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2010年4月17日 (土)

「童謡」の向こうにある世界・・・「シャボン玉」と「七つの子」

NHKラジオ深夜便で、大林宣彦監督が、「童謡『シャボン玉』は、野口雨情が小さい時に亡くなった自分の娘を悼んで書いた。という話がある」と言っていた。その話を前提にこの歌を聞いてみると、この歌詞もなかなか奥深い・・・

<「タンポポ児童合唱団の「シャボン玉」>

「シャボン玉」
  作詞:野口雨情
  作曲:中山晋平

シャボン玉飛んだ
屋根まで飛んだ
屋根まで飛んで
こはれて消えた

シャボン玉消えた
飛ばずに消えた
産まれてすぐに
こはれて消えた

風、風、吹くな
シャボン玉飛ばそ

ラジオでは、あくまでこの“お話”がホントウかどうかは分からないと言っていた。Wikipediaによると、確かに野口雨情の長女は生まれて7日目に亡くなったという。
西東社の「童謡・唱歌こころの歌」という本の「しゃぼん玉」の解説にも、「大正11年11月「金の塔」に掲載。演奏旅行中に亡くした娘の記憶が後年、詩になったと言われている。」とある。まあ作詞者がどのような心情で書いたかは分からないが、子を亡くした親は、同じような心情でこの歌を聴くのだろう。

家に帰ってカミさんにこの話をしたら、既に知っていた。残念・・。
他にこの手の話は?と聞くと、「七つの子」もそうだという。カラスは炭鉱労働者のことで、朝鮮から連れて来られた人たちが、故郷を思って歌ったもの・・・?
この解釈では、山とは朝鮮半島のことで、古巣とは故郷のことらしい。

こう思って聞くと、これまた歌詞が意味深である。

<安田章子の「七つの子」>

「七つの子」
  作詞:野口雨情
  作曲:本居長世

烏 なぜ啼くの 烏は山に
可愛い七つの 子があるからよ

可愛 可愛と 烏は啼くの
可愛 可愛と 啼くんだよ

山の古巣へ(に) 行つて見て御覧
丸い眼をした いい子だよ

P10303691 同じく、西東社の「童謡・唱歌こころの歌」の解説に「大正10年7月『金の船』に掲載。明治40年『朝花夜花(二)』という民謡詩集に掲載された「山がらす」を元歌にしている。作曲者が原詩の“古巣に”を“古巣へ”に代えた。」とある。

Netで調べてみると、炭鉱労働者の説は、永六輔氏が唱えたものらしい。
「2003年2月のNHK「人間講座」において語った、野口雨情の「七つの子」についての解説。『この歌の詞は、朝鮮の人々を内地に強制連行して炭坑で働かせたが、炭塵にまみれて真っ黒だったので、カラスと呼ばれていた。この人たちの「早く故郷へ帰りたい」という思いを童謡という形にして書いたものだ。この話は雨情の弟子筋から聞いた』と言うもの。」(ここより引用)

この話は、自分はどうもホントウとは思えない。でも童謡は歌詞が単純なだけに、その後ろの世界を色々と想像してしまうようだ。

ところで、カミさんが同じく言っていた「赤い靴」の女の子は、“アメリカに行っちゃった”ではなくて、行く前に“死んじゃった”という話だけはホントウらしい・・・。
Netで読むと、モデルの女の子は、結核のため、養育を託されていた宣教師が帰米の際に連れて帰ることが出来ず、9歳で亡くなったという。でも両親はそれを知らず、話を聞いた野口雨情もそれを知らないまま、この詩を書いたという・・・。

これらの有名な童謡の背景を調べてみるのも、色々と奥が深くて面白いかもね・・・

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野口雨情記念館に行った


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コメント

 定年退職後中国で日本語を教えている70歳の老師です。もう5年も滞在しています。
 授業中に毎日と言っていいほど、教科書に出てきた言葉に関連した童謡や唱歌を大きな声で歌っています。学生たちは私が勝手に即興の歌を歌っているのだろうと思っていたらしいのですが、私の部屋に遊びに来て、童謡・唱歌の本に載っているほとんどの歌を歌えるのを知って呆れながらも納得していました。
 ある夏の日、バスは満員で人いきれがひどく蒸し暑い日でした。赤ん坊を連れた人が乗ってきましたので、席を譲りました。赤ん坊は暑さでむずがり出しました。お母さんがいくらあやしても泣き止みません。私は赤ん坊の目を見ながら童謡を歌いました。子供はすぐ泣き止んで大きな目で私をじっと見つめています。そのうちに私のシャツの襟をしっかりつかんできて、さもうれしそうに聞いています。バス中の人が聞いているのも気に掛けず、次々と歌いました。言葉は分からなくても、童謡は不思議な力を持っているのですね。先日も市場で乳飲み子にニーハオと声を掛けましたが知らん顔でした。童謡を歌いだしたら、手足をばたつかせて大喜びしていました。私の定番は「七つの子」。それで、この頁に投稿しました。童謡の楽譜には「かわいいななつの」とあったので、今までそう歌っていたのですが、安田章子は「かーわいななつの」と歌っていますね。その方がからすの「カー」と鳴く声に近いので私もそう歌うようにします。
 つい最近このサイトを知りました。昔の童謡歌手の歌声が聞けるのに感動してしまいました。童謡歌手の声を聞いて体が震えるような気がしました。おとといと昨日は作文の添削をしながら、朝から晩まで、童謡・唱歌のセクションの歌を全部聞きました。童謡歌手の歌を聴きながら育った世代ですので、大人が歌う童謡はなんだか物足りなく思っていました。童謡歌手の声にうっとりしながら、このサイトの運営をなさっている方に感謝の言葉を述べたいと思いこの文を書きました。本当に有難うございます。これからもたびたび利用させていただきたいと思います。実は今年の7月には帰国します。小さなリコーダーのグループを主宰しているのですが、レパートリーにもっと童謡を加えたいと思っています。
 ちょっと残念なのは、「りんごのひとりごと」と「みかんの花咲く丘」が見当たらないことです。著作権のことがあるのかもしれませんが、「りんご」には子供の頃の思い出がいっぱい詰まっています。子供のときの本棚兼勉強机は果物屋さんに行って貰って来た「りんご箱」にきれいな模様の紙を張ったものでした。りんごはめったに口に入らない高嶺の花でしたので、くだもの店の前のりんごを横目で見ながらこの歌を歌って通り過ぎたものでした。南国育ちの私にはりんごの花咲く青森県やりんご園は夢のように美しい所だと思っていたのです。「りんご」と言えば「りんご追分」や「リンゴ園の少女」の影響で、大人になるまで、美空ひばりは青森県の出身だとばかり思っていた阿呆人間ですから、同僚に幼稚園生が大人になったようなやつだと馬鹿にされてたのが頷けます。

【エムズの片割れより】
楽しいコメントをありがとうございます。実は、「定年退職後中国で日本語を教えている・・」と読んで、元上司のTさんを思い出しました。昨年、Tさんは同じく定年退職後に65歳?で中国の大学に日本語の教師として赴任され、それを聞いた昔の仲間が、皆でビックリ・・・。(2012年1月 2日の記事参照) 同じ経歴の先輩が居られたのですね・・・・。いやはや敬服します。
当サイトに挙げている音楽は、自分のその時の気分で・・・。よって何の根拠もありません。リンゴと言えば、美空ひばりの「津軽のふるさと」もアップしています。
繰り返しですが、退職後に70歳まで異国でご活躍とは・・・・。いやはや“甘い自分”を反省させられました。

投稿: 河南 勝 | 2012年4月 8日 (日) 23:29

エムズの片割れ様
中国滞在へのコメントありがとうございました。
2年前までは家内と一緒だったのですが、足を悪くして家内は日本でリハビリ中ですので、単身赴任です。
家内がいないのをいいことに恋人をたくさん作りました。毎日デートに忙しいです。日本語科の学生はみんな私の恋人です。授業の他に、お昼は学生食堂で学生4人と食べます。昼飯代も私の負担です。毎日4人指定して交代で全員と食べながら語っています。土、日は4人ずつ、学生を家に招いて、カレーを食べさせて、浴衣を着せています。そのほかの日も、お菓子作りをしたり、折り紙を教えたりしながら会話の練習をさせています。日本にいたとき、結婚以来料理を作ったことはなかったのですが、カレーの作り方も浴衣の着付けもNHKのテレビを見て勉強しました。ほとんど女子学生ですので、みんな大喜びです。カレーのルーは日本に帰るたびにスーツケースに半分くらい持ってきました。浴衣ももう200人以上着せました。文庫結び一本やりですが、きちんと結び方の指導もして、自分で着られるようになった学生も何人かいます。
中国では昨年新しい通達(法律?)が出て、60歳以上の外国人は雇えなくなりました。それで、私も今期限りで帰国します。
中国は食べ物が日本の10分の1ですので、金銭的な負担は全然ありません。敬服されるようなことでなく、若い女の子と毎日付き合って、元気を貰って楽しくやって、中国滞在を楽しんでいるだけです。晴れた日の夕方は小1時間退職老人達とバレーボールもしているんですよ。

【エムズの片割れより】
まさに理想的なシルバー世代を実践されているようで、感服の至りです。
そんなエネルギーはどこから出てくるのでしょう?相手が若い女性だから??・・それだと納得出来ますがね・・!?
いつも食べているカレーも、日本の食べ物なんですね。
しかも学生に浴衣を着せるなど、粋(いき)ですね~~。
しかし、とうとう帰国とは、皆さん残念がっているのでは??ホントウにお疲れさまです。

投稿: 河南 勝 | 2012年4月12日 (木) 01:34

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