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2009年8月 2日 (日)

中村元の「阿弥陀経」(10/10)

この連続記事は、1985年4月から9月まで、NHKラジオ第二放送で行われた全26回の連続講義「こころをよむ/仏典」 (CDはこれ)の「第19回 極楽国土を欣求する-阿弥陀経」の部分を、『中村先生の声』と『読み下し文』、そして『中村先生の説明』を、この放送を活字化した、前田専学先生監修の「仏典をよむ4 大乗の教え(下)」(これ)を元に味わっていくもので今日はその第10回目、今は末世だが、阿弥陀仏を信仰すれば救われると説く。

<こころをよむ/仏典「阿弥陀経」~その10

しゃりほつ にょがこんじゃ しょうさんしょぶつ ふかしぎくどく ひしょぶッとう やくしょうせつが 
舎利弗 如我今者 称賛諸仏 不可思議功徳 彼諸仏等 亦称説我
ふかしぎくどく にさぜごん しゃかむにぶつ のういじんなん けうしじ 
不可思議功徳 而作是言 釈迦牟尼仏 能為甚難 希有之事

のうおしゃばこくど ごじょくあくせ こうじょくけんじょく ぼんのうじょく しゅじょうじょく みょうじょくちゅう 
能於娑婆国土 五濁悪世 劫濁見濁 煩悩濁 衆生濁 命濁中
とくあのくたらさんみゃくさんぼだい いしょしゅじょう せつぜいっさいせけん なんしんしほう 
得阿耨多羅 三藐三菩提 為諸衆生 説是一切世間 難信之法
しゃりほつ とうちがお ごじょくあくせ ぎょうしなんじ とくあのくたら さんみゃくさんぼだい 
舎利弗 当知我於 五濁悪世 行此難事 得阿耨多羅 三藐三菩提

いいっさいせけん せつしなんしんしほう ぜいじんなん ぶっせつしきょうい しゃりほつ 
為一切世間 説之難信之法 是為甚難 仏説此経已 舎利弗
ぎっしょびく いっさいせけん てんにんあしゅらとう もんぶっしょせつ かんぎしんじゅ さらいにこ 
及諸比丘 一切世間 天人阿修羅等 聞仏所説 歓喜信受 作礼而去
ぶっせつあみだきょう 
仏説阿弥陀経


「この経の最後に、いまの世の中はもう末世だということが述べられます。

「舎利弗よ、われ、いま諸仏の不可思議の功徳を称賛するごとく、かの諸仏らも、また、我が不可思議の功徳を称説(しょうせつ)して、この言(ごん)をなす、『釈迦牟尼仏よ、よく甚難(じんなん)・希有(けう)の事をなしたまえり。[すなわち]よく、娑婆国土の、五濁悪世(ごじょくあくせ)の劫濁(こうじょく)、見(けん)濁、煩悩濁、衆生濁、命(みょう)濁の中において、阿耨多羅三藐三菩提をえて、もろもろの衆生のために、この一切世間に難信(なんしん)の法を説きたまえり』と。
舎利弗よ、まさに知るべし。われ、五濁悪世において、この難事(なんじ)を行じ、阿耨多羅三藐三菩提をえて、一切世間のために、この難信の法を説けり。これを甚難[の事]とす。」
仏、この経を説きおわるや、舎利弗およびもろもろの比丘(びく)、一切の世間の天・人・阿修羅等、仏の説きたまいしところを聞きて、歓喜信受(かんきしんじゅ)して、礼をなして去りぬ。

五つの濁りとは、末世に生ずる避けがたい五つのけがれです。「劫濁(こうじょく)」は時代のけがれで、天災や戦争など社会悪です。「見濁(けんじょく)」は思想のけがれで、邪(よこ)しまな見解や教えが横行すること。「煩悩濁(ぼんのうじょく)」は精神的悪徳がはびこること。「衆生濁(しゅじゅうじょく)」は人間の心身がともに弱くなり、低下すること。「命濁(みょうじょく)」は人間の寿命が短くなることです。いまはこういう末世である。けれども、この末世においても阿弥陀仏を信仰するならば救っていただける、こういう教えを説かれたわけです。
また、ここに「難信(なんしん)の法」とありますが、これは念仏の教えをさしています。心がけがれ、疑いに覆われた衆生にとって、名号を信じしめ、称えしめんとする阿弥陀仏の他力廻向(たりきえこう)の法門は信じがたきものだというのです。
こうして、仏さまがこの経を説きおわられた。シャーリプトラをはじめ、そこにいたもろもろの人々、神々、神霊は、ああ、いい教えをうかがった、ありがたいことだと思って喜んで、礼をなして去った、と結ばれます。


前回(9/10)と今回(10/10)の間には、省略され部分がある。前回は「東方世界の仏たち」が阿弥陀仏の徳を讃えていたが、この後に、「南方」「西方」「北方」「下方」「上方」の順で、それらの世界の仏たちが登場し、全く同じ文言で阿弥陀仏の功徳を賞賛し、この回に進む。

今回で何とかゴールにたどり着いたわけだが、やはりお経は難しい。まさに時代を超えた哲学なので、サラッと読んで分かるような代物ではない。
自分もこれを機に、何度か、何冊か読んで、死ぬまでにその真髄に少しでも近付けたらありがたいと思う。

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