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2009年3月19日 (木)

フジテレビ「ありふれた奇跡」が終わってしまった・・

毎週見ていたフジテレビ「ありふれた奇跡」(ここ)が、今夜、とうとう最終回を迎えてしまった。山田太一の原作であるだけにハッピーエンドで良かった。
ストーリーは、駅での飛び込み自殺を止めたことで知り合った若い男女。この二人もかつて自殺を考えたという共通点があった。その二人が段々と近付いて行く。
しかし、両家には生活水準の違いなどのギャップが・・・・。彼はサラリーマンで挫折して、今は家業の左官屋。そして彼女には、堕胎の失敗で子供が生めないというハンディが・・・。
そして翔太のお爺さんは、絶対に子供は生めなければダメだと言い張る。それは、お爺さんが、東京大空襲で孤児同士の夫婦だから、孫が生まれないと家系が途絶えると心配しているから・・。
登場人物のそれぞれに“色々”ある。彼女の両親には、父の女装の秘密や、母の不倫の秘密があり、彼の両親は別れてまた同居中・・・。それぞれ平和ではない。・・・でも見かけ上は平和・・・
そして今夜の最終回。二人が結婚を宣言して、両家が席を同じくしたところで、このお爺さんが語り始める・・・・

「不況で仕事が減っている半人前の翔太と、子供が無理だっていうお嬢さんが一緒になって、まずうまくいくわけがないというのが私の常識でね。結局は、本人たちの自由だなんて、忠告もしないで見放していいのかと、この2~3日前まではここでそれを言うつもりでした。
ところが10日ほど前、この翔太がまったく別の件で、急にむきになって言ったことが、胸に響いた。“お爺ちゃんは用心のし過ぎた。それじゃあ人生が広がらないじゃないか”と。正面きって私にね。引きこもりの翔太が、堂々と胸張ってね。俺は、いつの間にか翔太は変わってるぞ、と嬉しかった。つまりそれはお嬢さんと会ったせいだ。いいお嬢さんなんだって、手を合わせたくなった。加奈さん、ありがとう。・・・
私は東京大空襲で、家族も親戚も全部なくして、11歳からひとりでね。日本がどん底の時代に、どん底の子供だった。だから、どうしても人間は、嘘つきで、冷たくて、インチキで、ケチで、裏切りで、自分が大事で、気を許せない。表には出さないけど、その常識で間違いはないと思ってきた。助け合おうとか、善意とか聞くと、何言ってやがる、いざとなれば逃げ出すくせに、と思ってしまう。しかしそれは、どん底の常識でね。今はどん底じゃない。どん底はこんなもんじゃない。どん底じゃない時代に、どん底の用心で生きちゃいけないよね。子供の頃の思いは、なかなか抜けなくてね・・。危なっかしいじゃないか、やめとけ、なんて言いたくなる・・。強気の翔太を見てね、“用心なんてつまらない。人を好きになれば、乗り越えられる”なんてね。段々にね、そう思えてきた。それでも俺は、用心なんかするなと言いたい。心配の種などいくらでもある。数えるな。と言いたい。乗り越えられる・・・、と。以上。」

このセリフに、山田太一の言いたいことが、そしてこのドラマの真髄が凝縮されているように思った。
このドラマのテーマに、“子供が生まれないと結婚はダメか?”があった。人間は、子供を生んで、子供を育てることで人間として成長して行く事は確かである。しかし、子供が出来ない夫婦は幾らでもいる。また時代的に、今は結婚=子供では無くなっていることも確か・・・
そしてこのドラマでのもう一つの名セリフ・・・。
八千草薫の「悲しいことには、きっといいことがついてくる。おめでとう・・」

我が家にはまったく縁のない話題ばかりだったが、いつ見てもホットする、そして見た後になぜか“幸せ”を感じる山田太一のドラマではある。
必ず見ている山田太一のドラマ。またひとつ金字塔が増えた・・・・


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