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2009年11月27日 (金)

「結婚推進こそ少子化対策の要」・・・か?

新聞記事について記事を書くときには、よくカミさんにその記事の話をして雑談するのだが、今日ほど揉めたことはない。さっきも長時間“激論”をしたが、いちおう書いてみる・・・。
今朝の日経新聞に日本経済研究センター宇南山 卓氏の「結婚推進こそ少子化対策の要~人口基準に保育所整備を」という記事があった。実に理路整然とした論理展開であり、説得力がある・・・、と思っていたら、カミさんは分かりづらいという。ここから既に対立・・・。

結婚推進こそ少子化対策の要~人口基準に保育所整備を
    日本経済研究センター・神戸大学准教授 宇南山 卓
<ポイント>
・晩婚化より非婚化こそが少子化の真因
・独身の選好、新しい経済モデルで説明可能
・大都市保育所充実で出生率は1.6台も

(以下、当blogの捉えた勝手な骨子・・・)
・少子化の進行を要因分解すると、結婚の減少が最大の原因。
・出生率の低下は、婚姻率の低下と既婚女性の出生率に分解できるが、既婚女性の出生率はむしろ増加しており、婚姻率の低下が少子化の原因。
・結婚の減少は、「晩婚化」ではなく「非婚化」。50歳時点での未婚率は60年頃まで2%未満だったが、05年には女性7.2%、男性15.6%まで上昇。
・これまでの経済学では、結婚には家事と仕事の分業、耐久財の共有、子供が持てるなどのメリットがあり、厚生水準は結婚した方が独身より必ず高いと考えられてきた。そのため、一生結婚しないという選択を合理的には説明できなかった。
・しかし最近の研究では家族を「個人」の集合ととらえ、家計内の支出における意思決定権限に注目した。これによると、夫婦間の所得差や年齢差などによって意思決定権が決まる。
・家計内分配の決定権は労働市場の賃金水準で決まるが、既婚女性のパートタイムの賃金水準が低いままなのに比べ、フルタイム女性の賃金水準の上昇により、女性が独身に留まった場合の厚生水準が飛躍的に上昇し、独身に留まることが必ずしも不利ではなく、非婚化を引き起こしている。
・既婚女性の賃金を上げるには、フルタイム労働者として出産後も就業継続する方が効果が高い。それには保育所整備が有効であり、これこそ最大の結婚推進策であり、少子化解消策である。
・保育所の整備は、25~34歳の女性の人口と保育所の定員との比で考えるべき。つまり大都市部に、より集中的に保育所を整備する必要があり、企業内保育所への公的支援も必要。こうすれば婚姻率は2割増え、出生率は現在の1.3台から1.62に回復する。
・この政策のコストは年5600億円で、「子ども手当」の5兆円の1/10で済む。

(日経新聞2009/11/27 p31より)(オリジナル記事はここ

この論をどう捉えるか。自分はなるほど・・と思ったのだが、カミさんに言わせると「これは子供を育てたことの無い人の論。そんな機械的なことでは解決しない。子供が病気になったら誰が面倒をみる?保育所では預かってくれない。だから幾ら会社で重要な会議があろうが、惨めな思いをして会社を休まざるを得ない。今の世の中は、子供の祖母がそれこそ献身的に、丸抱えで母親の代わりを務めているから会社に行ける。しかしそれは恵まれた一部の人だけ。多くの親の助けの無い家庭は、保育所だけあっても到底解決しない。子供にとっても、小さい時は母親と一緒に居ることが何よりも大切。だから、むしろ数年の子育て期間が終わったら、元の会社に復帰できたり、社会に戻れる制度を作って、安心して子育てが出来る仕組みを作った方がよっぽどマシ・・」という。
なかなか良い案だ・・、と思って話したのだが、メタメタ・・・。なるほど、子育てで苦労した経験者(!)からすると、そんなものか・・・・。

話が変わるが、昨日の新聞に、隣の韓国も08年の出生率が1.19と、日本を下回る出世率で悩んでいるとの記事があった。韓国の対策は、「就業年齢の1歳引き下げ」や「第3子以降の大学入試や就職を優遇し親の定年を延長する」という。つまり小学校への入学を現在の6歳から5歳に1年前倒しすれば、就労年齢も1年早まり、養育期間も短縮されて家計負担が減ることになるのだという。(日経新聞2009/11/26 p8より)
何とも乱暴な議論だが、少子化で頭を悩ましているのはどの国も同じらしい。

まあこの宇南山さんの論にしても、色々と異論もあるだろう。またウチのカミさんのように「少子化は自然の摂理。金をばら撒いたりして解決できる問題ではない。減るなら減るに任せたら?」という論もある。
しかし、5兆円もの税金を使う施策としては、「子ども手当て」は少し拙速かも・・?
民主党政権も、マニフェストという呪縛に自らが落ち込むのではなく、今“事業仕分け”で大流行の“透明な議論”をして、より良い少子化対策の道を探す懐の深さも期待したいもの。
場合によっては、現役の母親たちによる「マニフェストの“事業仕分け”」をするのも一興か・・・?

もっとも、実は我が家にとってこんな話はどうでも良いのだ・・・。ウチは“孫”にも“ヨメ”にも縁が無いので・・・!?(それに大きな声では言えないが、ウチの権力構造は、世の賃金の水準となんかまったく無関係で、収入ゼロの約1人が絶大なる権力を握っているんだけど・・・・・)

(関連記事)
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