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2009年10月18日 (日)

建築家・安藤忠雄氏が紹介する「サムエル・ウルマンの詩『青春』」 

NHK TV「こころの時代~心のつながる空間”を求めて 建築家・安藤忠雄」(2009/10/11放送)の録画をうつらうつら見ていたら、ハッとする言葉・・・

『青春』 
   サムエル・ウルマン
青春とは人生のある期間ではなく、心の持ちかたを言う。薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな肢体ではなく、たくましい意志、ゆたかな想像力、炎える情熱をさす。青春とは人生の深い泉の清新さをいう。

青春とは怯懦(きょうだ)を退ける勇気、安易を振り捨てる冒険心を意味する。ときには、二十歳の青年よりも六十歳の人に青春がある。年を重ねただけでは人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。

歳月は皮膚にしわを増やすが、情熱を失えば心はしぼむ。苦悩・恐怖・失望により気力は地に這い、精神は芥になる。六十歳であろうと、十六歳であろうと人の胸には、驚異に魅かれる心、おさな児のような未知への深求心、人生への興味の歓喜がある。君にも吾にも見えざる駅逓(えきてい)が心にある。人から神から美・希望・喜悦・勇気・力の霊感を受ける限り君は若い。

霊感が絶え、精神が皮肉の雪におおわれ、悲嘆の氷にとざされるとき、二十歳であろうと人は老いる。頭を高く上げ希望の波をとらえる限り、八十歳であろうと人は青春にして已む。 (作山宗久:訳)

*「怯懦(きょうだ)」=臆病で意志の弱いこと。
*「芥(あくた)」=ごみ。ちり。くず。
*「駅逓(えきてい)」=宿駅から宿駅へ次々に荷物などを送ること。
*サムエル・ウルマン(Samuel Ullman,1840~1924年)=アメリカ合衆国の実業家(詩人、教育者)

この番組では、安藤さんは前半の部分を紹介していた。調べてみると、この詩はサントリーの佐治敬三さんから、一緒に仕事をした時に教えられたのだそうだ。
この詩については(ここ)に詳しい。非常に有名な詩らしいので、ここではこれ以上は述べない。

安藤さんは、この番組で色々と面白い発言をされていたので、メモしてみた。
「中学2年生の時に、家を平屋から2階建てに改築した時、一心不乱に昼飯も食わずに働く大工さんの姿を見て、これには何かあると感じた。それが建築家になりたいと思った最初。何かあると・・・」
「外国で講演会をした後のパーティーで、よく日本の評価を聞く。前は“経済大国”だったが最近は“長寿”。なぜ日本はそんなに長生きで元気で女性はきれいなのかと。男性はダメ。売り上げと利益ばっかりで生きてきて、40、50になると疲れてくる。女性は40位になって子供が大きくなると、歌舞伎に行こうかとか絵を習おうかとか、人間関係が出来てくるから楽しい。この好奇心が女性のエネルギーの源。だから日本の女性の評価は圧倒的に高い。若くてきれいで元気。・・であつかましい。・・・長生きをするためには、好奇心を持ち続けなければいけない。そのためには40歳位からしっかりと好奇心を持って生きなければいけない。」
「・・・この机は安い工事用の足場板で作った。だから表面がザラザラしている。今はつるつるピカピカの時代。心に残る人間でピカッとしてツルっとした人が残りますか?少しザラザラしているな、あの人間は・・・と、ザラザラしていることが大事。このザラザラ、ごつごつ感が心に伝わってくる。これが宗教建築のあり方」
「(上の詩の紹介)・・・老いないために20、30、40代の時に勉強しろ。歩け。歩いて物を見る、歩いて物を聞く、歩いて人に会う。そして自分ひとりで生きていないという事をしっかりとやれ・・・」
「青春の実現という事は自分が目標を持つこと・・」
「生きるという事は面白い、という事を伝えたい」

68歳の安藤さん。まだまだ現役。この「年を重ねただけでは人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。」という言葉。これは多くの経営者の糧となったという。我々のような“そろそろリタイア組”にとっては励みになる言葉だ。
この話をカミさんにしてみた。すると意外な反応・・・
「ギラギラした老人はどんなものか?金にギラギラ?欲にギラギラ?オンナにギラギラ?・・」
「女性は確かに好奇心旺盛。しかしそれらが行き着くところに欲が出てくるのではないか。絵を描いても展覧会で賞を取るとか・・。決して安穏な老後ではない。それが良いか?」
「詰まるところ“足るを知る”事が出来るか・・。どこかで折り合いを付けて満足することが出来るか・・」

ナルホドね・・・・。どんな言葉、どのようなスタンスにも、見方によっては色々あると言うことだ。しかし「人生、目標を持って生き生きと・・・」というスタンスに反対する人は居まい。
前に手仕事屋きち兵衛さんのコンサートで(ここ)、「品位のある老人を目指そう」といった話をされていた。そう、人それぞれ色々な人生があり、何を目指そうとも勝手だが、やはり“品の良い老人・・”というものが目指す先にあるような気がするが、どうだろう・・・。

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コメント

久しぶりの訪問になります。安藤さんの建築も会話も魅力ありますね、経歴自体が枠を超えていますし、今も現役であることがいいですね。そして、このブログも視点がはっきりしていて魅力があります。

投稿: 中川輝光の眼 | 2009年10月20日 (火) 17:03

中川輝光の眼 さん

先日の放送で、安藤さんの目にクマがあったのが気になりました。
ボクシングをされているとの事で、その影響でしょうか?

投稿: エムズの片割れ | 2009年10月25日 (日) 20:02

60代のオヤジブログから参りました。

ヴィヨンの妻の映画も見たのですが、ここに書かれている、さめた奥様の言葉に共感を覚えました。

また、ちょくちょく寄らせていただきます。

投稿: 小父さん | 2009年10月26日 (月) 16:42

小父さん

コメントありがとうございます。
「さめた」評の方がフィットしましたか・・。
まあ何でもそうですが、価値観は人それぞれ・・ということで。

投稿: エムズの片割れ | 2009年10月26日 (月) 21:32

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