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2009年3月 1日 (日)

唱歌「仰げば尊し」

今日から3月。早いもので、もう卒業式のシーズンである。今日3月1日は、昔、高校の卒業式があった日である。今では何日が卒業式か知らないが、自分の卒業した昭和41年当時は、必ず3月1日が卒業式だった(ここ)。それは入試との関係だった。当時国立一期校の試験日が3月3日~4日であり、毎年、地方の大学を受ける人は卒業式に出られなかった。当時、1月になると皆自宅に籠もって勉強していたが、3月1日の卒業式には皆出てきた。受験直前のピリピリした中にも緊張が解ける一瞬であった。その時にこの「仰げば尊し」を歌ったかどうかは覚えていない。その当時でも、卒業式といっても殆どが「蛍の光」だったように思う。でもこの歌は、なぜか歌っていて、そして聞いていて涙を誘う一曲ではある。もちろん今では、こんな歌を卒業式で歌う学校は無いだろうが、自分にとっては懐かしい一曲である。

<コロムビア合唱団の「仰げば尊し」>

「仰げば尊し」
   作詞/作曲:不詳(文部省唱歌)

1)仰げば尊し 我が師の恩
 教えの庭にも はや幾年
 思えばいと疾し この年月
 今こそ別れめ いざさらば

2)互に睦し 日ごろの恩
 別るる後にも やよ忘るな
 身を立て名をあげ やよ励めよ
 今こそ別れめ いざさらば

3)朝夕なれにし 学びの窓
 蛍の灯火 積む白雪
 忘るる間ぞなき ゆく年月
 今こそ別れめ いざさらば

この歌は、「明治17年3月唱歌教材集「小学唱歌集(三)」に発表。大槻文彦、里見義、加部巌夫が詞を練り上げたともいわれる。明治29年の「新編教育唱歌集(八)」以降にも掲載」(西東社「童謡・唱歌・こころの歌」より)

卒業式といえば、サラリーマンの卒業式は別にして、自分は4回の卒業式を経験しているが、どれも少しずつ覚えている。小学校の時は「何で女の先生が泣いている?」と素直・・・・。中学校の時は「もう姿を見ることが無くなる**を惜しんで・・!?」。高校は入試の真っ最中。そして大学は、3月の末にまさに形だけの卒業式であまり印象がない。まあ先生方との繋がりも弱かったし、とにかく卒業出来て良かった・・・、だけ?

言われるまでもなく、この歌詞は現代的ではない。まさに明治時代の風景で、今の若い人は理解できないだろう。
でもまあ春も近いので、そんな難しいことを考えるのは止めて、素直にこの歌を聞きながら、若い頃の「前向きの自分」を思い出して懐かしむのも、また良いでのは・・・?

(追~2011/01/25)
Image05692 2011年1月24日付「朝日新聞」夕刊に「あおげば尊し 米に原曲」という記事があった。原曲は、米国で19世紀後半に世に出た「卒業の歌」だという。記事のオリジナルのPDFは(ここ

(追)
2009/3/8付け朝日新聞(p28)に今年の卒業式の人気曲ベスト10が載っていた。
「・・・ここ10年ほど、ダントツで人気があるのが「旅立ちの日に」。月刊誌「教育音楽」が全国の中学校の音楽教師に、卒業式に何を歌うか聞いた調査では、今年も1位でした。・・」
<卒業式の人気曲ベスト10>
①旅立ちの日に
②大地讃頌
③手紙
④仰げば尊し、流れゆく雲を見つめて
⑥大切なもの、明日のために、旅立ちの今たしかめあって、巣立ちの歌、この地球のどこかで


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コメント

 中学校の卒業アルバムに、数学の恩師が書いてくださった一言がいつまでも忘れられません。曰く「限界は努力の関数である。」ケストナーの「人は善くは成れなくとも、より善くは成れる」と共に馬齢を重ねる人生の応援歌(言葉?)です。

投稿: rirac | 2009年3月 2日 (月) 17:13

rirac さん

中学校の頃は、一日一日、1時間1時間の中身が非常に濃かったと思います。それに引き換え、大人になってからの時間が何と希薄なことか・・・
それだけに、中学の時の「言葉」も一言ひとことが心に沁みますよね。この二つの言葉も、頭をポカリとされたような気がします。何とも、言い返せません・・・・

投稿: エムズの片割れ | 2009年3月 2日 (月) 22:13

こんにちは。

オリコンの2009年定番卒業ソングランクによると、

http://contents.oricon.co.jp/music/special/090304_03.html?cat_id=omr

「仰げば尊し」は10位に入っています。
まだまだ定番として根強いことが伺えます。

投稿: とく | 2009年3月 5日 (木) 15:23

とく さん

見ました。確かに「仰げば尊し」が10位に入っていますね! しかし「蛍の光」が無い・・・!
でもこのサイトに載っているほとんどの歌を知らない・・・。まさに自分は“時代遅れのオジサン”・・・!?

投稿: エムズの片割れ | 2009年3月 5日 (木) 22:37

 今から50年以上にもなります。その頃、小生は田舎の小さな小学校にいました。卒業式で「仰げば尊し」を歌ったことを今も覚えています。読み直して見るととても良い歌です。その後、中学校、高等学校までは卒業式の歌は変わりませんでした。後に、思いがけなく教員の道を進むことになりました。現在ではこのような歌は、学校ではもう歌われません。内容や歌詞が時代に合わないものがあるのでしょうが、一面では寂しい気持になります。現代では忘れてしまった大切な心が、この歌にはこもっているように思われます。良き歌、良きサイトに出会えました。お礼を申し上げます。
 

投稿: KJS | 2009年4月25日 (土) 15:34

KJSさん

コメントありがとうございます。
最近の子供たちは分かりませんが、トシの行った年代では、この歌は忘れることができません。
今の子供たちは、どんな心で卒業式を迎えるのでしょうね。昔と違ってカラッとしているのかも・・・?

投稿: エムズの片割れ | 2009年4月25日 (土) 17:23

「仰げば尊し」には昨年のはじめに世紀の大発見?がありましたね。「仰げば尊し」の原曲が19世紀の後半にアメリカで作曲されたSong for the Close of Schoolであることが桜井一ツ橋名誉教授によって発見されたことです。この曲は、長い間、日本のオリジナルなのか、「蛍の光」のように外国の曲なのか、わかっていなかった。たとえば、私の手元にある金田一春彦・安西愛子「日本の唱歌(上)」には、「この曲の制作の事情は未詳で、ことに、曲が日本人の作か、外国からの借り物かもわかっていない。・・・藤田圭雄氏は「ワガシノオン」というように、第1節の歌詞に忠実に作られているところから、日本人の作曲だろうとにらんでいるが、慧眼だと思う。・・・」などと書いてあります。外国の曲にせよ、作曲された本国では完全に忘れられてしまったのに、明治以来長い間卒業式の歌としてこの美しい日本語の歌詞と旋律で多くの日本人に愛されてきたのだから、日本の歌といってもいいのではないでしょうか!私も大好きな曲で、この歌を聞くといつも涙が浮かびます。
 なお、桜井教授の発見が契機になったのでしょうか?本国のアメリカでもこの歌を卒業式の歌として復活させた高校(?)があるようです(↓)。これが英語の「仰げば尊し」です。

http://www.youtube.com/watch?v=Nu_Uyej_1Do&feature=plcp

【エムズの片割れより】
原曲発見の、2011年1月24日付「朝日新聞」夕刊の記事は、上にも挙げていますが、旋律は本当にそのままですね。原曲は初めて聞きましたが・・・。確かに本国では忘れられ、日本では誰でも知っている曲になっている不思議な曲ですね・・・。

投稿: KeiichiKoda | 2012年10月12日 (金) 07:36

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