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2009年5月 7日 (木)

中村元の「阿弥陀経」(6/10)

この連続記事は、1985年4月から9月まで、NHKラジオ第二放送で行われた全26回の連続講義「こころをよむ/仏典」 (CDはこれ)の「第19回 極楽国土を欣求する-阿弥陀経」の部分を、『中村先生の声』と『読み下し文』、そして『中村先生の説明』を、この放送を活字化した、前田専学先生監修の「仏典をよむ4 大乗の教え(下)」(これ)を元に味わっていくもので今日はその第6回目、引き続き極楽世界についての説明である。

<こころをよむ/仏典「阿弥陀経」~その6

ぶ  し  しゃり ほつ ひ こく じょうう  しゅじゅきみょう  ざっしきしちょう びゃっこう く じゃく 
復次舎利弗 彼国常有 種種奇ミョウ 雑色之鳥 白鵠孔雀
おうむ    しゃり  かりょうびんが   ぐみょうしちょう ぜしょうしゅちょう ちゅうやろくじ すいわげおん 
鸚鵡舎利 迦陵頻伽 共命之鳥 是諸衆鳥 昼夜六時 出和雅音

ごおんえんちょう  ごこんごりき  しちぼだいぶん はっしょうどうぶん にょぜとうほう ご ど しゅじょう 
其音演暢 五根五力 七菩提分 八聖道分 如是等法 其土衆生
もんぜおんに かいしつねんぶつ ねんぽうねんそう
聞是音己 皆悉念仏 念法念僧

「またつぎに、舎利弗よ、かの国には、常に種種の奇妙なる雑色(ざつしき)の鳥あり。白鵠(びゃっこう)・孔雀(くじゃく)・鸚鵡(おうむ)・舎利(しゃり)・ 迦陵頻伽(かりょうびんか)・共命(ぐみょう)の鳥なり。このもろもろの鳥、昼夜六時に、和雅(わげ)の音(こえ)出す。その音は、五根(ごこん)・五力(ごりき)・七菩提分(しちぼだいぶん)・八聖道分(はっしょうどうぶん)、かくのごときらの法を演暢(えんちょう)す。その土(ど)の衆生は、この音を聞きおわりて、みなことごとく、仏を念じ、法を念じ、僧を念ず。」

「奇妙」とは、実に珍しくすばらしいという意味で、「雑鳥」は色とりどりということです。「白鵠(びゃっこう)」は鶴の一種で、白鳥とも鵞鳥(がちょう)ともいわれます。「舎利」とは、百舌鳥(もず)とも訳されます。「迦陵頻伽(かりょうびんか)」はカラヴィンカという、とくに鳴き声の美しい鳥です。「共命(ぐみょう)の鳥」というのは、この鳥がジーヴァン、ジーヴァンと鳴くので、もとの言葉でジーヴァとは命という意味ですから、それで「命」を重ねて名づけられた名前です。ですから「命命鳥(みょうみょうちょう)」ともいいます。これは、一つのからだに頭と心が二つあるとされています。なお、サンスクリットの原典では、あげられている鳥は三種で、白鳥・帝釈鴫(たいしゃくしぎ)・孔雀です。
このようないろいろな鳥が、昼夜六時にまことになごやかに、みやびやかないい声を出している。それは「五根・五力・七菩提分・八聖道分」を述べているのだというのです。これは仏教のほうで、それぞれ人間が修行によって達成すべく、修養に努めるべき徳目のことですね。全部で三七あるとされ、「三十七覚支」といいます。そのなかで、「五根」は悟りを得るための五つの機根をいい、信根・精進根・念根・定(じょう)根・慧(え)根。「五力」は信仰・努力・憶念(おくねん)・禅定(ぜんじょう)・智慧という悟りに至らしめる五つの力で、信力・精進力・念力・定力・慧力。「七菩提分」は七覚支ともいい、七つの悟りに役立つもののことです。「八聖道分」は人間の生き方の八つのあるべき姿、正しい生き方ということです。
その土の「衆生」、これはサンスクリット原文では「人々」となっていますが、彼らはこの声を聞きおわって、ことごとく仏を念じ、法を念じ、僧を念ずる。仏さまが明らかにされた道理が「法」、そして、修行する人々の集まりがサンガ、つまり僧、教団ですね。」

引き続き、極楽国土のみごとな光景が描写される。今日のところは「四荘厳(ししょうごん)」のうち、
④化鳥(けちょう)・微風(みふう)の荘厳 である。

それらの鳥は、「教え」をさえずっているという。それらは、
<五根>~さとりを得るための機根
「根」とは感覚器官~視覚(眼=げん)、聴覚(耳=に)、嗅覚(鼻=び)、味覚(舌=ぜつ)、触覚(身=しん)
<五力>~さとりにいたらしめる五つの力
<七菩提分>~七つのさとりに役立つもの
<八聖道分>~人間の正しい八つの生き方、あるべき姿

仏・法・僧=三宝とは仏教徒として尊敬し従わなければならない三つを宝にたとえていった言葉。
①仏=仏教の教主である仏(ブッダ、仏陀)
②法=その教えである法(ダルマ、真理)
③僧=それを奉ずる人々の集団である僧(サンガ、僧伽(そうぎゃ))

(以下「四荘厳」化鳥・微風の荘厳の説明が続くが、中村先生の解説では省略されている)

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