職業観」だ。
先日のTVニュースで、苦戦中の大手デパートにユニクロが出店していると言っていた。言うまでもなくユニクロは、障害者雇用に最も理解がある会社。こんな所にもユニクロの社長の「職業観」が見られる。

世に見習うべき経営者は多い。決してビル・ゲイツだけではない。日本株式会社の経営も、後世語り継がれるリーダーシップでお願いしたい所だが、さーて・・・


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